シャボン玉石けん株式会社 代表取締役社長 森田隼人さん

無添加石けんでおなじみのシャボン玉石けん。先代の意志を引き継ぎ、楽しく働ける環境づくり、コミュニケーションを大切にしている森田隼人さんのお話を伺いました。

プロフィール
出身地 福岡県北九州市小倉北区
活動地域 福岡を中心に、全国各地、アジア圏にも進出
経歴 専修大学経営学部経営学科卒。2000年、シャボン玉石けんに入社し、01年取締役、02年取締役副社長などを経て、07年より現職。
現在の職業および活動 シャボン玉石けん株式会社代表取締役社長。人体や環境への安全・安心について講演など広く社会活動を行う。
座右の銘   好信楽

「社員がのびのびと力を発揮できる体制づくり」

Q:どんな心の在り方や認識の変化が今の活躍につながっていますか?

森田 父とは年も離れていたので一緒に仕事ができる時間が短いだろうと思って、大学を卒業してそのまま会社に入りました。結局30歳で後を継いだんですけど、思った以上に早くて「どうしよう!?」と思いましたね。父はたくさんのことを自分でこなしていて、自分には無理だなとそこは割り切りました。それで社員たちに仕事を割り振ったんですけど、結果的にそれが社員たちがそれぞれ力を発揮できるような体制づくりになったんですね。今、私は特に何もしていないんですよ(笑)。社員たちがのびのびと力を発揮してくれるようになったことが、会社が良くなっていることに繋がっているのではないかと思います。

記者 社員の方がのびのびと力を発揮できるように心がけていらっしゃることはありますか?

森田 社内のコミュニケーションですね。私自身が若いということも含め、100人程の社員数なので本当に家族のようなところがあります。実際、一緒にいる時間は家族より長いですしね。そこがつらい場だとやっぱり人生の大部分が楽しくないでしょうし。楽しく働けて、石けんを広めていく仲間として意思疎通すること。だから会社で色んなイベントを企画して、飲みニケーションもします。そうした蓄積が、今のように風通しの良い社風になったんじゃないかなと思います。

記者 森田さんから話しかけることも多いのですか?

森田 そうですね。特にイベントごとも結構多いので。イベントをするとなると必然と「どうする?」といった話をする機会が増えます。若手もそれでリーダーを任されて成長もします。

記者 コミュニケーションをしたり、人が育つような機会が自然とどんどん増えていく会社なんですね。

「楽しく生きることができて、同時に消費者のためになっていること」

Q:AIが活躍する時代に必要とされるニーズは何だと思いますか?

森田 コミュニケーションにおける人間同士の感覚とか。創造的なもの、感性、センスというか、表現が難しいのですけど、そういうのは人間ならではかと思います。単純作業とかはAIの方が優れているのでしょうけど。コミュニケーションをする中でより良いものを作っていくといった創造性のあるモノづくりは人間だからこそできることだと思います。逆に退屈な単純作業はAIがやってくれて便利な世の中になっていくのではないでしょうか。

記者 AIも今はPepperという感情認識型ヒューマノイドが出てくるなど、かなりコミュニケーション上手になってきています。人間のようにスムーズにコミュニケーションができるようなAIが出てきたらどうなると思いますか?

森田 それはそれでいいんじゃないすかね。単純に楽しめば。

記者 なるほど!「楽しむこと」というのは森田さんとお話しする中で、何度も出てきますね。

森田 先代が大切にしていた「好信楽」という言葉があります。「好信楽」とは「何事もひとつのことを最後まで成し遂げるには、好きになって信念を貫き、しかも自分が楽しみながらでなければ長続きしない」という意味です。それが今では企業理念のようになっていることも関係しているかもしれません。相手が人間であれAIであれ、本人が楽しく生きられること、それが消費者のためになるのであれば、それでいいんじゃないかなと思っています。

「一人ひとりの意識の変化が美しい環境、美しい未来に繋がる」

Q:どんな美しい時代を創っていきたいですか?

森田 私たちは環境にも携わる商品をつくっていますので、環境問題に対する活動もしています。海も川も汚れていきますし、下水処理施設がいくらあってもキレイにするには限界があります。大切なことは一人ひとりの意識が変わること。石けんは誰しもが使うものなので身近に感じてもらいやすい。石けんを使うことがどう環境に影響しているのか、本当に安全なものが何なのか、そうした話をしながら、一人ひとりの意識が少しでも変わっていくことが、より良い美しい未来へと繋がるんじゃないかなと思っています。

記者 自社の商品をどう売るか以上に、環境に関する問題意識を伝えていく活動をされているのですね。

森田 もちろん会社の売り上げの目標もありますけど。環境って自分のことだけじゃなくて他に対する意識も持てるようになるじゃないですか。そんな意識の広がりが他の全ての分野にも繋がっていって、結果的にハッピーな世の中になるんじゃないかなと思います。

記者 お話を聞いていると、森田さんは自分の範囲が個人の自分だけじゃなくて、会社とか環境とかも含めて自分の範囲になっている。それが当たり前で自然なのですね。

「社内のコミュニケーションや楽しんで働ける環境づくり」

Q:企業のリーダーとしてこだわっているところは何ですか?

森田 こだわっているのやはりモノをつくっているメーカーなので、より良いものを作っていくという物作りの基本のところはかなりこだわってる会社だと思います。そしてより良いものを作り上げるために、社員のコミュニケーションや楽しんで働ける社内環境づくりをこだわっています。

無添加石けんは添加物を一切入れず、職人が5感を使って味や匂いを確かめながら1週間かけて大きな釜でじっくりと作り上げていきます。この釜炊き製法は、習得するのに「釜炊き10年」と言われる程であり、繊細な職人技です。今、当社にはこの釜炊き職人が4名おり、貴重な職人たちです。職人たちのモチベーションや体調を保つためにも、社内で楽しく働けるかが大切です。

また作り上げた商品をどう広げていくかも大事です。コミュニケーションを活発にしてお互いにアイディアを出し合える環境づくりを意識しています。

記者 森田さんと社員さんとやり取りを見ても、本当に仲が良いのだなと感じます。職場内の人間関係がうまくいかないことが多い時代なので、森田さんの会社のような社風は本当に素敵だなと思いました!森田さんのフラットでオープンなお人柄によるところも大きいのだと思います。
今日は貴重なお話をありがとうございました。

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森田さんの詳細情報についてはこちら↓↓

シャボン玉石けん株式会社HP:https://www.shabon.com/

【編集後記】
今回、インタビューを担当した小水と丸山です。
森田さんとお話ししていると、周りにいる人や会社、環境が繋がって見えてきました。森田さんは、そうした繋がりも含めて森田さんなのだと感じました。先代の意志、お客様の声、社員の心を大切にする一つひとつが、社員の活躍や、会社の活気に繋がっているのでしょうね。そんな素敵な会社が福岡にあることを誇らしく感じます。
森田さんの益々のご活躍を応援しています!

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