日本の暮らしと伝統文化を大切にする三星舎 代表取締役/鍼灸師 “調香生子さん”

祖母の知恵袋を借りて、医食同源を大切にし「健康づくりのお手伝いする」活動されている”調 香生子(しらべ こおこ)”さんにインタビューしてきました!

調香生子さんのプロフィール 

出身地 福岡県福岡市

経歴 短大卒業後、鍼灸学校へ2009年鍼師・灸師免許取得、鍼灸整骨院への勤務を経て2014年三星舎を創業

現在の職業および活動 株式会社三星舎 代表取締役/鍼灸師

座右の銘 「健康は自ら創るものである」「心身一如」

「自分の役割キーワードは ”施す”」

Q1 どんなDream Visionをお持ちですか(調 香生子さん以下 調 敬称略)

調 夢というより、私にとってはどちらかというと人生の役割を全うしたいという方がしっくりします。それは祖母が大切に考え育ててくれた、わが家に伝わる暮らしの知恵「健康は自ら創るものである」という考えを、習慣として身に付け伝えていくことです。この考えを「創健」と言っています。

「創健」は、祖母の兄だった故金子卯時雨医博が作った造語です。祖母は開業医に嫁ぎ助産師になり、働く環境の中から健康づくりへの考えを深めていきました。毎日3食、入院患者さん家族や従業員の食事を作る台所は大仕事です。気候や病気になる人の習慣をよく観察し、なるべく薬を使わず食事や体操や鍼灸などを取り入れて治療に当たっていました。

生活環境は昔に比べて随分と変化し、当たり前にあった暮らしの習慣がなくなってきています。だからこそ、おばあちゃんの知恵袋を繋いでいかなければと心から思っています。

記者 それはいつ頃ですか?

調 徐々にです。鍼灸師の仕事を始めたばかりの右も左もわからない時、子供のころ体験してきたことがとても役立ちました。私は恵まれたことに医療従事者が家族に多く、健康や病気のはなしは毎日の食卓の話題でした。

一人暮らしを始めた学生時代、身近な友達の生理痛や頭痛などのちょっとした悩みに気が付いたり、時には体操で楽にしてあげられることは、喜びとともに自分でも驚きを感じました。そしてそんな時、働く家族の姿をよく思い出したんです。ふと「施す」と言うのは私に与えられた役割なんだと意識するようになりました。

「健やかな日本の暮らしを大切にすること」

Q2 どんな基本活動をしているのか、またどんな活動指針をお持ちですか

調 朝は和朝食を作っていただきます。ベランダに出てお天気を伺ったり、台所でお出汁の香りを嗅ぐと、その日の体調がなんとなくわかります。学生時代からSNS で朝ごはんの投稿を続けています。

暮らし方を仕事にしているので、私生活との区切りはあまりありませんが、会社では鍼灸師をしながらオリジナルの食品や化粧品や医薬品の販売(登録販売者)をしています。また、ランチ会やマルシェの企画開催、郷土料理教室やお味噌汁ワークショップ、食のイベントなど声をかけていただいて定期的に開催しています。

活動指針は、共通して「健やかな日本の暮らし」というテーマに沿って考えていることです。

日本人が昔から続けてきた伝統的な暮らしの習慣には、健康に役立つ生活の知恵が詰まっています。

日ごろから自然農法の農家さんや調味料を作る人、板前さん、調理道具を作る人、医療関係の方はもちろん、近所の八百屋さんにしても、それぞれ尊敬する職人さんの本音や理想を聞くことを大切にしています。その上で、基本にある創健の考えを見直しつつ自分で実践し、商品づくりや施術に役立てています。

創健の教えは、西洋・東洋医学のどちらが良い悪いといった考えもないし、何か信奉的な生活習慣もありません。しいて言えば創健の考えから生まれた医薬品「サンクロン」を長年常備薬としていることくらいです。

食については、昔から食べてきた土地に合った食習慣を良しとして、砂糖を使わない家庭料理を基本にしています。

季節の食材から旬を感じたり、気候と住まい環境と身体の変化を意識すること。また、解剖や生理学などある程度の体の機能を知ることで、毎日の生活で意識すべきことを伝えています。

動物的な本能を磨くと言うと大袈裟かもしれませんが、私にとっては大切な生きる術です。同時に、一つ考えに偏らないよう気をつけています。ときに鍼灸治療でどんな病も治せますという人もいますが、私はそんな風には思いません。病院へ行ったほうがいい時を見逃しているなと思う人もいるし、慢性的な身体の不快感で悩んでいるなら、生活態度を見直したり鍼灸で施術しようというように、自分がその時々で正しい判断をできることが大切だと思います。

極端な例ですが、定期的な検診などで医療機関と関わらず、自然養生にだけ頼る生活をしたいと考える人がいるとします。それが体に良いとか悪いではなく、それに伴ってリスクがあることも想像しておいた方が良いんじゃないかなと思います。それが時に自分は良くても周りの人に迷惑をかけることもあるのです。

記者 それってすごく紙一重な感じですね。自己満足でやってることがそうではないということもあるんですね。

調 「健康は自ら創るものである」って実はとても厳しい教えなんです。伝えるなんて言ってますが、自分に向けての言葉なので病気になったりするとグサッときます。実は、創健の先には、即ち創己、即ち創社会と言うますます厳しい言葉が続きます…。とことん自分に厳しい教えだなぁと思います。(苦笑)

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「目の前のことを丁寧にする」

Q3 どんな目標計画を立てていらっしゃるのですか

調 目下、来年オープン予定の日本の暮らしをテーマにした路面店(薬店併設鍼灸院)の準備で頭がいっぱいです。お客様をお迎えできるのが楽しみです。そして引き続き、いただいたお仕事に丁寧に取り組みたいです。

「自分が生きていく道具をみんなもらっている」

Q4 Dreamに勝負する様になったきっかけにはどんな発見や出会いがあったのか

調 鍼灸師の仕事をしながら感じた違和感があります。健康の仕事をしているのに、健康な人が少ないということ。よく父が「正しい知識が自分の意識に変わる時、健康は自分で創ることができる」と言っていましたが、あらためて実感しました。ですが、会社を始めた頃は、「健やかな暮らしの提案」みたいな漠然としたことを、仕事に出来るのか随分と悩みました。

そんな時、歴史や哲学など幅広く見識のある尊敬する方のかけてくれた言葉に救われました。細かな生活態度や習慣に対する考え方が「巫女さんの修行と同じでとても尊いことだよ」と仰ってくださり、迷いがなくなりました。

自分が受け継いでいる考えが誰かの役に立つなら、仕事にしようと思えたんです。同時に、何気ない暮らしの習慣や知識が、育った環境で作られていることに深く感謝できました。

「良い塩梅で」

Q5 その発見や出会いの背景には何があったのですか

調 学生時代、志を持って生きている人たちに出会いました。特に夜間の鍼灸学校は人生経験の豊富な先輩が多くいました。技術を上げて患者さんを治したいという意識の高い姿勢に刺激されました。

今もあまり変わらないかもしれませんが、私は少々せっかちな上に、思い込みで極端な発想をする所があります。自分を見つめ直す機会をたくさん頂いてきたなと思います。

記者 極端な出来事ってあったのですか

調 家族も極端な人が多いんですよ。性格かな(笑)。何かにつけて、思い立ったら後先考えずに突っ走る所があります。でもありがたいことに、私の身近には、根気よく話を聞いて受け止めてくれる方がたくさんいます。学びたい人、素晴らしい人がたくさん周りにいることで、迷うことがあってもお導きがあるような感覚があります。

記者 香生子さんは自然体でいらっしゃるし、日本の暮らしそのものが仕事になっているんですね。最後に言い残したことはありますか

調 私は「良い塩梅で」という言葉が好きです。鍼灸・食・暮らし方など、どれを取っても健康づくりには欠かせないことです。

今は、情報も商品も、物が大量に溢れています。本当に自分にとって良いことを見極めるのが難しいと思います。だからこそ、情報を発信したり、施術を通して深く人と関わる時、良い影響を与えられる存在でありたいと思います。

自分に厳しく、人に優しく、正直に生きていくことで、信頼してもらえる鍼灸師でありたいと思っています。三星舎とどこかで出会った時は、ぜひ健康づくりのお役に立てればと思います。

記者 貴重なお話ありがとうございました。

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調 香生子さんの詳細情報
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HP   mitsuboshisha.jp
Mailinfo@mitsuboshisha.jp
facebook https://www.facebook.com/mitsuboshisha/
instagram  https://www.instagram.com/mitsuboshisha/

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【編集後記】
今回、インタビューさせていただきました八島と草場です。とっても聡明ではつらつとした調香生子さんでした。日本の食を生産者の思いや料理の工程までの思いを一つ一つ大切にされる精神は人を思う気持ちであり、施しということが自分の役割と言い切る姿勢がまさに日本人が本来もつ美しい精神を代々引き継いであることが素晴らしいなと思いました。これからのご活躍ますます応援しております!ありがとうございました!

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