「空(くう)の状態」の心と身体がつながるスンニャターヨガインストラクター“茂木敦子”さん
様々なヨガを修練したのちに、オリジナルのスンニャターヨガを考案され活躍されている茂木敦子さんにお話を聞きました。茂木さんは二人のお子さんを持つ母でもあります。
プロフィール
出身地:茨城
活動地域:茨城県牛久市
現在の職業及び活動:
スンニャターヨガスタジオ 経営。
ヨガクラス、瞑想クラス、体験会やワークショップを企画、展開。
その他ヨギックマッサージや麻香炉を用いた温熱ヒーリングなどのセラピスト業務も行っている。
座右の銘:
「Teach only love. For that is what you are.」
湖の水面みたいな静かな状態を知る、体感すること
記者 どんな心のあり方や認識の変化が今の活躍につながっていますか?
茂木 「スンニャターヨガ」の名前も入っているんですけど、スンニャターとは、古い仏教用語で空(くう)のという意味。
この世の中を司る概念の中で最上位概念で一番シンプルな言葉なんです。
そして、すべてにつながっている概念で、その心のあり方がベースにはなっているとは思いますね。
大学の頃は、すごくわくわくしたり、知的好奇心を掻き立てるものに惹かれていました。ですが、一度体調を崩してしまって。その時にヨガに出会ったのですが、なぜこんなに惹かれるんだろうと突き詰めた先にあったのが「空(くう)」だったんですよね。
ニーマル先生というヨガの先生に教わっていたのですが、ニーマルっていうのは、静かな状態という意味です。湖の水面みたいな波立っていない静かな状態、それを一回知る、体感するっていうのはすごく貴重なきっかけになっています。
そういう状態が日常にあるのとないのでは全然違いますよね。
子育てしているときもそうだけど、もう大変で。
静かな状態が一日に5分でも10分でもあったら、そこからまた安心してやっていける。
育児中のママにもおすすめです。
記者 子育ても毎日バタバタで大変ですよね。
茂木 こんなに大変だとは思っていなくて、びっくりしました。(笑)
生き物しかもっていない根本的なものを嗅ぎわける
記者 AIが活躍する時代に求められるニーズとはなんだと思いますか?
茂木 AI にはできない、人間じゃないとできないことがより求められると思います。
血肉に兼ね備え、野生を宿した生き物しかもっていない根本的なものがあると思うんです。アルゴリズムとかパソコンの言語とか、ビットとかでは表現できない、ものすごく複雑なものが。きっとそれを、人はどこか嗅ぎ分けたり、自分の持っている豊かな感受性によって、求めていくんだろうなって思うんですよね。
それこそAIによって、便利なことがたくさんあり、家事が楽になったりするけれども、でも人間じゃないとできないことを、より求められるだろうなって思います。
例えば、せっかちな人は情報処理がものすごく速くなると、よりせっかちになる。
私は神経が高どまりしちゃうような状態を経験してるからわかるのですが、加速しちゃう状態をどこかで和らげてくれる因子が必要なんですよね。
それはやはり頭でなくても体が覚えているというか。
生徒さんの中に外科医の方がいるのですが、「カルテが手書きからパソコン入力に変わって、頭の中が本当に忙しい。それがものすごい違和感だ。」って仰っていました。
その方がクラスにきたときは、いつもよりもずっと動きがゆっくりになるんです。
その微調整はAIにできるんだろうか、嗅ぎ取るのは人間の仕事なんじゃなかって思うんです。
セラピスト、整体士の中には、私には見えないものが魔術のように観える人もいる。
人間にしか感じ取れないものを扱っていく分野のニーズが高まっていくのかなって思います。
その人のそのままの姿
記者 どんな美しい時代を作っていきたいですか?
茂木 美しさっていうのは、人によって感じ方も違うと思うんですが、便利になっていくほど自分の幸せっていうのを主観的に捉えづらくなると思うんですよ。
誰かが言ってた言葉をそのままコピペしてしまうことがあり、それって本当に自分にとっての幸せなんだろうか。
だから、まず「これが自分の美しさだ」ってわかるのがまずあって、「その美しさいいね」って言い合える。
「黄土色でも、茶色でも、茜色でもそれがその人の美しさだ、きれいだ」っていうのが、私の思う美しさです。
私のHPのロゴはドロドロしているのですが、私はそのドロドロしているのがものすごく好きなんです。
美しさは、一つではない。
ヨガやっていると、昔ちょっと適当に放っておいた、だけどすごく大事な感情などが、急に湧いてくるときがあるんです。
でも、そういう時は教えている側としては「しめしめ」って思うんです。
見せないことがすべてではない。
そのプロセスさえも美しい。
だから、そのドロドロ出てくる様を表現してもらったロゴなんです。
そうやって感情を出していくと、その人の一番良いところがでてくるんですね。
全部晴れていくと、空(くう)みたいな状態になり、きれいなその人のそのままの姿みたいなのが出てくるんです。
こんな自分みせていいのかって躊躇する生徒さんもいるのですが、「いいよいいよ」って言う感じでやっていきます。
そういうのが美しいなって思いますね。
感情を出す行為やプロセスは、なにかメーターで測れたり、数値で測れるものではないし、目で見えるわけではない繊細な作業でもあるんだけど、やっぱり相手とわたしとの関わりの中でみえてくると、この人は変わっていこうとしているんだなって思いますね。
それもまた美しさだと思います。
記者 しっかりと自身の経験を振り返りながら、ひとつひとつ丁寧に答えてくださり、私は、その姿勢態度に感動致しました。インタビューを受けていただき本当にありがとうございました。
最後に、今回担当させていただいた坂中と塩田、そして、茂木さんの息子さんも一緒に集合写真を撮らせていただきました。この日、外は、予想外の大雨で、空に雲が覆っており、薄暗い写真になってしまいましたが、みんなとても充実した表情です。
それは茂木さんの、ゆっくりと、しかし力強さのある人生を通した様々な話をお聞かせいただけて、とっても潤った時間だったなと感じているからだと思います。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
茂木さんの活動はこちらから↓↓
ホームページ:https://sunnata-yoga.com
ブログ:https://ameblo.jp/sunnata-yoga/
Twitter:https://twitter.com/@atsuko_motegi