『美しい日本の心を次世代に伝えたい』ライアー奏者 松葉智穂さん

ドイツでシュタイナー教育の一貫として創られた楽器 ライアー奏者として活動されている松葉智穂さんにお話を伺いました。

プロフィール
関西地域を中心に演奏会とそのオーガナイズ活動を8年ほど続ける
海外や現在の住まいの横浜など関東でも依頼を受けコンサート、ワークショップを開催
「ひふみの庭」主宰 

記者:どんな夢やビジョンをお持ちですか?

松葉智穂さん(以下松葉、敬称略):人間ってすごく可能性があると思うんです。しかし、結婚したり子供ができたりすると家族のためにということが増えてそれを忘れてしまう。私も子供が今20歳なんですが、家族のことで頭がいっぱいになってしまって本当に求めていることが、子供の成長をバックアップすることだと勘違いしちゃうんですよね。でも、本来は本当にやりたいことができるようになれると可能性が高まる。私は音楽をやっているのが大好きなので、大好きなことをしている時が私を輝かせる時間なので、それをしたいんだって堂々と言えるようにしたいと思います。夢中になりすぎると家族のための時間が無くなるので、この時間は家事に集中するとかメリハリつけるのも大事ですが。あんまり偉そうなことは言えないですけど(笑)


眠らされている日本女性の意識を動かしたい

記者:夢を実現させるために、どんな目標や計画を立ててらっしゃいますか?

松葉:去年までワークショップやオーガナイズの仕事が多くて、今年は演奏しようと決めていました。そういうふうにアウトラインを決めているとそれに沿った話が入って来るんですよね。だから決めるということが計画と言えば計画でしょうね。自分の中で意識が整うと周りの人達が「コンサートをしましょう」とかそういう話を持ってきてくださる。もちろん動くのは自分なんですけどね。

以前から、日本の女性が眠らされている意識を動かしたいとずっと思っていたんです。光の柱を立てて、この美しい日本を、日本の心を損なうことなく、私たちの子供、そのまた子供に伝えたいと思っています。

人間として本当に必要なことをキャッチする力が音楽にはあると思うんですね。音楽に触れることでその感度が高まると思うんです。

パーンと変わっていく時には、音楽で同じ波動や意識になれるので音の力ってすごく早いと思うんです。
いろんな人と繋がりたいと思っているうちに音楽が残ったという感じですかね。


記者:日本人の眠っている意識を目覚めさせたいと思われたきっかけはありますか?

松葉:日本人の感性って美しいんですよね。料理の盛り付けとか、味付けとかびっくりするくらい日本人って感性が豊かなんだなって思いますよ。

ライアーって外国の楽器じゃないですか。外国の人が弾いても素敵なんですが、それを日本人の感性で弾いたらとてもステキなんですよね。弦の扱い方がとても繊細だったり、テクニックというよりは物事に対する取り組み方なんですかね。
日本人ってなんでも道になるじゃないですか。茶道とかお掃除でもお掃除道にしちゃう。そういう意識。自然を八百万の神としてみる、上も下もない、みんなが一緒という、あなたの中にも神がいるという考え方。木をみても太陽みても拝むし全てを敬う、感謝の気持ちがありますよね。それをライアーで表現したいです。

私、ほんとに取り柄もなくて普通に主婦してたんですけど、ライヤーを始めてすごくいろんな人に出会えたんですよ。どんどん人との出会いが繋がって、思ってもない人たちに繋がっていくのがすごくステキだなって思います。価値観がどんどん変わってゆくような。

3.11から3年経って、東北に演奏に行ったんですが、津波の被害にあった街の後にはまだなんにもなかったです。仙台の方は街が根こそぎ無くなったわけではないので、街は綺麗な姿でした。すでに3年経って今さら慰問演奏という時期でもない、と思っていたんですが歌い始めたらお母さん方が泣き始めて。泣きじゃくるっていうか、吐くんじゃないかってくらい。すごく我慢してたんだって、音楽で緊張を緩める作用が出て来たんだな、心の固まりなどをほぐすのが音楽なんだなって。
東北に行った時、本当にみんな我慢してたんだなって感じました。

1人欠けても成り立たない みんな大切な存在


記者:ライアーを奏でることで聞いている方にどんなふうに繋がって行くと思われますか?

松葉:コンサートでは感謝と繋がり感を一番感じるかな。
出会った人たちに対する感謝と、来てくれた人たちへの感謝と。
例えば今日私たち初めて会いましたけど、繋がっているからだと思うんです。私、出身が札幌なんですけど地方都市だと会社の同期と話したりすると、絶対に知り合いに繋がったり親戚だったりって発覚するんですよ。みんな横とか縦とかで繋がってるなって。
コンサートの時って緊張するし孤独なんですよね。
でもすごくお客様からの応援を感じるんですよね。
それから練習に付き合ってくれていた先生も、共演者、スタッフや親、先祖、自然とかが応援してくれているんだってすごく感じるんですよね。
1人が欠けても成り立たないって思ったらみんな大切な存在だなって思うし、ありがとうって。みんなの意識が繋がって、色んなことが守られるようなそんなふうになったらなって思います。

記者:本日は貴重なお話をありがとうございました。

松葉さんの活動についてはこちら↓
「ひふみの庭」 123garden.net/hifuminonawa

編集後記:インタビューを担当した田沢と平井です。松葉さんのお話を聞かせていただきながら、はじめましての人でも、既に繋がりがあるから出会えたんだと思うと嬉しくなりました。音楽の未知なる可能性を感じることができました。ありがとうございました。

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