世界一の育児支援企業を目指して 株式会社リトル・ママ 代表取締役社長 森光太郎さん

2001年に設立された株式会社リトル・ママ。同社の代表である森光太郎さんに、福岡で18年前に起業し、今に至るまでの背景を伺いました!

プロフィール
出身地:
福岡県
活動地域:福岡・東京を中心に全国
経歴:前職の広告代理店勤務中、育児関連の情報誌を担当。情報収集のために100ヶ所以上の幼稚園・保育園を訪問し、さまざまな現場を見て、現在の育児環境に疑問を持つ。2001年12月、独身で子どもがいないながらも、育児支援企業(株)リトル・ママを設立。無料育児情報誌「リトル・ママ」を創刊する。東京では4,500件以上の子育てサークル情報を掲載するWebサイトを運営。さらに東京、福岡で参加者1万人以上の大規模親子イベントを定期的に開催。2015年4月にはリトル・ママ東京版(現・全国版)を創刊。プライベートでは2008年に結婚し、現在は1児の父として自身の子育てにも奮闘中。
現在の職業および活動:株式会社リトル・ママ 代表取締役社長
座右の銘:「お金というものは人の役に立った対価である」

子育てはキャリアだと言われる社会を

Q.どのような夢やビジョンをお持ちですか?

森光太郎さん(以下、森) リトル・ママを日本一の育児支援企業に育て、その後は世界に進出したいです。
弊社は現在、紙メディア、WEBメディア、リアルメディア(イベント企画・運営)の3つを軸に事業展開しています。紙メディアは毎月34万部、WEBメディアは月に100万アクセス、イベントは全国17ヶ所で開催し10万人以上の動員があります。どれも国内最大規模ですが、まだまだやれることは数多くあります。
名実ともに日本一だと胸を張れるよう、紙メディアはどうすればママに寄り添った情報発信ができるか、WEBメディアはママたちの出会いの場としてより活用していただけるか、イベントはもっと多くのママたちが足を運びたくなるような場にするにはどうしたらいいか、といったことを社内で常に考えています。それらがクリアできたら、次のステージは世界です。
また、「育児支援」というとNPOや公的機関、ボランティアが行なうもの…というイメージを持つ人も多いと思いますが、株式会社の事業として成り立つことを私たちが証明し、世の中にその認知を広めていきたいです。

もう一つ目指しているのは、Webメディアが持つ「出会う・集まる」という機能をママたちに解放することです。それによって、ママがイベントに出店する時や、ワークショップを開催する時の集客支援・コミュニティ支援になり、ママもプチ起業の体験ができて、これが仕事になるんだという気づきにもなると思います。
一般的に、ママたちの「社会復帰」や「社会活動」というものは、企業に勤めることと直結して考えられがちですが、「子育て」も大きな価値のある社会活動だと思うんです。子どもを育てるのは大変ですが、社会にとってかけがえのない活動であり、そこから新しい繋がりができたり、何かが生まれたりもします。そんなママたちの発想や活動を応援し、社会に役立て、子育ても立派なキャリアであると言われるような世の中にしていきたいですね。

Q.夢やビジョンを実現するために、どのような具体的目標を立てていますか?

 2023年までの上場を目指しています。また、現在のリトル・ママを発展させ、育児の問題解決やママたちの活躍の場を提供するプラットフォームを作りたいと考えています。この中ではママたちのニーズがその場で分かり、ママたち自身が情報の発信者となって、コミュニティを作り、CtoCビジネスなども生まれます。子育てのインフラが自然発生的に起こり、日本中に広がっていくイメージです。このプラットフォームも、2023年までの完成が目標です。
また、社員がそれぞれのパフォーマンスを充分に発揮でき、長く幸せに働くことができる企業にもしていきたいです。そのために、私を含め会社全体が既成概念を取り払い、新しいことにチャレンジしていく必要があると感じています。

こういった、会社の未来や社会の理想像を語ることは今後も大事にしていきたいです。世の中の変化もキャッチしながら、10年、50年、100年と成長を続けられるリトル・ママでありたいですね。

Q.その目標に近づくために、どんな指針を策定していますか?

 リトル・ママの事業の三本柱は先に述べた通りですが、その活動の大前提として、「とりあえずやってみる」というものがあります。迷う時間があったら何にでもチャレンジしよう、という意味です。
また、私自身のことについては、社長という立場から、まずは会社を成長させていくこと、会社の未来や夢を語ること、社員を信じて任せることが役割だと思っています。

お客様やママたちから喜んでもらうことも今までたくさんありましたが、それは社員一人ひとりが頑張ってくれているからです。だからこそ、社員から何かを「やってみたい」という話が出た時には、個々の能力を信じつつ、「とりあえずやってみる」というチャレンジ精神で決断し、取り組んでいきたいと思っています。

Q.そもそも、夢やビジョンを持つに至ったきっかけは何ですか?

 起業する前に勤めていた広告代理店では、育児関連の情報誌の制作・営業に携わっていました。しかし、情報誌といっても幼稚園・保育園に「贈呈」という名目で送付し、企業に対しては「園でくまなく配っているので各家庭に届きます」と言って広告をとるような仕事でした。
実際には一方的に送りつけているだけなので、届いた後にどう対応されているのかは分かりません。廃棄されることもあったでしょう。むろん、広告を出しても反響がないので広告主は離れていきます。そんな状況の中、会社はこの事業から撤退しようとしました。しかし私は、良いコンテンツだからやめるのはもったいないと訴えたんです。それに対する上司からの返答は、「自分でやればいい」というものでした。
じゃあやろう、と思い立ち、まずは現場を知ろうと「贈呈」先の全幼稚園・保育園100ヶ所以上を訪問、園長先生の話を伺いました。その時に耳にしたのが、「朝食を食べない子どもが多い」「アトピーやアレルギーを持つ子が増えた」「キレる子どもが増えている」といった声。育児現場のリアルを知ることになりました。
そこで、情報誌を届けることと同時に、現場からの情報吸い上げも重要だと思い、ママ配送部隊を作って情報誌を配るようなこともしました。それによって各園もきちんと受け取ってくれるようになり、色々な情報も入ってきて、広告の仕事も取れるようになりました。そういった発想や行動の延長が、今の事業に繋がっていると思います。

Q.100ヶ所もの幼稚園・保育園を訪問する行動力は、どこから生まれたのだと思いますか?

 私の実家は祖父の代から医者の家系だったので、自分も幼い頃から医者になるんだと思い、勉強も頑張っていました。ですが中学受験に失敗し、大学受験でも二浪して、結局医者への道は断念。東京の大学に進学し、それまでの“医者になる”というプレッシャーから解放されて4年間遊び呆けました(笑)。
その後、就職活動の時期になったのに、やりたいことが何もなかったんです。とりあえず履歴書を書いて送りまくったのですが、ことごとく落ちました。
どうにか入社できたのがジュエリー関連の会社。営業職で、仕事は楽しかったのですが、1年でリストラに遭いました。次に何をしようかと考えた結果、広告デザインに興味があったので専門学校に通おうと決め、25歳から昼は学校、夜は居酒屋のアルバイトをするという苦学生生活が始まりました。
当時は、とにかくお金がないので夕食はアルバイト先のまかない、朝食と昼食はお客さんの残り物で食いつなぐという生活でした。ふと、まわりを見れば、同級生は颯爽とスーツを着て活躍している。それに対して自分は、残り物を食べたり、彼女に食事をおごってもらったりしながら青息吐息で暮らしている。悔しかったですね。どうしてこんな差が生まれてしまったのか?と歯ぎしりする思いでした。
ただ、そんな日々でも、身近にはWebアシスタントの仕事をくれる人など、助けてくれる方たちがいたんです。一生懸命頑張ったら、それを応援してくれる人がいる。とてもありがたかったし、いつか恩返しができるようになりたいと思いました。その頃から、本名の広太郎ではなく、いつか光ってやる!という気持ちを込めて「光太郎」を名乗っています。
大学を卒業してからは、会社をクビになるという経験も3回重ねました。こういった時期があったからこそ、今の自分があります。挫折は逆境に立ち向かうバネになり、出会いは夢に向かって進む行動力に繋がっていると思うんです。

記者 いろいろな挫折を乗り越えてこられて今に至るのを感じました。その中でも人との関係性を大事にしているがとても印象的ですし、だからこそ働きやすい企業にもなっていくんだろうなと思いました!貴重なお話、ありがとうございます!

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森さんの活動、連絡については、こちらから↓↓
●リトル・ママHP
https://l-ma.co.jp/

【編集後記】
今回、インタビューを担当させていただいた小野、清水、新原です。

最初からの成功ではなく、その背景には挫折を乗り越えた経験があったからこそなんだと感じました。でも森さん自身がその涙を感じたからこそ、社員を大事にする企業でもあり、成長という飽くなき追求をされていくんだろなと思いました。これからもどんな展開がされていくのかがとても楽しみです!
この度は貴重なお話、ありがとうございます!

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