「win-winできる持続可能な仕組みをつくる」あさひクリニック院長 三浦一秀さん

外科のホームドクターとして久留米市で総合診療をされている三浦一秀さん。医療の範囲にとどまらず、地域や経済といった広い範囲を見て活動されています。そんな三浦さんの背景をお伺いしました。

プロフィール
出身地   
福岡県飯塚市
活動地域   福岡県久留米市 
経歴   久留米大学医学部卒業後、同大学にて小児外科、第一外科、麻酔科に入局。その間、大牟田市立病院、気象庁北太平洋観測船シップドクター、大手美容外科、離島医療、久留米警察署の監察医など様々な病院に勤務。
平成16年   三浦クリニック開院
平成20年   あさひクリニック開院
家庭医としてホリスティック医学や健康生きがい学会に参加、総合診療を行う。
現在の職業および活動 あさひクリニック院長
座右の銘   臥薪嘗胆

win-winになる持続可能な仕組みをつくる

Q:どのような夢やビジョンをお持ちですか?

三浦   一秀さん(以下   三浦   敬称略) よく、周りからは夢があると言われますが、私自身は夢だとは思っていません。必要な時に必要なことをするだけです。課題が見つかれば、改善するためのプロ方法を探した出して、できるものは実践していきます。大切なことは、win-winになる持続可能な医療、地域の人間関係となる仕組みをつくっていくことです。

   今、私はホームドクターを目指しています。私の言うホームドクターは一般の診療だけでなく、在宅医療、美容、アロマ、健康予防医療など、医者が関わる方がよいことを全部やっています。元々は小児外科に入り、そこから総合外科、麻酔科と研修してきました。内科の総合医はいても、外科の総合医ってなかなかいないんです。でも、町医者は皮膚科や眼科、泌尿器科、整形外科などの外科系になるわけです。プライマリ・ケアが大事だと言われていますが、自分の病気がどの科に行けばいいのか?それを相談すべきはやっぱりかかりつけ医だと思います。今は専門化が進み、とりあえずは総合病院にということは難しくなっています。在宅医療にも取り組み出すと、当然24時間365日を僕1人だけでは対応できません。スーパードクターがいて、1人でがんばって潰れてしまってはダメなんです。他の医師、看護師、そしてご家族や地域の自治体など、みんなの力が必要です。医療や福祉はかなりが持ち出しで、ボランティアをしながら成り立っている状態です。今、日本は少子高齢化、2025年問題に直面していて、人が足りなくなってきています。ですから、みんながwin-winできて、維持できる仕組みをつくっていきたいと思っています。

PAFU PAHU PROJECTを企画

Q:「win-winになる持続可能な仕組みをつくる」というところへ向けてどのような取り組みをされていますか?

三浦 ボランティアでも維持できるPAFU PAHU PROJECTという企画を考えました。

   これは、地域通貨の改良で、ボランティア通貨をカードにしました。ボランティアをしてくれた人に、カードと交換で「ありがとう」という感謝の気持ちを形にして伝えるというものです。

   経済対策として、地域通貨が数百億円の規模で発行されましたが、生活必需品に回っただけで、経済効果はあまりありませんでした。通貨なので、偽造対策や告知、最終的な現金との交換にコストもかかります。

それに対して、PAFU PAHUカードの場合、
・利用を受けるお店自ら対価を決めるため、お店側は損をしない。
・資源が安価である(PAFU PAHUカードは紙なので)。
・どんな業種でも使える。
・お金は偽造されたら危ないが、PAFU PAHUカードはクーポン券の性質を持つので偽造されても大丈夫。
・無限に使うことができる。
などがあります。

   例えば、PAFU PAHUカードを持って居酒屋に行くと、来てくれた「ありがとう」に対して、焼き鳥1本無料でサービスをする、エステサロンではマッサージ5分間無料延長、といったものです。

   本当にちょっとしたことで良いのです。ボランティアに対して、感謝を形にし合う人の動きが活性化して循環し続けることで、大きな経済効果を生むことができます。ぜひ協賛店、協力してくれる方たちが増えていってオリンピックでも利用してほしいです。

常に改善点を考える

Q:現在どのような活動指針を持って、どのような基本活動をしていますか?

三浦 何かの改善点をいつも考えています。これはもう性分ですね。でも、考えても忘れていきますね。メモしてもどこにメモしたかわからなくなります(笑)。だから良い案だけが残っていくんです。

   小学生の時に読んだ中国のある役人の子どもの頃の逸話があります。水を溜めている大きな大きな甕(かめ)があり、そこに子どもが落ちてしまいました。大人たちはなんとか助けようと、上からロープを下ろしたり、梯子をかけようとしたりします。その時、その役人は甕を石で割って、水を流して中に落ちた子どもを助けたのです。この発想がすごいと思いました。

   そんな発想や知恵は、凡人は常に考えていないと生まれないと思うのです。でも、所詮は人真似であって、私の全くオリジナルの考えではありません。だから「改善」なんです。でも知恵ってそういうものだと思いますし、発想や知恵によって問題を解決していくことにとてもワクワクします。

ボランティアをするしかない

Q:「win-winになる持続可能な仕組みをつくる」という思うようになったきっかけは何ですか?そこには、どのような発見や出会いがあったのですか?

三浦 今の社会体制はボランティアを活用しないと維持できないと気付いたからですね。

   例えば小児外科で、人工呼吸器をつけた子どもがいます。そのまま成長して大人になった時、どこをかかりつけにすれば良いのか?小児ではないし、人工呼吸器をつけて、一般診療所を受診するのは難しいことです。そうなると日常は在宅診療で看ていくことになるのですが、日々の生活は家族や施設デイサービスで過ごすことが多く、両親の高齢化も始まるため、もう対応しきれないところまで来ています。こうなるとボランティアの力を頼るしかなくなっていくのです。

   医療だけでなく、子ども食堂のように地域もボランティアで成り立っています。けれど、人をタダで働かせようというのではダメだと私は思います。ボランティアは自腹を切ってやるわけですから、仕組みにまでは育ちません。それで、持続できるボランティアの仕組みを考え出したんです。

威張っちゃダメ

Q:「ボランティアをするしかない」という気付きの背景には何があったのですか?

三浦 父親が会社を経営していたから社長の息子だったわけです。跡取りだからやっぱり従業員の方たちから色々良くしてもらいましたよね。だからか、母親からよく「威張っちゃダメ」と言われました。「みんなのおかげで自分たちがあるのだから」と。それは私の中に今でも残っていますね。でも、知らないうちに威張っちゃうんですけどね(笑)。人間って褒められると嬉しいものだから仕方ないところはありますけど、ある程度にしておかないといけませんね。威張っちゃったな、と思ったら後で反省しています(笑)。

Q:経済や社会の仕組みについてお詳しいのはなぜですか?

三浦 商売人の家だったからか、小学3年生から10数年間毎日、新聞のコラムを読んでいたんです。子どもの頃、病気をして体が動かなかったこともあって、コラムや本を読むしかできることがなかったこともあります。するとだんだんと世の中がどう動いていくのかわかるような気になってきたのです。

   私は医師としては目線が少し変わっているのかもしれません。医師はあまり経済的なことを考えませんが、私は医療費用の価値のことをすごく考えました。例えば、90歳の人に何百万円もする手術をすることが本当に良いのだろうか?自費だったら本当に治療を受けるのか?と。

   正直、社会保障を額面通りにやったら現場では成り立たないことが多くて、多くが職員の自己犠牲で補っている現状です。けれど、もう今のままでは健全な社会が立ち行かなくなってきています。一人ひとりが考えて決めていく時が来ているのではないでしょうか。

読者への一言メッセージ

三浦 PAFU PAHU PROJECTを一緒にやってくれる方、ご協力していただける方、ぜひご連絡ください。

記者 世の中は自分1人ではなく、みんなで成り立っているものだから、みんなにとって良くなる仕組みを考えてこられたのですね。一つ一つの矛盾や課題に向き合って改善点を考えておられる姿勢が素晴らしいと思いました。本日は貴重なお話をありがとうございます。

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三浦さんの詳細情報はこちら↓↓

感謝をカタチに。PAFUPAHU PROJECT(パフパフプロジェクト)| まいぷれ[久留米市]

医療法人徳志会あさひクリニック – 内科・外科から美容や在宅診療まで、トータルでサポートする福岡県久留米市のクリニック

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【編集後記】
今回インタビューを担当した小水です。
三浦さんにとって、自分という範囲はこの体ひとつではなく、支えてくれている周りみんなが自分になっているのだと感じました。
全体をどう循環させ続けるかを常に考えておられるのですね。
三浦さんのアイディアに結集を起こせた時、とても楽しく高い生産性が生まれるイメージが広がりました。
三浦さんの今後の益々のご活躍を応援しています!

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