「自分を自分で育てる学びの場」ポジティブインパクトチャレンジを主宰するサイボウズ株式会社の永岡恵美子さん

世界中の女性が女性らしく、イキイキと活躍している社会を創ろうと、”あり方”をキーワードにしたオンラインスクールを開催している永岡恵美子さんにお話を伺いました。

出身地:千葉県出身
経歴:
(株)日本興業銀行(現:みずほ銀行)にて15年間勤務。
退職後、ベンチャー起業の立ち上げに参画。
2014年よりサイボウズ(株)社長室に勤務。
2015年千葉県千葉市から立ち上げた「地域クラウド交流会®︎(ちいクラ)」は好評を博し22都道府県へと広がり累計参加者2万人を突破。
2016年からは”福業”として金融機関のアドバイザーにも就任。
2020年から「情報格差のない自律分散型の社会モデルを創る」育苗実験として、全面オンライン授業『PICスクール』をスタートさせている。
現在の職業及び活動:
サイボウズ株式会社 社長室 地域クラウドプロデューサー
第一勧業信用組合 連携企画部 アドバイザー
ポジティプ・インパクト・チャレンジ 主宰

Q:夢をお聞かせください。

 女性が無理をすることなく、もっと開放され、女性らしく元気に輝きながら活躍をして欲しいと思っています。女性は体力の面など男性とは異なるので、戦うのではなく女性は女性らしく働けたらいいのではないかという想いで応援しています。

 女性に限ったことではありませんが、今は義務感で出勤している人もいると思います。そうではなく、会社に向かう時にみんなが楽しくてスキップしてしまうような世の中にしたいですし、人がイキイキとした社会にしたいのです。

「世界の女性全員が、ポジティブに自律していけること」

Q:夢の最終ゴールの規模はどこまでですか?

 世界、ですね。世界の女性全員です。
 それと、私の会社の話を少しさせてください。私の所属する「サイボウズ」の理念は、「チームワークあふれる社会を創る」ことで、チームワークを支えるソフトウェアを作っています。そしてその範囲に留まらず、チームワークに必要なメソッドを販売しています。私は、自律している個人が集まることによってチームワークがあふれると考えていて、女性一人ひとりがポジティブに自律していく応援として、「ポジティブインパクトチャレンジ」(以下 PIC)という事業を進めています。

「自分が源となってプラスのインパクトを与え続けて欲しい」

Q:その夢に向けての計画や実践されていることをお聞かせください。

 「地域クラウド交流会」を立ち上げ、この5年間で全国に広がり、私が居なくても回るようになりました。各地がティール組織のようになり、私は何か困ったときにだけ応援をすれば良い状態になっています。

 新たな取り組みとして、現在「PICスクール」を開催しています。女性が元気に輝くことによって、会社や家族・友達に対して、自分が源となってプラスのインパクトを与えること。それも1回のチャレンジでダメだったと諦めるのではなく、いい影響を与え続けて欲しい。そんな自分発信の人を増やしたい想いで、週1回の6回コースを設定しました。私自身、これまで様々な学校で学んできました。その中で私が実践し、実感してきたエッセンスをカリキュラムとして提供しています。
 2020年の1月から丸の内で開講を予定していましたが、コロナの影響により大変でしたが急遽オンラインに変更し、4月から0期をスタートしています。オンラインになったことで、全国からも、さらに育児休暇中の方も参加できるようになりました。
 
 以前に私自身が「女性のリーダーセミナー」に参加した際、その場では教えてくれるのですがアフターフォローがなく、終わったら”はい”って野に放たれる感じがしました。ですのでPICスクールでは、6回コースが終わってからも、いつでも話を聞いて貰えたり、アドバイスを貰える「フォーラム」という場を用意しています。当事者ではない方が、解決方法も見えやすかったりしますしね。また6回コースが終了したら、自分が教える側になる「プリセプターコース」も用意しています。インタラクティブ(双方向)な学びの場にしたいので、プリセプターの人が中心となり、その周りの人が自律できるようにしていきたいのです。

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「”BE”→”DO”→”HAVE”という順序があります」

Q:チャレンジができるようになる為に、どんなプロセスをたどることが大切だとお考えなのですか? 

 私の中には、”BE”→”DO”→”HAVE”という順序があります。PICスクールでは、まずあり方(BE)を整えてから、”DO”をします。行動すると学びがあるので、その成果をシェアして学び合うのです。毎回授業の最後にネクストアクションを決めてお別れをし、次回はそのアクションができたかをシェアするところから始めます。これを講座を通して6回チャレンジしていきます。あり方が整っていくので、自分たちで頑張れるようになる、「自分を自分で育てる学びの場」なのです。
 0期はF2層の方が多いのですが、その方たちが変わると社会も変わりやすいかなと思っています。参加者それぞれが所属しているチームで、最高の成果を出し続けることを私たちのミッションにしています。自分が気持ち良いだけでは何も変わらないので、成果を出せるようにサポートしています。

「優秀な人達が苦しそうっておかしい」

Q:あり方の大切さを痛感したきっかけは何だったのですか? 

 私は今7社目で、自己責任で転職をし今の仕事も自分の選択でやっています。私は優秀ではないのですが、初めての就職先は当時、時価総額世界2位の銀行で、周りの人は皆んな東大生の様な環境でした。けれども、年を取るとみんな苦しそうになっていく姿を見たんです。そんな優秀な人達が苦しそうっておかしいでしょ。会って話をしても会社の愚痴になるし、さらに視野を広げて東京駅の朝の様子を見ても、皆んなゾンビみたいに歩いていて。
 大きな会社にいると会社が守ってくれるし、皆んな同じじゃないといけない雰囲気や、それが評価に直結していたりもします。”BE”を意識しないまま、生きることができてしまうんですよね。私は皆んなと同じじゃなきゃダメだということが、嫌で苦しくなったんです。本当の自分でいたいと思い、周りからは「銀行を辞める人はいない」と言われ反対をされましたが、辞めることを選びました。
 今、私はこれまでに関わってきた会社に感謝しかないですし、仕事はもっと楽しく取り組めると感じています。

自分軸と他人軸、あり方は2通りあります。」

Q:その違いがあり方の違いだと感じたのですか? 

 そうです。私よりもいっぱい働いているし、お給料もいっぱい貰っているのだけれど、あり方が違うのだと気がつきました。文句を言うなら辞めたらいいのに、辞められずがんじがらめになっているように見えたのです。その原因は、自分の責任で主体的な選択で生きていないからだと感じました。

 あり方を簡潔に言うと、「自分で人生は選択できること」・「自己責任」・「自律」です。あり方には2通りあります。1つ目は自分軸です。自分がどうしたいのかを基準に人生を歩み、周りの人に愛を配れること。2つ目は他人軸です。人からどう思われるかで、自分軸の反対なのです。最初は馬力があれば”あり方”を考えなくても、”DO”と”HAVE”だけでできてしまうのですが、はたと気がつくときがあります。

 自分で人生を選択できるためのキーワードは、”自分を満たすことです”。女性は自分よりも家族や子供に行きがちなのですが、まず自分が満たされ、満たされたものが周りにあふれていくのがインパクトになっていきます。自分を減らしていくと、いつか”バーンアウト”してしまいます。

 私自身、鈍感ではないので時に嫌われていると気がつくことはありますが、自分軸のあり方が整うことで、気にしなくていいやと思えるようにもなりましたね。人の変化に携わることが好きという気持ちを原動力に、女性の変化のお手伝いをしています。

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永岡恵美子さんの活動、連絡についてはこちらまで⬇︎
ポジティブインパクトチャレンジ: 
https://www.facebook.com/pic.school.2020/       
 Facebookアカウント : 永岡恵美子

【編集後記】
インタビュー記事を担当した、赤尾・堀江です。
永岡さんのお話をお聞きして、自分が実感していることに何よりも素直になり、それを人生の羅針盤にされていることがとても印象的でした。
変化が激しく、正解がわからない時代だからこそ、あり方を整えまっすぐに実践されていく姿が多くの女性に希望を与えると感じました。

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