自ら情報発信し、正しい心理学・精神医学を広めることで、苦しむ人たちを救いたい。~学生心理学勉強会主催 Maiさん~

【ストーリー概要】
精神科の偏ったイメージを変え、勉強会では正しい心理学・精神医学を広めることで、同じ人間として苦しんでいるを救いたい想いで公認心理師を目指す。
【プロフィール】
美術大学卒業後、教育関係の仕事を数年。その後、公認心理師を目指し、心理学科のある大学に社会人編入。2023年1月現在、心理学科4年生で心理学を勉強中。勉強と並行し、心理学科の学生を対象とした、心理学の勉強会を主催。

Q1:Maiさんはどんな夢・Visionをお持ちでしょうか?

Maiさん(以下、Mai):大学卒業後に基礎心理学を学び直し、その後に大学院受験して大学院卒業後に心理師資格を取る予定です。

記者:Maiさんは心理師の資格を取った後に、具体的にどんなことを実現させていきたいなどあるでしょうか?

Mai:働きながら精神医学を学び、メンタルヘルスの啓蒙を行いつつ、現在主催している学生心理学勉強会も続けていきたいと思います。

記者:メンタルヘルスの啓蒙を行いつつ、学生心理学勉強会も続けていくことで、どういう未来像を叶えていきたいでしょうか?

Mai:これは心理学を学ぶ者としての願いなのですが、心理学はとても身近な学問と同時に、誤った情報知識が多く存在するのが現状です。なので勉強会を通して正しい心理学・精神医学を一般の方にも広めていきたいです。

記者:広めることを通してどんな未来をつくりたいか、こんな人になれればいいな、こんな社会になればいいなというのがあればお聴きしたいです。

Mai:10年・20年後に実現できれば良いと思いますが、精神疾患や精神科への偏ったイメージを変え、病気の早期受診や早期発見、カウンセリングなどを受けることが当たり前の時代になれば良いなと思います。今は、精神疾患において、偏った印象をお持ちの方が多いですし、精神科受診を躊躇する方も多いので。精神を病むことは、ガンや心臓病と同じように、誰にでもあり得ることだと思います。

Q2:Maiさんの夢を具現化する為に、どのような目標計画がありますか?

Mai:「公認心理師」を目指しているのですが、これは国家試験なので、医療・教育・産業・福祉・司法の5つの領域の勉強が必要なのです。その勉強の過程を様々なメディアに発信することで社会に発信していきたいです。公認心理師や臨床心理士になるには、「どういう勉強やどういう生活をしているのか?」をオープンにすることで、楽しい面だけではなくて、厳しいこと・辛いことを多くの人とシェアしていきたいです。

記者:Maiさんがメディアに発信することでどういうことを伝えていきたいとかあるでしょうか?

Mai:心理職は、心理療法やカウンセリングなどを、医師や福祉など、さまざまな領域の方と連携して行います。民間の企業で「数ヶ月でカウンセラーの資格が取れますよ」と謳うところもあるのですが、公認心理師・臨床心理士は大学4年間、大学院2年間、合計6年間は勉強しないと取れない資格です。これを知らない方が意外と多いので、実際に「心理学科の学生は、こういう勉強をしていますよ」と、一般の方に知ってもらうことで、正しい資格を持った心理師へのアプローチができるようになればいいな、と願っています。また、私と同じように、時間をかけてでも正式な心理職を目指す人が増えると良いなという願いもあります。

記者:どういう想いで心理士を増やしていきたいでしょうか?

Mai:実際に今、精神疾患をお持ちだったり、精神疾患を持っていなくてもストレスを抱えている方で心理士の方にカウンセリングをお願いする方は結構少ないと思うのです。というのも心理士の数も少ないですし、「心理士って何だろう?」と情報の少なさもあるので、もっと資格のある心理士が増えれば多くの人に心理療法やカウンセリングを提供できるので、大学4年・大学院2年の6年間というのは長いと思うのですが、社会人枠で大学に編入すれば大学2年間・大学院2年間の4年間で取れるので同じ気持ちの人が増えればいいと思います。(編入するには、4年制大学を卒業している必要があります)

Q3:その目標計画に対し現在どのような活動をされていますか?また課題などがあればお聴きしたいです。

Mai:主な活動は私の勉強と並行して、学生心理学勉強会を主催していることです。心理学科の学生を対象にしているのですが、精神科医や心理士の講師を外部から招いて、現在は380名くらいが在籍しています。心理学は身近な学問だけど、誤った情報が結構多く存在するのが現状なので、今後の課題として勉強会の扉を広く開けて、心理学科の学生だけでなく、正しい心理学の知識を一般の方にも広めていきたいと思っています。課題のもう1つとして、講師の方々が全員ボランティアだったのです。普通はボランティアで講義をする先生方ではないのです。学生勉強会ということで無償で講義をしてくれていたので、今年は少しでも講師料を払えるように工夫していきたいです。

Q4:その夢やVisionを持つようになったキッカケな何でしょうか?またどのような発見や出会いがあったのでしょうか?

Mai:大きなキッカケの1つとして、数年前に精神科クリニックで事務の仕事をしていた時に、患者さんの1人から手紙を頂きました。そのお手紙の中に「病気の自分に変わって夢を実現して欲しい」という内容が書かれてあったのです。病気や薬の副作用で字も書きづらい中で、その方の言葉に背中を押されたのが大きいです。また、そこの精神科クリニックの院長が精神医学や心理学の道に誘ってくれたのも大きなキッカケです。

記者:その言葉に何故背中を押されたという風に受け取られたのかもお聴きしたいです。

Mai:私の実家の近くに精神障がいを持つ方々が働く作業所があったのです。子どもの頃は精神疾患を持つ大人の方々を見て謎だったのです。私の両親や一般の方とは違う方々で、何故かそこに凄く興味を持って、中高生の時に精神医学や心理学の本を読み漁ったのです。実際に患者さんと接する機会を与えてもらったことで、精神疾患持っている人は自分とは違う人だと思ったけど自分と全く同じ人間だったのだと思って、ただ私よりも「苦しんでいる人達なんだ」ということが分かりました。少しでもそういう方々のお手伝い出来ればなと思ったのが大きいですね。

記者:Maiさんの中で「苦しんでいる人」に対して興味を持てようになったポイントもあったのかなと思います。何があったのでしょうか?

Mai:私の両親が本が好きで週末は家族で図書館に行くことが我が家の日課だったのです。インターネットも大学生になるまで触ったことが無くて、本の虫家族だったのです。その中で灰谷健次郎さんなどの精神疾患について書かれているものがあり、幼いうちから読んでいて、そういうことがキッカケになったと思います。

Q5:その発見や出会いのキッカケとなるストーリー(幼少期や家族関係など)をお聞かせ下さい。

Mai:先ほどもちょっとお話したのですが、中高生の頃に精神医学や哲学とか心理学の本ばかり読む子どもだったのですが、幼少期から両親が頻繁に海外に私を連れ出す人だったのです。そういうことで「全ての人間は違うんだ」という教えを体験させてくれたのが大きな理由の1つです。

記者:そのような考えに至らない人もいる中で、Maiさんはなぜその考えに至れたのか?もより聴いてみたいです。

Mai:これを体感したのが1年間アメリカに留学させてもらったのですが、凄く田舎で人種差別がある場所だったのです。店に入ってもアジア人だと買い物させてもらえないということがあったりで、そこで初めて私が「外国人なんだ」という体験したのです。そこで国籍によって違う人は排除されがちなんだと体験をしたのですが、お店の人とかも私に慣れてくるにつれて、だんだん声をかけてくれたり近くに寄ってくれたりする経験をして、「違うのだけども、分かり合おうとすれば分かり合えるんだ」ということも学べたのがその留学の経験です。

最後に読者の方へのメッセージがあればお願い致します。

Mai:心理士の先輩方は勉強されていて素晴らしい方が多いので、病気にならなくても「眠れない」とか「食欲ない」「疲れた」だけでカウンセリングを受けて欲しいというのが一番のメッセージです。

【SNSリンク】
★学生心理学勉強会
https://www.meetup.com/ja-JP/psychology_seitoku_2022/

★MaiさんのTwitter
https://twitter.com/lalalkoi2019?s=11

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