今、心に刺さるブランドをもつ時代 フリーペーパー「BOND」編集長 小柳俊郎さん

BBDO J WEST 営業局長、フリーペーパー「BOND」編集長、事業構想大学院大学の特任教授などプロモーションやブランディングに関し、多方面で活躍する小柳俊郎さんにお話を伺いました。

プロフィール
出身地:
福岡県大牟田市
活動地域:福岡市
経歴:1992年、同志社大学卒業後、熊本県にあるアミューズメントパークの運営会社にてイベント・宣伝・PR等の企画運営に携わる。2003年、外資系広告会社BBDO J WESTに入社。大手企業のメディア施策、商業施設の開業や映画のプロモーション、テレビ番組等、多数手がける。2011年、ビジネスマン向けフリーペーパー『BOND』を創刊。現在は、事業構想大学院客員教授で「ブランド戦略」のクラスを担当。

「深く、狭く、刺す!」


Q.どのような夢やビジョンをお持ちですか?

小柳俊郎さん(以下、小柳) 世の中にある企業や製品、個人が確立したブランドをもっているような状況になればいいですね。またそのお手伝いをするのが自分の使命です。
例えば、コンビニでお茶を買う時にどれを選ぶのか。それは人によって選ぶブランドや、感じる価値も違います。それが人にも企業にも、より一層これからは必要になってくると思います。「このことなら、あの人に聞こう」とイメージされたら、それってブランドですよね。でもそれがない個人、企業は寂しいですし今の時代、情報がたくさんあり競争も激しい中で生き残るのは、ますます難しい時代になっていくと思います。
以前はパソコンや携帯電話なども、メーカーによって性能の差があり、選ぶ基準にもなりましたが、今では性能の差もほとんどありません。では、最終的に人はなにで選ぶのか?がテーマになってきます。
実際にサービスや製品をこれだけ売りたいという相談が多かったですが、最近ではブランディングをしてほしいという相談が増えています。
そんな時代の中で、色々な分野で自分たちの確立したブランドを持っている個人や企業が集まる街はとても面白くなると思うし、ポテンシャルも高くなるはずだと思います。

Q.それを具現化するために、どんな目標を持っていますか?

小柳 目標では自分の年齢と価値感が、今の時代において、どんなブランドで、どう受け入れられるのかを常に考えています。現在、フリーペーパー「BOND」の編集をしていますが、「BOND」は自分が今、注目したいヒト、モノ、コトをメインにとりあげています。これは、もしかしたら19歳が見たら興味がない内容かもしれませんが、30〜40歳の世代には興味を持ってもらえる内容かと思っています。そこがブレないためにも、常に今の時代にどう受け入れられるのかに対しては、アンテナは張っておきたいです。

Q.その目標や計画に対して、現在どのような活動指針を持って、どのような活動をしていますか?

小柳 日頃、意識していることはなにを見ても、「なんでこれが世間に受け入れらているか?」「なんで人気があるのだろうか?」と考えることです。
事業構想大学院大学ではブランド戦略の授業を担当させてもらっていますが、受講生は起業を目指している方や新規事業の担当者の方々ばかりです。私はブランディングの第一歩は、「深く、狭く、刺す」ということを授業で伝えさせていただきます。今の時代、「なんでもあります」「なんでもできます」と言った瞬間、「なにも刺さらない」。情報が溢れている今、伝えるメッセージは先鋭化しないと、なにも印象に残らない。そして、それを「一貫性」をもって続けていくことがブランディングになると考えています。
選ばれるなら選んで欲しいと思う人々に、強く選ばれたほうがいい。「これでもいい」ではなく、「これがいい!」と選んでもらえるのはなぜか?を追求しています。

Q.そもそも、その夢やビジョンを持ったきっかけはなんですか?

小柳 新卒で三井グリーンランド(現:グリーンランド)という熊本にある遊園地に勤めていました。まだ経験が浅い中で、仕事を任されたのが大変でしたけど面白かったですが、会社も利益をださないといけないので、「お客さまに来てもらうためには、どうしたらいいのか?」を考える日々が続きました。想像力がなかったらなかなかできません。遊園地は熊本以外にもありますし、有名な遊園地もたくさんあります。しかも毎週、遊園地に行くわけではなく年に1、2回行くか行かないかの頻度です。当時、後輩が50kmマーケティングと呼んでいましたが、他にも遊園地がある中で、お客さまが遊園地に行こうと思った時に、福岡からなら高速で1時間ぐらいかけて、熊本の遊園地まで来たいと思ってもらえるためのマーケティングについては自分だけでなく、一緒に働いていた仲間と考えていましたね。
多くの企画を実行する中で、予想外の結果をつきつけられたりする。その時の経験があり、ブランドの確立の重要性を感じるようになりました。

Q.人から選ばれることについて考えるようになった背景には、なにがありましたか?

小柳 振り返ってみると昔から、「なんでこれが選ばれているんだろうか?」など考えていました。小学生の頃、青色の物を選んだり、掃除の時間はこのホウキを使う、と自分の中で決めて、決めたことを実行していたら周りの友達から「小柳は青色が好き」「あのホウキを使う」と認識されていくことがありました。それは他の人でもいえて、例えばガンダムのプラモについては、あの子に聞こうとか、「高校野球博士」と呼ばれてたヤツがいたりなど、物事と人のイメージが繋がることがよくあったかと思います。
なんでこれが好きなんだろう?と考えたり、自分が自分の予想外の選択をするのに気づいたりして、それがまた面白くて、結果、今の仕事にも繋がっていると思います。自分と人の選ぶ基準が全く違ったり、基準が偏っていないからこそ、面白いんでしょうね。

記者 これからの時代に生きる上において、周囲から認識してもらうためには、なにかを極めることが重要なんだと感じました。貴重なお話、ありがとうございます。

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小柳さんの活動、連絡については、こちらから↓↓
●フリーペーパー「BOND」
http://bond-mag.jp/

【編集後記】
今回、インタビューを担当させていただいた清水と島崎です。
時代の変化が激しいからこそ、しなやかに変化する柔軟性、一貫性を持つことが重要に感じました。
またこれからの活躍を応援しています!*******************************************************************

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