ヨガ・メディテーション ティーチャー 中島正明さん ”すべての人が自分の方法で天才性を持っている”

通訳・翻訳家として、国連の国際会議で世界の問題解決に取り組みながら、世界の変革は一人ひとりの変化からであることに気付き、ヨガと瞑想を極め独自メソッドを開発。平和につながる個人のあり方、幸せを感じる心の仕組みを提供しながら人の変化に関わり続ける、中島正明さんにお話を伺いました。

◆中島正明(なかじま まさあき)さんプロフィール

出身地:京都府福知山市

活動地域:東京ベースで日本全国

経歴:これまで、ヨガを5万人以上に指導。ヨガ講師も1,000人以上排出する経歴を持つ。

・全米アライアンス認定の200時間ヨガ講師養成講座(RYT)を30回開催

・業界初の瞑想講師養成講座を開催

・講師向けの20〜80時間の集中講座を50回以上開催

・リトリートにてヨガ解放ワークを多数リード

・一般向けのワークショップは200回以上開催

・数百人から1,000人規模でのイベントで講師を行う

・全米ヨガアライアンス公認最高資格500時間ヨガ講師(E-RYT500)

・全米ヨガアライアンス公認継続学習プログラム提供講師(YACEP)

・米国クリパルセンター公認クリパルヨガ・ティーチャー。

・インド政府公認シバナンダヨガ・ティーチャー。

・トレインド・ディマティーニ・メソッド®・ファシリテーター

・一般社団法人浜松ヨガ協会顧問

・カリフォルニア州ロイオラ・メアリーマウント大学認定グリーンヨガ指導者

現在の職業および活動:ヨガ・メディテーション講師

座右の銘:明日死ぬかのように生き、永遠に生きるから学べ

(ガンジーの言葉を私なりに変えています)

Q 現在ヨガ・メディテーションの講師をされていますが、夢は何ですか?

中島さん(以下敬称略)
ヨガや瞑想を通して一人ひとりが自分で自分を切り拓いていくというところに持っていきたいというのが、僕のやりたいことです。科学的に検証しても、今のところヨガは"人間開発の最高のツール"だと思っているので。
そのために先生が増えた方がいいと思って育成に注力しています。
2030年にはヨガ人口が1200万人になるという未来予測もある中で、ちゃんとヨガを伝えられる人は少ないと思っています。
単なるエクササイズではなく、本当に一人ひとりの心の平和につながるようなヨガというものがどれだけ伝えられるのかということが今の関心ごとで、ちゃんとしたティーチャーを1000人生み出すことが今のビジョンというかゴールです。

もともとは環境問題への取り組みをしていたんですが、発端は小学生の時にテレビで子供たちがどんどん亡くなっていく特集を見たことです。自分の周りにはそんな人はいないし、どこの話なのか調べたところアフリカという場所の話であることがわかりました。
その時に、これだけ科学技術が発達して賢い人たちがたくさんいる中で、なぜこのようなことが起きているのかがわからず、子供ながらにこの世界の不均衡のようなものをなんとかしたい、と漠然と思っていたんですね。
最初は音楽が好きだったのでそこで貢献しようと思いましたが、詰まりがきて、国際間の交流が大事だと思いアメリカに移り通訳の勉強をして、日本に戻り報道の仕事に就きました。
報道の仕事はかなり情報に制限がある中で限界を感じていた時、エコプロダクツのイベントを通じてNGO団体で国際法を変えてトップダウンで世界を良くしていく活動と出会いました。
途上国支援なども含めこれで不均衡が是正できると興味をもち、専門家になるくらい取り組んだのですが、結局は国際法が変わってもなかなか国内での施行に至らないんですね。これでは自分のやりたいことではないと思っていた時に、以前から続けていたヨガがあることに気付いたんです。

改革の歴史をみるとすべてトップダウンではないんです。民衆が動いてボトムアップ式に革命が起きてきた。

一人ひとりの心のあり方が世界を創っていく。

長い目でみると、不均衡の是正に関しても、制度よりも、一人ひとりの心のあり方が世界を創っていくと気付いて、ヨガというツールを使って一人ひとりが心を充足させて幸せをつかむ方に自分の力を使いたいなと思い、仕事を辞めてすぐインドに行きました。
日本に戻ってからは、体のあり方から心をつくる、体と心のコントロールに繋がる今の活動をしています。

記者 一人ひとりの心の平和とつながるようなヨガ、というのはどういうことですか?

中島 基本的には一人ひとりが自分で自立できるということですね。
体が変わると心が変わるということは、例えば、心がガチガチな人は、物事が「こうである」と決定論でみてしまう。それが世の中の問題だとしたら決定されているので動かないんですよ。
例えば一つの"物事"があって、それでバイタリティが上がる人もいれば、上がらない人もいるというように、実はバイタリティを上げる作用というのはその"物事"にあるのではなく、それぞれの人の心の中にあるわけです。だから世界は決まっていないわけです。そういう風に柔軟に物事を観ることができて自分で物事を解決していけるようなところに持っていくのがヨガなんです。
AIが出たり変革の時代の中で、物事を柔軟にみて臨機応変に対応できるような心の柔軟性が必要で、それは体の柔軟性からもくるので、体と心の両方からのアプローチを通して、加速度的に変わっていける人たちをどんどん育てたいんです。

記者 時代の変化に対応できる柔軟性をもつことは、本当に大事ですね。

中島 人間は生まれてからの経験と親や周りの人に言われたことの影響で「自分はこんな人だ」と決め付けてしまうんですね。ヨガはそれを外していく作業なんですよ。外してしまうと可能性しか満ち溢れていなくて、可能性しかないならば、何をしても自己効力感が高まり、社会における積極性も開いていきます。
本当に人生を底上げしてくれるベースアップみたいなものなので、多くの人がやってくれれば一気にドンと変わることが今までの実績からも見えているので、もっともっと広めていきたいです。

記者 自分の決めつけを外して解放されることで可能性が広がるんですね。

中島 あと、物の見方も変わります。心が好き嫌いを分けてしまうのですが、好き嫌いはその物事にあるわけではなくて、本当はニュートラルなんです。自分の心のクセで好き嫌い、プラスマイナスをつけてしまう。だから、マイナスがあるならプラスもあるかもしれない、マイナスがあるからプラスが存在できる、というようにニュートラルにうまくみていくことができる柔軟な心があれば考え方も変わっていきます。
心も体も一緒なので、実は心からのアプローチの方が絶対に強くて効果が高いのですが、最初からは難しいこともあるので、体を自分で見ていける力をつけながら、より繊細なところにいって心を自分でコントロールできるようになっていく。
一番大事なのは自分に対する見方です。自分とうまく付き合っていくツールがヨガだったりするので、幅広いです。

Q 一人ひとりが心の平和になった次の、関係性や組織、企業や国に対してはどのような変化が必要とみていますか?

中島 そうですね。ヨガは名前は知られてきたのですが、まだ教育というところに組み込まれていないので、そこに入っていくなど、ヨガのようなものの普遍化というフェーズに入りたいと思っています。
今は、マインドフルネスというキーワードで追い風があるので、そういうところから入っていこうかなというところですね。

記者 心の世界がどんどんスタンダードになっていく流れはありますね。

心の取り扱いの仕方を誰も配らない。学校でも教えない。そこも必要ではないかとすごく思っています。

中島 僕の疑問が、世の中は"心"一発なのに、その心の取り扱いの仕方をなぜ誰も配らないのかということなんですよ。学校でも教えない。一般教養も大事ですが、そこも必要ではないかとすごく思っているんです。
心の取り扱い方を知らないから、困っている人がいっぱいいる。小さい頃から知っていたら、人をバカにすることとかなくなるんじゃないかと思うんですね。数学も理科も楽しいですけれど、そういう心の教育が学校で入ってもいいと思うんですよ。

記者 本当に!!中島さんが思う"心"はどう定義されているんですか?

中島 "世界を映し出すフィルター機能"ですよね。単純に言えば。脳の機能で言えば、脳幹網様体賦活系(のうかんもうようたいふかつけい)という機能があるんですけれど、人は自分にとって重要度の高いものしか意識に上げないんですよ。それが心の働きなんですよね。だから、この世界を映し出しているアルゴリズムとでも言いましょうか。それが心。

記者 脳を通過してアルゴリズムでこの世界を映し出しているVRということですね。

中島 そう。VRの世界も脳からみると臨場感の高い情報世界が現実なんですよ。だから、臨場感一発なんですよ(笑)。
夢をみるということは、夢の世界に臨場感が移っていくことで、脳というのは臨場感が高い世界へ自分を連れて行ける機能を持っているんです。夢を持つということは、生きたい世界の臨場感を高めるものですから、だから叶いやすくなるんです
だけど大人は「とはいえ」というから戻っちゃうんですよね。一個一個自分のクセに気付いてそれを解いていけば新しいものを入れるスペースができるのですが。そこを自由に扱えればどこへでも行けるんですよ。

Q AIが人間を超えるといわれる中でAIにはできない人間の可能性としてはどのようにみていますか?

中島 シンギュラリティも2045年といわれていましたが、もう来ていますからね。AIは人間を凌駕すると思います。だけど、"情動"であったり人間が持っている有機的な人間味のようなものはAIにはないと思うんですよ。
AIとは競争するのではなく共存ですから、僕は「のび太になれ」と言っています。

記者 ドラえもんの「のび太」ですか?(笑)

中島 そう(笑)。昔の帝国の歴史の時は「ジャイアン」のような強い者が勝つ時代。ここ最近は「出木杉くん」のような人が増えた時代。そろそろ「のび太」にならないといけない。「ドラえもん」はAIです。今のうちに仲良くなっておけばいいと思うんですよ。

記者 ドラえもんはのび太を裏切らないですもんね。いつも助けてくれる。

中島 そう。だからどっちが上とかではなくて仲良く共存していく時代だと思うんですよね。

記者 「のび太」と「ドラえもん」のような関係になって共存できたらいいですね。

Q 最後に読者に向けたメッセージをお願いします。

中島 人は全員が天才なんですよ。それぞれの方法で。
どんな境遇にあっても、それぞれ人の幸せは基準値がありますよね。基準値があるということは上と下があるということです。
人は、実は幼少期に「自分の中にない」と思ったことが強烈にインプットされて、それを埋めるために生きるといわれているんですよ。
ネガティブな話ではなくて、そこに乗っかっていけば無尽蔵にエネルギーが出てくるということです。
ないものを埋めることが自分の中の"最高価値"になっていて、そこをみつけるとその人のエネルギーがどんどん出てくるわけです。逆にやりたくないことをしようとすると、脳はそれをしなくていいように、言い訳をつくるんです。だけど本当にしたいことは時間をつくってやるんですよね。ないものを埋める方法というのは、みんな違うので、それぞれの方法で。

自分の本当の天才性というものを発揮して価値交換・価値創造を生み出し、楽しく人生を送ってほしい。

みなさんは自分の方法で天才なので、そこを発揮していただいて、多くの人のためになることをして欲しい。皆がWIN-WINで、提供する自分も楽しいし、それによって価値交換、価値創造が生まれると思います。
僕の中では"価値=幸せ"という方程式がありまして、幸せ交換が生まれてくることなので、自分の本当の天才性というものを発揮していただいて、より楽しく人生を送っていただけたらなと思います。

記者 自分に天才性があるってすごく嬉しいですね!人の天才性をひきだすことが喜びになっている中島さんの美しい心を感じました。楽しい時間とメッセージをたくさんありがとうございました。

******** 中島さんの活動に関してはこちら ********

●中島正明公式ウェブサイト:https://masa-yoga.com/about/
●主宰するスタジオ「transtyle」ウェブサイト:http://www.transtyle-yoga.com
●Facebookアカウント:https://www.facebook.com/masaaki.nakajima.31
●主宰する「ファンクショナル・ボディ・ヨガ®︎」公式ウェブサイト:http://functional-body-yoga.com
●主宰する「オンライン瞑想アカデミー」公式ウェブサイト:http://online-meditation-academy.com

▲2秒でできる丹田の入れ方と抜き方をびっくりプチ体験中の記者。2時間あれば必ず変化を体験できるそうです!

【編集後記】
今回取材を担当した福田、黒田、目黒です。
短い時間で、中島さんの知性と探究の結晶を一気に出していただいた印象でしたが、本当に一端に過ぎないと思います。多くの人の可能性を引き出し導いていく方だと感じてワクワクしました。(福田)
相当なストイックさと深い探究心がなければ、感覚的に捉われがちなヨガや瞑想の世界を誰もが理解し体得できるまでの体系化はできないと思いますが、とても爽やかで柔軟性のある素敵な方でした!(黒田)
誰もが天才性を発揮する世界を、共につくっていけると嬉しいです!

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