チャレンジすることが使命!カインドウェア執行役員・稲葉瀧文さん

元ソニーで数々のヒットプロデューサーとして活躍した、現(株)カインドウェア執行役員・事業戦略室室長の稲葉瀧文さんにお話を伺いました。書ききれないほどたくさんの波を乗り越え、チャレンジしつづけている稲葉さん。どんな思いで、活動されているのかに焦点を絞ってまとめさせていただきました!

プロフィール
出身地:東京都
活動地域:東京都中心にどこでも
経歴:CBSソニー(現SONY・MUSIC・ENTERTAINMENT)(1973年~1990年)在職中数々の賞を受賞。
矢沢永吉・浜田省吾・南佳孝・ハウンドドッグ・SHOGUN等の宣伝プロデュース、坂上忍・久保田利伸・おニャン子クラブ・河合その子・渡辺美奈代・小林麻美・大木トオル等の制作プロデュース、音楽プロデューサー以外に作詞家として河合その子「涙のジャスミンLOVE」レコード大賞作詞大賞受賞。
またコピーライターとして(ニューミュージック・シティーミュージック・ライドオンタイム)等の造語を発表。
文化服装学院やアパレル産業経営者勉強会の特別講師も行い、幅広い活躍で認知度も高い。
2001年韓国CCCデジタル・シネマ会社設立。韓国ドラマの導入。
2002年漢方医療専門「電子カルテ」のビジネスモデルを発表。
2003年中国古典楽器演奏家グループ「女子十二楽坊」を日本に紹介。音楽監督として参加し1Stアルバムは空前絶後の世界的大ヒットを生み出した。
2007年中国国家運営の「中国放送民族楽団」を招聘して日本ツアーを開催。中国政府との深い関係を築きその後北京でビジネスマッチングの事務所を開設。2011年9月に起きた反日運動によりやむなく中国より撤退。
2012年ビジネスプロデューサー協会(BPA)の副理事長就任。ビジネスプロデューサー育成のためのBPAスクールの校長も務めた。
2013年創業121年株式会社カインドウェアの顧問就任。
2015年株式会社カインドウェア執行役員・事業戦略室室長就任。
2016年一般社団法人スマートシニアビジネス倶楽部(SSBC)理事就任。
2017年NPO法人ロクマル理事就任。
    TFL東京ファッションデジタルラボ理事就任。
2018年「せかい動物かんきょう会議」株式会社ヌールエデザイン総合研究所取締役就任。
現在の活動:現在ビジネスプロデューサーとして数多くのセミナー講師を務め、スタートアップ企業の育成に努めている。
また高齢者問題や幼児保育・学童問題にかかわるボランティア活動にも積極的に参加している。
座右の銘:愛語よく回天の力あり

「これから先いくつ波を乗り越えられるか」

Q夢やビジョンをお聞かせください

稲葉 自分がなにか人生変えるときに、普通の人は「それ無理でしょう」と思うようなことを乗り越える。それが私の人生です。

工業高校から外国語大学へ入るという、当時としては、ありえない一つの波を乗り越えて、そこから海外に留学しました。戻ってきた日にホテルからソニーへ電話をして「今、イギリスから帰ってきたんですが、採用してもらえませんか?」と。採用してもらって、ソニーで頑張りました。その後、独立し、東京とアメリカに事務所を設立。10年頑張ったのですが、突然アメリカの会社から契約が切られて倒産。その波も乗り越えてます。さらにまた中国で頑張っていたときは、反日運動があって、中国にいられなくなってという、つまり、色々ありましたよ。しかし、何かあってもそれを乗り越える繰り返し。

これから先いくつ波を乗り越えられるかなっていうのが僕のビジョンなんです。

諦めるというのは自分の精神が諦めるのであって、世の中に絶望とか諦めってないんですよ。諦めと絶望を持っている人間がいるだけ。

記者 確かに!

稲葉 僕が理事などをたくさんやってるのは、自慢じゃなくてチャレンジするのが、僕自身の使命として感じていることだからです。
チャレンジした結果、成功しても失敗しても僕は大きな声で皆さんに伝えます。
こんなことして成功したよ、でもこんなことしたら失敗したよ。
これからこうするんだよ、ってときに今70歳なんですが、70歳のおやじが80歳、90歳になっても、こうやってリーダーシップとってやれていたら、そしたらもっとね、豊かな高齢化社会って生まれてくるんじゃないかって思っています。

記者 そして、後輩にバトンを渡すためにも、セミナーでお話をされてらっしゃるのですね!

稲葉 元音楽プロデューサーが、現在は現役で一流のアパレル会社で働いているっていうのは、今まで経験してないことを経験するということです。その経験をセミナーで話をして、後輩にバトンを渡すことが出来るなと思ってます。常にチャレンジ精神を忘れないでほしいのです。

Qその夢やビジョンであるいくつ波を乗り越えられるかのチャレンジへ向かっての目標計画を教えていただけますか。

稲葉 現在ボランティアを色々やってます。僕はたくさんのことを頼まれてやっているんです。

例えば、理事をやっているNPO法人『ロクマル』っていうのがあります。60才以上だからロクマルなんですね。女性が支援相手。年を取ると3つのKがうまれますよ。3つのKは、健康問題・経済問題・孤独問題なんです。孤独になっているおばあちゃんはすごく多い。だんながいなくなると閉じこもっちゃう。さらに、そういう方を対象に、食事や物を届けますよ、座ってても誰かが管理しますよ、ということでお金儲けをしている仕事があります。そうすると、さらに閉じこもっちゃって、3Kがつきまとうので、そうではなくて、自力で力を合わせながら、収入を得る方法を考えましょうねって活動しています。

記者 自力で立ち上がるように活動されてるのですね。

稲葉 他にもあります。【せかい!動物かんきょう会議】と検索すると素晴らしいビジネスモデルがこの中にはあるんですよ。驚いたのが、車の工業デザイナーの方が、このままでは、地球はすごく環境破壊されてとんでもない時代になっちゃうとおっしゃっていて、その対策として、この【せかい!動物かんきょう会議】は、COP3など、世界の環境会議にも出展して、さらに、アニメを制作してTV放映をされたり、絵本も出版されたりしてますけど、知らない人は、全く知らない。なので、こういうことを、僕たちは環境大臣に会いにいって、学校プログラムとしてやってもらえないかと申請をしている最中なんです。

記者 そのような活動もされてらっしゃるんですね。

稲葉 それから、まだまだありますよ。TFL東京ファッションテクノロジーラボというファッションとテクノロジーを合わせた学校の理事もやっているんです。私が学生から「ファッションって何ですか?」と質問されたときに答えた言葉です。
ファッションとは「パッション・ミッション・ディスカッション」情熱と使命と会話から生まれるものだと答えたんです。いいでしょ。

記者 パッション・ミッション・ディスカッション!いいですね!

稲葉 あはは、まだまだこれも活動の一部ですよ、 人のために生きていくほうへスイッチを変えると、明日はどこどこいって、とスケジュールが明確になっていくから、気力ってどんどん沸くんですよね。そしたら年をとらないんです。

「ゴールからスタートを観ること」

Q日々心がけている実践行動はありますか?

稲葉 悩まないこと。悩む時間が僕にとってはものすごく無駄。もったいない、もったいない。
人間関係も含めて仕事の上でのトラブルも含めて。みんな何かと比較して悩むじゃないですか。比較しなければ悩む必要ないんですよ。悩む必要があるとしたら自分自身と戦っている悩みだけ。

記者 自分自身と戦う悩みのみ!

稲葉 あと僕はね、10年ごとに生き方を変えているんです。

記者 10年ごと?

稲葉 昔は10年で良かったけど今の時代は、3年ですよ。時代の流れ、システムと言うかテクノロジー全部変わっちゃう。今の人は3年くらいの感覚で次の3年を予測しておかないと、乗り越えていけませんよ。

記者 この10年はこう生きるというのを先に決めて生きてこられたのですね。

稲葉 そうです。多くの人はスタートから考えますが、ゴールからスタートをみることが大事です。そうすれば、挫折が挫折でなくなるんですよ。
挫折はゴールに行くための一過点でしかなく、そこにとらわれないんです。
それと、チームワークを組むときは、一人か二人は自分たちと全く反対の意見を持っている人を入れます。
みんながなんであんな人を、と思う人を入れます。それは、ぶつかりあっていくエネルギーが生まれるから。

記者 ぶつかり合わせて、エネルギーを生み出すんですね。

稲葉 僕は、ソニーで、ハウスプロデューサーとしては、物凄い数のヒットを作った。
僕のヒットの特徴は、制作会議で必ずNGになる作品です。
「こんな音楽は出せない。時代に合わない。」と言われるんです。久保田利伸くんをやったときも、おにゃんこも、女子十二楽坊も。
だけど、僕は反対されると、内心はホクホクです。こりゃ売れるぞって。
なぜならば、マジョリティの人は、みんな常識にとらわれるんですよ。
でも、世間の若い人たちにとっては非常識のほうが魅力ある。そうでしょう?

記者 はい、社会で当たり前とされるようなことよりも、非常識なことって惹かれます!

稲葉 でしょう。ヒットになるのは、常識的な考えでは創れないんです。

記者 はい。

稲葉 友達とかね、ビジネスの仲間を創るときにも、どちらかというと気心の知れた人とか、能力が同じくらいとか、ヒーリングが合うからって理由で選ぶじゃないですか。僕は逆。気に入らない人をいれちゃうんです。全員ではないですよ。みんながあいついれるのやめようよって人を一人は必ず入れるんです。

「愛語よく回転の力あり」

Q夢やビジョンがいくつ波を超えられるかとおっしゃっていましたが、その夢を持たれた背景になにがあったのでしょうか?

子供のときに事情があってお寺に預けられました。
そのときに寺の人に言われた言葉からです。
泣いても笑っても70年だよ?
泣いて生きても、笑って生きても70年だよ、指を数えなさいって言われたことがあって。
どっちにしても70年の人生。だったら、笑って行きていこうって決めて、それで、10年ごとにプランニングしました。

記者 6才で、ですか?

稲葉 そう、6才で。
10代はこう20代はこう、30代はこう生きようって。
もちろん軌道修正はしてます。高校のときはもっとこうしたほうがいいなって、大学のときはもっと時代が変わったからこう、変えていかなきゃいけないなって変えていくんですけど、そもそも、最初に決めるっていうことが大事です。ゴールを決めて、そこから考えることが大事です。

Qそれを実際にやり続けられたのには、何か気付きがあったのでしょうか。

稲葉 小さい頃の言葉って良くも悪くも残っているんですよ。

言葉によって人間って傷つけられますよね
相手がそういうつもりがなくても、言葉一つで絶望感に追い詰められちゃう。逆に言葉一つで夢とか希望をつくり、勇気を持てる。そういう言葉を聞くと、先までぱっと明るくなる。

記者 言葉に傷ついた経験があり、言葉を心から大事にされているんですね。

稲葉 僕はプロデューサーとして、いい言葉は曲に乗せることで、世の中の人に伝わる。その思いでやっていました。

いきなり理不尽にも契約をきられて、財産が全部なくなった経験も何度かあります。
あるどん底までいったとき、哲学の先生に「どん底にオチて落ち着いたな」って言われましたよ。

記者 オチて落ち着いた。

稲葉 言葉の力は凄いですよね。「いい顔になった」と言われて、なるほどなって思いましたね。
普通の人がそれ無理でしょうって思うようなことを、言葉の力で乗り越えてきました。

記者 言葉の力のお陰なんですね。

AI時代に向けて考えてること

記者 AI時代に向けて考えていることはありますか?

稲葉 AI時代はどんどんコミュニケーションが変になっちゃう
ありがとうございますって、言葉も減るんじゃないかなぁって心配です。
この今の世の中のシステムってコミュニケーションをとらなくても、物は簡単に手に入るようになってきてるし、誰と会話をする必要があるのかって思いません?

それで本当に自分たちは幸せだって結論に達するかって、達しないと思う

記者 共感します。

稲葉 僕はたくさん理事とかやりながら、こんなことして成功したよ、こんなことしたら失敗したよ、これからこうするんだよ、ってリーダーシップをとってやってます。70歳のおやじが80歳、90歳までこうやってリーダーシップとってやれていたら、そしたら、豊かな高齢化社会って生まれてくるんじゃないかって思いで、希望を与えながら、コミュニケーションが減る社会で、コミュニケーションをたくさんする場を創っていきます。

Q稲葉さんはセミナーで思いを伝えていったりしてるんですよね?

稲葉 そうです。また現在の会社は、創業125年。フォーマルウェアの老舗中の老舗。宮内庁御用達。
そこで、元音楽プロデューサーが、なんで役員としているかって言うと、異種交配をしたいんです。話して、違う種と違う種が混ざり合う。そのときに、大きな時代の変化、エネルギーから、新しい開発が生まれるんですよ。
同じ種同士だけだと進化がない。進化とは違うもの同士がぶつかっていくのが進化なんですよ。 そういうことを発信したりしています。

常に「クリエィティブ、ボーダーレス、チャレンジ」が大切です。
この3つがあると年を取らないんですよ(笑)

記者 様々なチャレンジをしながら、社会も元気にと活動されて、イキイキされてるのが伝わってきます!

今回、担当しました坂中・杉本・村田です。「私がこういう話すると物凄く、努力して汗水たらしたんだって思われるけど、楽しくてしょうがなかった。」そうおっしゃって明るく元気に笑う稲葉さん。書ききれないたくさんのエピソードと実践行動をお話くださりました。ほんの一部のご紹介になってしまいましたので、ぜひ、読者の皆様も直接稲葉さんのお話にも触れてみてください!
稲葉さん本当にありがとうございました!

稲葉さんの情報はこちらから。

恩学 http://inaba-ongaku.com/%E6%81%A9%E5%AD%A6%E3%81%A8%E3%81%AF

この記事はリライズ・ニュースマガジン“美しい時代を創る人達”にも掲載されています。

https://note.mu/19960301/m/m891c62a08b36
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