「心と体の健康維持と住む場所を創る」 就労継続支援A型事業所 “天佑株式会社 CEO 新城 孝明さん”

地域があっての企業と言い切り、地域の課題や不満を徹底的に聞き、地域資源になることを活動理念にしている新城 孝明さんにお話を伺いました。

プロフィール
出身地: 沖縄県
活動地域:筑後市、福岡市
経歴:福岡県内の高校進学を機に福岡へ。就職し介護福祉の経験を10年経て、一念発起し障がい福祉事業に従事する。
現在の職業および活動:障がい者就労支援
座右の銘:因果応報

「自分を商品で見た時、消費期限が近づいているのがわかった」

Q.どのような夢やビジョンをお持ちですか?

新城 孝明さん(以下、新城 敬称略):従業員の心と体の健康の維持だけでなく、住む場所も創ることです。私は業界にありがちな、お金を優先するために、人を集めることはしません。何かをしたいけどやることがない人や自立したい意思がある人と働くことを決めています。面接時間を充分に取り、家庭環境ややってきたことなどをしっかりと聞き、一緒に働けるかどうかを見極める様にしています。一緒に働いてくれる人には、しっかりと経済を生める人になってもらえることを大切にしています。
 今の仕事の一つで、ご縁あってミシンを使う仕事を始め、初めはミシンを全然使えない人が殆どで、お客さんからも「100円でも買わないよ」と言われたりしました。でも利用者さんに「いくらなら買う?」と毎回聞き、その意見をちゃんと取り入れ、商品に付加価値をつけて作り続けました。その成果も段々認められる様になってきて、「この素材を使ってバッグを作って欲しい」と依頼が来る様になり始め、今ではシートベルトバックを作れる程に技術力がアップし、経済を生める人が増えて来ました。
 そして、経済面だけでなく住む環境もすごく大事で、家が安心して過ごせなかったり、不安があると仕事にも影響するんです。ちゃんと心と体が健康を維持させれる様に、職場だけではなく住む環境も創って、みんなの居場所となるような地域コミュニティーを創っていきたいです。

記者:何よりも働く方のことを思っている、新城さんの在り方があるからこそ多くの方に指示をされていることが納得できました。

Q.「従業員の心と体の健康の維持だけでなく、住む場所までを創る」ことを具現化するために、どんな目標計画や活動理念を持たれていますか?

新城:「家庭環境・体(健康)・資金」の3つが大事だと思っています。
従業員の中には、薬や睡眠で悩まれている方がいます。天佑では、業界ではおそらくいない「カイロプラクティック」を福利厚生にも取り入れています。取り入れたことで、薬が減ったり、眠れる様になったとの声を沢山聞きます、そうすることで薬代や病院代が減り、資金も貯まるし、家庭の関係も良くなってきます。この3つが揃う事で従業員が本当に安心して過ごせる環境ができると思います。
 また、地域があって企業があります。地域がなければ仕事がありません、なので地域の企業の人たちが何を求めているのか?どんな不満を持っているのかを徹底的に聞き、それを解消することで、経済を生み地域資源になりたいと思っていますし、地域資源になれれば、地域貢献には勝手になってくると思っています。

記者:従業員の人たちがどうすれば、安心して過ごせる様になるかをご自身の経験も取り入れてどんどん新しい事にチャレンジしていたり、地域と繋がりを大切にしていることが印象的でした。

Q.「従業員の心と体の健康の維持だけでなく、住む場所までを創る」という夢を持ったきっかけは何ですか?そこには、どのような発見や出会いがあったのですか?

新城:反骨心です。
今まで福祉をやる中で色んな側面を見て来ました。その中で目を背けたくなる現状や利用者さんの不満の声を沢山聞こえて来ました。福祉の世界はトップダウンの組織が多く、人の可能性を決めつけるそんな組織が嫌でした。みんなの意見を吸い上げるボトムアップの組織にしたい、それを叶えるには自分がトップにならないと私がやりたい福祉はできないと思い起業しました。
 もちろん、立ち行かない時期や大変なことは沢山ありましたが、あの時にチャレンジして本当によかったです。日本でだったらどれだけ酷い失敗をしても、苦しい思いや恥ずかしいことになろうとも、死ぬことはありません。死なないチャレンジならしてもいいと思ってましたし、どうやったらできるかを常に考えました。

記者:福祉を取り組む中での喜び、裏に隠れた難しさや厳しさが垣間みれました。その中でも勇気を持って起業し、新城さんのやりたかった福祉が実現しているのが凄いと思いました。

Q.「反骨心」を持つ背景には、何があったのですか?

新城:20代前半までは好きなことをやって遊んでばかりいました。
でもある日、母が脳梗塞で倒れたんです。その時は一命を取り留めましたが、その時から死と向き合うようになりました「何のために仕事しているのだろう?何のために生まれて来たのだろう?」と考える様になり、その中で自分を客観的に商品で見た時に、消費期限がもう近づいていることを知り、それがきっかけで独立することを決めました。でも最初は「遊んでばかりいたお前にはできないよ」と親からも職場の人にも反対されました。それが本当に悔しかったです。「今に見てろ」と決断をし、会う人を変え、自分が本当に必要な物を取捨選択を鮮明にし、今までの趣味や飲み会も断り、変わりに自分の栄養になる本を読む様になりました。その時の反骨心が原動力になっていたと思います。

記者:
お母様の出来事をきっかけにその反骨心で大きく認識が変化し、努力を続けてきたからこそ今の新城さんがいることが理解出来ました。

Q.最後に読者の方に向けて一言お願いします。

新城:周りの意見は聞かず、自分に正直にやりたいことをやる。その中で耐えることや、孤独になることもありますが、その選択が生きていく上で、結果的に納得できる人生になると思います。

記者:ありがとうございます。激動の10年間で今では信じられない程変化をされ、常に新しいことにチャレンジし、掲げているビジョンに沿って活動されている新城さんのお話にすごく引き込まれました。貴重なお話ありがとうございました。

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新城さんの活動、連絡については、こちらから↓↓

Facebook:https://www.facebook.com/sinjo.koumei

【編集後記】
インタビューの記者を担当した不知です。
色々な苦労をしながらも、新しいチャレンジをして、常に道を開拓しているまさにパイオニアだと思いました。事務所の雰囲気もすごくよく、みなさんが楽しく働かれている姿をみて、新城さんが創りたいことが形になってきているのを肌で感じました。新城さんの認識がどんどん色んな所に広がって欲しいと思える魅力ある方でした。ますますのご発展を楽しみにしております。

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