「全ての女性が働きやすい日本に」y&c Co.代表 大西ゆかりさん

女性の育児休暇、生理休暇などが取れて働きやすい環境づくりのため企業コンサルタントとして活躍されている大西ゆかりさん。今の活動に至る背景を伺いました。

プロフィール
出身地   埼玉県
活動地域   埼玉県、東京都
経歴   アパレル最大手(株)ワールド入社。その後もさらなるスキルアップのため大手から中小企業までを経験。接客、営業、教育、事業計画、マーケティングなど幅広いスキルを身につける。2010年 美容業界へ転職。ゼネラリストとして働く。子宮内膜症の発症を機に、女性活躍推進コンサルタントとして企業コンサルティングに努める。
現在の職業および活動   
y&c Co.代表

全ての女性が働きやすい日本に

Q:どのような夢やビジョンをお持ちですか?

大西 ゆかりさん(以下 大西 敬称略) 全ての女性が働きやすい日本にしたいです。色んな事情を抱えている女性たちがたくさんいます。病気を抱えていたり、親の介護、育児、シングルマザーであったり。今、若くて健康であったとしても、人生の中で何が起きるかはわかりません。そして何かが起きた時、仕事と両立できず、2つに1つのどっちかしかとれないのが現状です。私はどんな状況になってどんな事情を抱えたとしても、2つに2つとも選択できて、仕事を失わずに働ける環境をつくりたいと思っています。

 私のこの夢は、理想論や綺麗事ではなく、もう現実的にやっていかなくてはならないことです。男性がつくってきた社会に女性が合わせる社会でしたが、時代は大きく変わっていて、今まで通りの生き方や働き方ではなくなっています。けれど、その変化に社会や企業が追いついておらず、いつも女性の方が変化を強いられます。今では女性も大卒が当たり前になっており、就活、結婚、出産、育児、それも全部やって、さらに共働きです。全部をこなそうとすると、心身への負担はとても大きいのです。でも、仕事を辞めて子育てに専念したり、パートになったりすると、社会から取り残されたような孤独感を感じることがあります。そんな思いを打ち明けないまま追い込まれている女性がたくさんいます。

 ですから、企業や日本の制度をもっと細分化して変えていく必要があります。企業側が柔軟な対応ができるよう、私は企業の経営者の方々にアドバイスをさせていただいています。女性一人ひとりに伝えることも大切ですが、やはり会社の体制を変えていくには、経営者の意識が変わることが大切です。会社側としても、女性が働きやすくなると、離職率が下がったり、生産性が上がったりと、お互いが働きやすい体制を整えていくことが、双方にとって良いことになっていきます。決して簡単なことではありませんが、働きやすい企業を増やしていきたいです。

自分がいなくても回る体制づくり

Q:「全ての女性が働きやすい日本に」という夢やビジョンへ向けてどのような事業目標や計画を立てていますか?

大西 顧客様が、私がいなくなっても社内でしっかりと体制を回していけるようになる状態をつくることです。

 一つひとつの顧客様との関係性はとても大事なものですが、日本の全ての企業を改善しようと思うと、やはり一つのところにずっと留まるわけにはいきません。大企業だけでなく、中小企業など全社を変えていかないといけませんから、計画立ててやっていく必要性を感じています。

 又、私は外部の人間ですから、社内のことは社内で取り組める体制が大事だと考えています。ですから、女性推進室をつくったり、人事の方が対応できるようにしたりと、全力でサポートさせていただいています。

最大限の配慮を心がける

Q:その目標や計画に対して、現在どのような活動指針を持って、どのような基本活動をしていますか?

大西 人ありきのことなので、最大限の配慮を心がけるようにしています。それは本当に基本的なことです。遅刻をしない、約束を守る、連絡をしっかり取る、といったことを毎日徹底してやります。顧客様がお休みの時間には連絡をしないように、スケジュールを確認し、営業時間内に訪問して、お仕事の邪魔にはならないようにしています。社員同士であれば許されるかもしれませんが、私は外部の立ち位置ですから、なおさらに礼儀は大事だと思っています。

仕事以外で休みの日はダラダラ過ごしたりするんですけどね(笑)。自分のことだけならあまり気にはしません。相手がいることですから。出会う時にお互い不快な気持ちにならないように心がけています。

私にしか救えないことがある

Q:「全ての女性が働きやすい日本に」という夢やビジョンを持ったきっかけは何ですか?そこには、どのような発見や出会いがあったのですか?

大西 30歳の時に、ある日突然強烈な痛みがおきました。診断は「子宮内膜症」。そんな病気になる覚えがなく、とてもショックでした。仕事は好きでやりがいを感じていました。終電で帰って朝5時に起きるという生活で、後から思えばそれが良くなかったのかもしれませんが、当時は仕事とはそういうものだと思っていましたし、ストレスに感じてはいませんでした。けれど、その日から今までのように働けなくなりました。

 診断されるまで10日間は誰にも相談できず、ただただ不安な毎日でした。そして診断と共に、手術が必要だと宣告された時、病状の深刻さの理解はできても心が追いつきませんでした。手術まで半年かかると言われ、普段は温厚な母が「そんなに待てません!」とものすごい勢いで怒ったことは今でもよく覚えています。

 仕事は続けていましたが、任せてもらっていた仕事を人に任せなくてはいけなくなり、とても悔しかったです。最初は病気について知識がなかったので、「妊娠できないのか!?」「死んでしまうのではないか!?」と不安が膨らみ、まるで女性として価値がないと言われているような気持ちになっていきました。「なんでこんな病気になったのか!?」「私ばっかり!」と毎日悔しさに涙が止まりませんでした。

 でも手術を終えてリハビリしていた時、「タダで起き上がるのはやめよう!」と思いました。他界した祖母を思い出しながら、心の中で祖母に語りかけていると「人のために生きなさい」と言われているような気がしたんです。30歳って、結婚して、出産してキャリアを積んでいくポジティブなレールに乗るタイミングです。多くの人たちがそのレールに乗る中で、私はネガティブなレールに乗ってしまいました。でも、私だけではなくて、色んな事情を抱えて悩んでいる人たちがいます。そういう人たちに対して、「私にしか救えないことがある!」と気づいたんです。そうなると逆にラッキーだなって思えて未来に希望が持てました。

損をして得をする

Q:「私にしか救えないことがある」という発見の背景には何があったのですか?

大西 私は一人っ子ですが、家族仲が良くてお盆やお正月には親戚が何十人と集まる家でした。その中でも明治生まれの祖母のことがみんな大好きでした。祖母は、礼儀に厳しく、人とのつながりを大切にする人でした。祖母の振る舞いを見ていたら間違いないね、とみんな思っていたものです。

 祖母は一緒に旅行に行くと必ずご近所の方へお土産を買います。「これで買ってきて」と一万円を渡されます。手にいっぱい買って戻り、お釣りを渡すと「全部使ってきて」とよく言われました。人のためにお金を使い、「損をして得をしろ」という祖母の姿をよく見ていました。

 祖母も母もそうなので、私も手土産を持っていくことが習慣づいています。例えば、顧客様が3時のおやつに包みを開けているところを想像すると、とても楽しくなります。それに、押しつけになってもダメですから、何をお渡しするのが良いかとても考えます。例えば手が汚れるお仕事の方だったら、個包装で一口で食べられるものを、といったように。相手の立場に立とうと想像力が鍛えられます。人によっては損していると言うかもしれませんが、私は「ありがとう」と言っていただけるだけで本当に嬉しいのです。

 私のような病気や、あるいは何かしらの障害を抱えていたり、LGBTだったりと色んな方たちがおられます。そういう方たちが働きやすいように労働環境を整えることは大変ですが、その先は良いことしかありません。女性がきっかけではありますが、男性にとっても企業にとっても良い働き方をこれからもつくっていきたいです。

読者への一言メッセージ

大西 私一人で声を上げるのには限界があります。たくさんの人たちが声を上げていかないと世論、社会は動きません。働きづらいなと思っている女性はたくさんいると思うので、文句や不満であってもぜひ声をあげてほしいです。それが大きなうねりになって、変化が早くなっていきますから。

記者 「損をして得をする」というお祖母様の教えから、病気の時にも自分にしかできないことがあると気づかれて、誰もが働きやすい体制づくりに取り組まれるようになったのですね。本日は貴重なお話をありがとうございました。

〜✳︎〜✳︎〜✳︎〜✳︎〜✳︎〜✳︎〜✳︎〜✳︎〜✳︎〜✳︎〜

大西さんの詳細はこちら↓↓

https://yukaricoco.webnode.jp/

【編集後期】
今回インタビューをした小水です。
内側から溢れる思いがある大西さん。その思いの背景には、明治生まれのお祖母様から受けたエネルギーや、ご自身の病気の辛さを超えられた経験があるのだと思いました。
大きな結集を起こせた時、誰もが安心して楽しく働け、個人も企業も皆がwin-winの社会になる未来が見えるようでした!
大西さんのますますのご活躍を応援しています!

関連記事一覧

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

About Author

新着記事

PAGE TOP