「健康寿命の延伸を図り日本から世界を元気にする」株式会社Link Function Project代表取締役 坪井望さん

誰もが健康になる文化をつくりたいという株式会社Link Function Project代表取締役の坪井望さん。様々なヘルスケア事業を手がけ、他の機関との連携を測りながら、誰もつくったことのない健康の場をつくろうとされている坪井望さん。その活動の背景を伺いました。

プロフィール
出身地   福岡県
活動地域   福岡県を中心に九州で活動
経歴   
・中学~高校まで野球部所属。 
・福岡大学入学後、ニュージーランドへスノ―ボード留学。 
・国家公務員を経て、理学療法士となり整形外科にて勤務。 
・整形外科退職後、一般企業にて学術部長として勤務。 
 足部の重要性の啓蒙、組織の管理運営・営業業務を行う。 
・2015年6月 Link Function Projectを創業。
・2016年4月   株式会社Link Function Project設立
・2019年7月   一般社団法人日本ヘルスケアコンサルタント協会   代表理事
現在の職業および活動  
株式会社Link Function Project代表取締役
Body Consulting Station KIZUKI(九州4店舗)   オーナーセラピスト
一般社団法人日本ヘルスケアコンサルタント協会   代表理事
座右の銘   問いを持ち続けること

健康寿命の延伸を図り、日本から世界を元気にする

Q:どのような夢やビジョンをお持ちですか?

坪井   望さん(以下  坪井   敬称略)今は医学が発達して、簡単には死なない状態にはなっていますが、健康になったとは言えません。僕は、歯磨きをするくらい当たり前に、誰もが日常で健康に取り組むような文化をつくりたいと思っています。健康寿命が延びて元気な大人たちが増えると、子どもも元気になり、そして日本が元気になります。そんな日本から世界を元気にしていきたいです。

   健康のための運動をするにしても、そもそも自分の現在地を知らないことがほとんどで、実際は運動ができる状態ではないのに、運動して体を壊すことが多いのです。ですから、僕たちはまず自分の現在地を知ってもらって、正しい評価をすることろから始めます。そして、運動ができるように場を整えていきます。

   健康業界は、今は売り上げが伸びていますが、すぐに頭打ちになってパイの奪い合いになるでしょう。ですから僕は、潜在的なニーズを引き出して、一人ひとりの健康に対する意識を高めてパイを増やしていきたいと思っています。Body Consulting Station KIZUKIでは実際に運動や施術をする前に、ヒアリングを徹底的に行います。これは人間にしかできない仕事だと自負しています。

   けれど、健康は大切と思っていても、自分の仕事や生活が安定しないと、体のことを気にかける余裕が生まれません。そう考えると、結局は日本の経済が安定しないとダメですし、そのためには少子化や晩婚化などの問題も同時に解決していくなど、トータルで見ていく必要があります。ですから、我々は様々な分野のヘルスケア事業や行政、企業などの機関が繋がって連携していくことが必要だと考えています。多様な機能を繋いで価値を生むことで、経済を活性化させGDP増加にも貢献していきたいと思っています。

「健康」と言えば「Link Function Project」

Q:「健康寿命の延伸を図り、日本から世界を元気にする」へ向けてどのような目標や計画を立てていますか?

坪井   「車」といえば「トヨタ」と言ったように名前が上がりますが、「健康」と言っても、企業名が上がりません。100年後には、そこに「Link Function Project」の名前が上がって、「Link Function Project」や「Body Consulting Station KIZUKI」のロゴを見たら、「健康に気をつけよう」と皆が思ってくれるようにしていきたいです。

   又、これからは行政や企業との提携をしていきたいと思っています。福岡市では「健康日本21福岡市計画」を立てていますが、健康意識の向上には繋がっていますが、具体的な取り組みの効果はわからない状態のように思います。そこで障害予防へのアプローチや啓蒙活動を我々がすることで行政の取り組みにも貢献していけると思っています。

   企業様には健康経営の必要性をお話ししています。大手企業様の健康経営への意識は高まっており、実施している法人も多くなってきましたが、中小企業様では実施にまで到れていない現状が多く認められます。今後は実施できる環境を作ることで社員たちの健康を守り、経営の上昇に貢献できたらと考えています。

高め合う同志との繋がり

Q:「『健康』と言えば『Link Function Project』」その目標や計画に対して、現在どのような活動指針を持って、どのような基本活動をしていますか?

坪井   無いところから価値を生み出す時には、言い出した僕自身が熱くなってどんどんやっていくことが大事だと思っています。ですから、常に自分の中で問いを投げ続けるようにしています。そして自分で投げた問いに自分で気づいて答えることで、さらに進むことができます。以前は答えを知ることに重きを置いていましたが、今は問いを持つこと、問いを投げ続けるプロセスにこそ価値があると思っています。

   けれど、感情が波立ってしまったり、自分で気づけないこともあります。そうした時は、仲間に相談したり聞いたりします。これからの時代は人との繋がりが大切だと思うので、高め合う同志の存在がとても大きいです。

患者さんがいた

Q:その夢やビジョン、目標計画、行動指針をを持つに至ったきっかけは何ですか?そこには、どのような発見や出会いがあったのですか?

坪井   患者さんの存在に気づいたことです。

   理学療法士として病院に勤めていた頃、尊敬する先輩に、治療をする上で欠かせないことが2つあるが何だと思うか問われた時、僕は「知識と技術です」と答えましたが、先輩は「お前と患者さんだ」と言いました。最初は意味がよくわかりませんでした。けれど、自分がいつも自分のことばかりで、患者さんを見ていなかったことを痛感した時、初めて患者さんを見ることができたのです。そこからやっと患者さんの話を聞いて、寄り添うことができ、治療も全く変わっていきました。

   そして、患者さんに気づくと、その向こう側へと視界が開け、色んなことが見えるようになっていきました。患者さんが本当に健康になるためには、もっと日常が変わる必要があります。「もっと早く出会いたい」という思いが募り、病院の中で待っているだけではダメだ、自分から外に出て行って価値を生み出そうと思ったのです。

   気づけば退職しますと宣言していました。そして、予防医学を中心にしている会社からオファーがきたこともあり、そこで働き出しました。経営など全くしたことのなかった僕には、そこでの学びは非常に大きいものでした。そして、まずは自分自身がしっかり健康の仕事で経済を回していかないとと思い、独立してLink Function Projectを立ち上げたのです。

自己否定せず、全てを受け入れる自分であろう

Q:「患者さんがいた」という発見、気づきの背景には何があったのですか?

坪井   元々は健康寿命のこととか、全く考えていませんでした。20歳の頃は、プロスノボーダーになりたいと思っていましたが、膝の手術をする大怪我をしてできなくなりました。その際、リハビリテーションを受け、理学療法士の仕事に魅力を感じていましたが、専門学校の学費のことなどを考えた時に今の自分では無理だと諦めました。その後、国家公務員となりましたが、スノーボードの師匠が首の骨を折って身体に麻痺が残った時に、困っている人を助けて生きたい、さらには自分の人生も後悔したくないと諦めていた理学療法士への思いが蘇り、決断しました。それで理学療法士の専門学校に通い、資格を取ったのです。

   病院で理学療法士として働き始めましたが、僕は社会人を経由しているため現役の同級生より10年ほど遅く始めているので、その分だけやらないといけないという力みがありました。けれど、先輩に「何をしたいのか?」と問われても、「治療がしたいです」と曖昧なことしか答えられない。頑張るほどに、先輩みたいに自分は何もわからない、治療ができないという思いが募っていきました。

   ある時、先輩が「自分を否定するな!」と僕に言いました。途端、僕は涙が出てきました。自分で自分をずっと否定していたことに気づいたのです。

   いつも先輩と自分を比較して、まだまだダメだと自分のことにばかり必死で、患者さんを全然見ていませんでした。患者さんからの「ありがとう」という言葉も全然受け入れていなかったと思い知りました。

   そんな自分に気づいた時、自分の全てを受け入れることができたのです。肩の力がスッと抜けていって、自然と自分の外に目が行き、患者さんを観ることができるようになりました。世界が一新したようでした。

   今でも自分を否定しないことを意識していますし、スタッフにもそう伝えています。もちろんネガティブな考えが出ることもあります。それでも良いんです。そんな時は自分に問いを投げて、自分で気づいていくことです。だから自分が自分のリーダーになって主体性が育っていきます。

   株式会社Link Function Projectを立ち上げてから4年目になります。ここまで来れたのは、日々一緒に取り組む社員やその家族や妻を始めとした私の家族のお陰であり、感謝してもしきれません。又、仲間や先輩経営者方がいてくれたからこそ、今の僕があります。身近な大切な人たちが健康で豊かになれる場をつくりながら、それが自然と広がって文化となっていくことにこれからも尽力していきたいと思います。

読者への一言メッセージ

坪井   我々はムーブメントを起こしていきたいです。健康の文化は皆でつくっていくものですし、全ては繋がっていく時代です。一緒に未来をつくっていきましょう。

記者   自己否定せず、問いを投げて自ら気づいていくからこそ、主体性を持って行動できるのですね。誰もが健康になる文化づくり、今の時代にとても求められているものだと思いました。本日は貴重なお話をありがとうございます。

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【編集後記】
今回インタビューを担当した小水と島崎です。
全体を観るマクロな視点と、身近なことを観るミクロな視点の両方を持ち合わせている心の柔らかさとてもステキな坪井さん。
自ら問いを放ち、自ら気づいていくからこそ、坪井さんは主体性と情熱を持って困難を突破し続けておられるのだと思いました。そんな坪井さんが見せる笑顔にこちらの心も自然と弾みました。
坪井さんと同じ志を持つ同志が現れると、ものすごい勢いで夢が具現化していくイメージが広がりました。
坪井さんの今後の益々のご活躍を応援しています!

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