大勢の人のスイッチになるような音楽を届けたい 秋吉沙羅さん

篠笛で世界中にメッセージある音楽を発信されている秋吉沙羅さんにお話しを伺いました。

秋吉沙羅さんのプロフィール

出身地:広島県

活動地域:世界各国

経歴:広島出身。神楽団員の父親の影響で5歳で神楽笛、19歳で篠笛を独学で始める。苅屋形神楽団所属。入団以来県内各地での神楽競演大会樂の部にて数々の賞を受ける。オリジナルアルバム「龍の目醒め」(2013年)「謡-UTAI-」(2015年)「Evolution」(2016年)全国リリース。テレビ、映画、ゲームの演奏、海外公演も多数。伊勢神宮公式HP音楽演奏。FM西東京「秋吉沙羅のGOOD NIGHT☆MONDAY」パーソナリティ。2019年に「こと」から改名。

現在の職業及び活動:篠笛、神楽笛奏者

聴いてくれた人たちの何かがスイッチ・オンになるような、そんな演奏

Q1.秋吉さん(以下、敬称略)はどのような夢やビジョンをお持ちですか?

秋吉
:地球上の大勢の人に音楽を届けたいです。そのうえで聴いてくれた人たちの何かがスイッチ・オンになるような、そんな演奏ができたらいいなと思っていますし、そういう曲をつくりたいです。
最新作は「Evolution」です。日本語にすると「進化」という意味ですけれど、今の人間にとって必要なものは何だろうと考えながらつくりました。

日本人の和の心が社会に広がる可能性を秘めている

Q2.そのビジョンのためにしていることはありますか。

秋吉:今後もっと自分の楽曲を発表し、海外での演奏の機会も増やしていきたいと思ったので、英語のレッスンに通い始めました。
実際、レッスンに通い始めた一週間後にアメリカに住んでいる音楽家から私を演奏で呼びたいという話がきました。彼女はビオラ奏者として活躍されている女性ですが、彼女が作った曲を現地で一緒に演奏する機会をもつことができました。
ちなみに彼女とは3年前にアリゾナへ行った時に知り合い、その時私の曲「龍の目醒め」を気に入ってくれていました。こんなふうに自分の行動が未来のビジョンに繋がっていくのが嬉しいと思いました。

記者:なぜ海外なのですか?

秋吉:私の小鳥をイメージした曲が、小鳥っぽいと日本でだけではなくて外国でも言われ、すごく喜ばれて拍手をもらいました。自分の表現するものが万国共通で繋がっているものがあるとしたら、もっと試してみたいと思いました。それから神楽をずっとしてきて、子供のころから古事記や日本が古来から大切にしてきているものにすごく興味がありました。世界をみればみるほど日本のすごく繊細な部分や、白黒つけないグレーで人と調和していることのありがたみ、素晴らしさというものも逆に感じました。
2000年以上の歴史を持っている日本が一つの国として成り立っている背景をみんながもっと意識していくことは、日本人の和の心が社会に広がる可能性を秘めていると思います。自分自身も日本人としての感性を磨いてそのまま音楽に取り入れて何か気づいてもらうことがあればいいな、と思いながら活動しています。

記者:極めたい世界や、表現したい世界はありますか?

秋吉:極めたいものは笛であり音楽です。2年前に子供を出産したことで、
これまでの音楽生活に大きな変化が現れました。前はライブのスケジュールをパンパンに入れていたのが、今は月に数本にしたり、練習時間も子育てで思うように時間が取れない状況があり、これまでと全く違う環境になりました。
ずっと聴いてくださっている方たちは、前はCDと同じ音をライブ演奏でも聞けていたけれど、今はそれに加えて音に広さと人間味が感じられるようになって、より感情が伝わるようになった気がすると言ってくださいます。私は、常に正確に吹くことを知らず知らずのうちに意識していたのだと思います。音の変化をポジティブに受け止めてもらえたことで、もっと自分の感情や人間味を演奏に乗せていくことが大事なのだと気づくことができました。

子供が好きというより、人間が好きです

Q3.そもそも夢を持ったきっかけは何ですか?

秋吉:学生時代には幼稚園の先生になろうとしていたのですが、そのころ、保育者や子供たち向けにコンサートや講演をする芸能活動をされている方々と沢山知り合ってお手伝いをしていました。その中で彼らが子供たちに本物の音楽を届けたいという思いをもって活動しているのを目の当たりにしました。私は幼稚園の先生になろうとしているけれど先生だけが全てではないし、私も自分の笛で人に何かを伝えることができるのではないかと直感的に思いました。その後、実際に幼稚園の先生をやめてミュージシャンの道を選ぶことになりました。

記者:幼稚園の先生をしていらっしゃったのですね。

秋吉:はい、幼稚園の先生になることは自分自身が幼稚園の時から決めていて、入る大学まで決めていました。幼稚園の先生になった時に子供が好きなのね、と色々な人に言われましたが「子供が好きというより、人間が好きです。」と私はいつも答えていました。それは今も変わっていなくて、今やっていることに繋がっています。

スイッチ・オン入れるという意味は、みんなの元々の素晴らしさに気づいてもらうこと

Q4.「人間が好き」というその想いの根底には何がありますか?

秋吉
:初めにお話したスイッチ・オンという言葉で言えば、みんなの元々の素晴らしさに気づいてほしいという想いかもしれません。
幼稚園の先生だった時に、子供の気持ちに寄り添いすぎて子供が悲しいと一緒に泣いてしまったりしていました。他の先生に「子供の気持ちはこんなにあるんです。」と説明してもわかってもらえず、その子がもっと泣いて、お昼に「なんでわからないんだろうね」と二人で泣きました。こういうオーラのように感じる感覚を大事にしていることかもしれません。私も両親に「何も考えていない子だ」と言われたことがありました。もちろん悪気はないのはわかっていましたが、私の中ではものすごい哲学があって、いつもずっと色々なことを考えていました。それで小さい自分がされて嫌だったことを大人になった時に小さい人に対してしないようにする、と心に決めていました。それは例えば、みんながいる前で自分が恥ずかしい形で怒られたりすることでした。嫌だったことは全部覚えています。

記者:子供はもちろん、大人も表に出ていない部分をわかってもらえないと思うことはよくありますよね。表現されていない深い部分にその人の本当の思いや可能性があるのではないかと思っていらっしゃるのですね?

秋吉:はい、「スイッチオン」というのは私の中では魂にスイッチオンするイメージです。音楽を聴いて「やる気が出た」というのもスイッチオンだし、「懐かしくて涙が止まらない」というのも、その懐かしさが何なのかわからなくても、その人のDNAに組み込まれていた、一番底に流れている何かに触れたからスイッチ・オン状態だと思います。だから世界中に届けなくてはと思うのは、世界中の人みんなにみんなの素晴らしさを気づいてほしいですし、笛というものが私にあって、世界に出ていく可能性があるならば、私の仕事はそれをする意味があると思っています。

記者:お話を聴いていてワクワクが伝わってきました。
秋吉さん、今日は本当にありがとうございました。

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秋吉さんについての詳細情報についてはこちら
↓↓↓
オフィシャルサイト
http://sarahakiyoshi.com/

FBページ
https://www.facebook.com/Sarah-Akiyoshi-378655292726442/

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【編集後記】
今回インタビューの記者を担当した見並と善家です。
出産をきっかけに内面も笛の音色も進化し続けている秋吉さん。
世界の人がみんなスイッチ・オンできるような音楽を届けたい!というビジョンに、楽しみながら進まれている印象をうけました。ものすごい行動力に比例した楽しいエピソードがいっぱいで、書ききれていないのが残念です。
これからも頑張ってください!

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