1軸でなく2軸でとらえるバランスのとれた幸せ、山口 悠介さん

バングラデシュでデニム、カット、ニットを生産、提携工場で小ロットにも対応できる独自の小ロット対応の体制を確立。そしてバングラデシュに学校を建てる計画を遂行中の株式会社わんピース代表取締役、山口 悠介さんにお話しをお伺いしました。

出身地:大阪
活動地域:大阪、バングラデシュ
経歴:2007年4月株式会社船井総合研究所 入社
2010年12月株式会社船井総合研究所 退社
2011年1月株式会社わんピース 設立

太陽型人間のようなイメージで、自分を中心としてどこまで温かくできるのかによって、感謝される幅を広げること

Q.どのような夢やビジョンをお持ちですか?

山口 悠介さん(以下、山口 敬称略):直近の目標はバングラデシュに学校つくることです。
私たちの会社はバングラデシュから衣料品を輸入し日本の市場で売って、会社として少しずつ成長させてもらっています。その恩返しとして日本には納税、バングラデシュには教育をやろうとしています。

今バングラデシュでうちの仕事を手伝ってくれている現地の方が100名くらいいます。日本と生活水準も違う中で彼らの働きに対して学校という形で還元していきます。学校にその人たちの名前を入れて寄付することで地元の名士になってもらいたいのです。
お母さんが自慢できる息子になれることが幸せという考えのもとやっており、来年か遅くとも再来年には学校が1つつくれると思います。

最終的にその学校を卒業した人が日本を好きになってくれれば、日本のためにもなります。日本では学校をつくれませんが、今の自分にできることをやっていきます。そして子供に「お父さん尊敬できる」と言ってもらえたら嬉しいですね。

さらに先は太陽型人間のようなイメージで、自分を中心としてどこまで温かくできるのかによって、感謝されることが自分の幸せだと思っています。

記者:感謝される最小ユニットが家族で、あとは感謝される範囲をどれくらい広げられるか、みたいな感じですかね。

山口:そうですね。学校のように見たこともない聞いたこともない人から自動的に感謝されるような形もありだと思っています。

達成可能な計画を立てて実行していくこと

Q.それを具現化するために、どんな目標や計画を立てていますか?

山口:
なりたい姿はぼやっとはあるけど、そこまでのプロセスが明確にイメージできないと実現しません。
だから、今は数値計画、採用人数、人件費比率、売上、利益、粗利益、営業利益、経常利益、納税、金利などを含めた達成可能な計画を立て、それを実行していくことです。

時代の流れ、原理原則に沿っていくこと

Q.目標や計画に向かって、どのような指針を持って基本活動をしていますか?

山口:前職で経営コンサルティングの仕事をしていた時に学んだことは多いです。
その中でどの業種にも共通している①時流への適応②原理原則に沿っていくことを大切にしています。

文章では非常に伝わりずらいのですが、簡単にいうと

伸びる国で作り、伸びてる市場で売る。
品質や価格、素材など、お客様が喜んでもらえる物を生産して、消費者に届ける。

この様なことが原理原則×時流適応です。

未だにできていないこともあるので、これからやっていきます。

1軸でなく2軸でとらえるバランスのとれた幸せ

Q.今のことをするようになったきっかけは何でしょうか?

山口:中学校の頃に漠然と社長になりたいと思いました。
ガキ大将的な要素やお金持ちになりたい的なものもあったかと思います。

また、大学(20歳)の時に一人でバックパッカーとして海外一人旅に行きました。その時に旅にハマって、海外で買った物を卸売して、そのお金でまた次の旅をするという生活をしていました。

経営コンサルティングの仕事で沢山の経営者と実際に話してみると、お金を持っているけど、従業員さんが不幸そう、社長さんがつまらなそうなところや、逆に景気はいまいちだけど活気のある会社など、たくさんの出会いの中でお金はある方がいいけど、それがすべてではないと感じました。
それが幸せを1軸でなく2軸でとらえるバランスのとれた幸せの定義を考えるきっかけになりました。その時に考えたのが自分の親が自慢できるような子供になること、うちのお父さんは尊敬できると言ってもらえる人間になることでした。

実際に何をしようかと考えた時に、周りの優秀な方たちより自分が長けていたのは海外にいってコミュニケーションをし仕事につなげることだと感じたので、それを活かそうと思いました。
その時、日本はデフレだったので安いものを求められていました。
安いものを求められている時は安いものをつくる努力をするのがメーカーだと思い、いろんな国に行きました。そこで人口や失業率、大手の参入や直行便の有無など様々なことを考えて世界2位の衣料品輸出国バングラデシュを選び、そこからアパレルを学び事業をはじめました。

最初は、日々の経営を回すので精一杯でした。
学校の構想はバングラデシュに長くいる中で現地の人との出会いによって生まれました。
中学くらいの卒業でも、うちの会社でとても優秀な人がいます。その人の田舎では学校に行かないから3割の人は文字を読めず、町に新聞を貼ってそれを読むビジネスをしている人がいることを知りました。
また一緒に働く20代半ばくらいの現地の若者が冷凍庫で氷ができることを知らなかったり、お店で番号札をもらって待つ注文の仕方を知らなかったりする人たちと出会い、そういった人たちが変化していくにことに楽しみを感じました。

Q.出会いの中でどのような気づきや発見がありますか?

山口:単純に社長の立場になりたいと思っていたところから、責任や仕事の重要さなどを気づかされています。経験しなければその楽しさは分からなかったです。

そして発信することの大切です。学校も発信していくことで自分へのプレッシャーになりますし、使命感やモチベーションを上げることにもなっています。そして協賛や協力をしたいと言ってくれる方が現れます。
お金でない面白さとかワクワク感が広がったり、寄付金を募らせて欲しいとか、そこから新しいビジネスにつながるようなアイディアが実際に生まれています。0から1を生み出すのは大変だけど、そうでなければ、これくらいやるよとか、お金だけなら出すよという人は多分たくさんいると思います。

記者:自らつくった環境から、また新しい可能性が舞い込んでくるような感じがしました。

あと、今まで騙されたり、ストレスでパンパンな時もあり、駄目だと思った時もたくさんありましが、今は笑い話になります。
そういった苦しい時に周りに相談できる人がいたのは大きかったです。
もうダメだっと思った時に自分より先に独立した人に相談して、自分だけでないというのが分かり踏ん張れました。
周りに相談できる人がいたことは本当に感謝しています。

今でも人とのつながりで仕事を選んでいます。

Q.共に今の時代を生きている人に向けて最後に一言お願いします。

山口:今の現状がどんな状態でも、それを肯定しポジティブにとらえ、一生懸命やることが大切だと思います。限られた人生を適当に生きるのが一番もったいないと思います。今の現状が悲惨であればあるほど一生懸命やって結果が出た時にはふり幅が大きい分、他の人の希望にもなります。
だから大きい小さいに関わらず、結果にコミットすることも視野に入れて一生懸命やることを大切にしてもらえたらと思います。

【編集後記】
インタビューの記者を担当した川名と所と長尾です。
記事には書き切れないお話しも沢山していただきました。ぱっと出たアイディアを具現化していくまでのイメージがもの凄い早いことに驚かされました。明るく快活にお話しされる姿に一生懸命に取り組むことの清々しさを感じました。
ますますのご活躍を楽しみにしております。

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