「大切な人と楽しく幸せに生きる」株式会社ブロードキャスト大石 友和さん

AIの開発、システム導入のコンサルティングなどに取り組まれている大石友和さん。IT会社を経営しながら、他にもPTA会など、地域の取り組みにも関わられ、人との出会いを大切にされている背景を伺いました。

プロフィール
出身地   佐賀県鳥栖市
活動地域   福岡県を拠点に九州全域
経歴   高校卒業後、電気工事士として配電作業。その後、工場勤務に転職。
電子機器製造業のオペレーター部門、NCデータ部門、生産技術部門でロボットメンテナンス。30歳になり、一念発起してソフト業界に転身。5年間ソフト業界でサラリーマン。勤め先の社長の温かいバックアップもあり、個人事業主として独立。2年間のフリーランスを経験し、株式会社ブロードキャストとして創業し、本年(令和二年)5期目へ。
現在の職業および活動   
株式会社ブロードキャスト代表取締役
座右の銘   笑顔のために笑顔であれ

大切な人と幸せに楽しく生きられる環境をつくる

Q:どのような夢やビジョンをお持ちですか?

大石   友和(以下   大石   敬称略)   仕事は楽しくしたいです。自分が楽しくワクワクして製品をつくらないとお客さんも楽しくないですし、仕事も続きません。でも、私にとって仕事は一番ではなく、家族です。人生を共にする大切な人たちを幸せにできなくて、その先に何の幸せがあるでしょうか?家族でなく、恋人や友だちでもいいんです。身近な大切な人たちと楽しく過ごす時間を持てるような環境をつくりたいです。

   けれど、IT業界の現状は厳しいものがあります。語弊を恐れずに言うなれば、人身売買のような状態であり、残念ながらそうしないとIT業界は回らないのです。間に何段階も経由することで情報のズレが起き、企業側もエンジニア側もお互いが思ったようなマッチングが起きません。結局即戦力になる優秀な人材だけが取り立てられ、今までIT業界を支えてきてくれた年配の人たちは仕事がなくてフェードアウトし、若手は経験値がないからと低い給料で働かせられ、潰れていく人もたくさんいました。日本のIT技術力はレベルが高かったはずなのに、どんどん衰えていき、IT人口も減っています。これからもっと盛んになっていくはずのIT業界で人が潰れていくのは見るに耐えません。ですから私は、年配の人たちの経験も生かしつつ、彼らが若手に教えながら、新しい技術も取り入れてみんなが成長していける環境をつくりたいと思っています。

   仕事が忙しくて時間が作れない時はあると思います。そんな時でも楽しく志を持って仕事をしていたら、家族の理解も全然変わってくると思います。楽しく仕事をして夢を追いかけながら、好きな人と幸せに過ごせる。そんな人生だったら、死ぬ時に、「楽しかったー!」って言って終われると思いませんか?みんながそんな風に生きていってほしいのです。

明日を生き抜くために今日準備をする

Q:「大切な人と幸せに楽しく生きられる環境をつくる」へ向けてどのような目標や計画を立てていますか?

大石   私は明日の計画を立てます。明後日のことはわからないから、明日を全力で過ごすために今日準備をするんです。

   特に今は本当に先が読めない時代で、例えば、コロナウイルスが来るとかわからないじゃないですか。目標設定は必要ですが、わからないことを考える時間が無駄ですし、それよりは今をもっと頑張ることだと思います。

頼まれごとは試されごと

Q:その目標や計画に対して、現在どのような活動指針を持って、どのような基本活動をしていますか?

大石   頼まれごとは試されごとだと思って、頼まれたことは断ることなくやってきました。

   でも、元々は頼まれごとは面倒臭いし大嫌いでした。ある時、PTAをやっている女性から、PTAを勧められて入ったんです。そこで今まで見えなかった色んな人たちの支えが見えるようになりました。

   校長先生や県市議会の動き、老人会、子育てに悩んでいる人たちなど。たくさんの人たちが裏で関わり、支えてくれていたことを全然知りませんでした。私が子どもの頃も見えていなかっただけで、こうした支えがあったのだと気づいたんです。そんな支え合いが回り回って地域が成り立っています。「情けは人の為ならず」その言葉の意味がよくわかりました。

   そこから頼まれごとは基本的に受けるようになったのですが、気づけば16個もの役割を持っていて、最近体は1つしかないことに気づきました(笑)。何役もやるには限界がありますね。断ることも覚えないといけないことに43歳の今になって思っています(笑)。

みんなの言葉が自分の中にある

Q:「大切な人と幸せに楽しく生きられる環境をつくる」を持ったきっかけは何ですか?そこには、どのような発見や出会いがあったのですか?

大石   私の人生に大きな影響を与えてくれた人が3人います。

   1人目は、中学校の担任の先生。小学校6年生から中学生になる頃に、家が火事にあい、行き場がなくなった私と母は、学校から離れた親戚の家に住んでいました。担任の先生は、そんな私を毎日車で家まで送ってくれました。先生は運転をしながら「正しいことをやれ」「陰口を言うな」と、いつも言っていました。その時は「は!?」って思っていましたけど、今でもその言葉は私の心に染み付いて忘れられません。

   2人目は、20代の時に勤めた会社の工場長。若くて遊びたい盛りの私は、朝までドライブして寝ぼけ眼で出勤し、工場長はそんな私を本気で怒ってくれました。またある時には、私が何も言っていないのに、彼女ができたことを知っていて、彼女の分と2人分の差し入れをくれました。下っ端の自分にまで細やかな気配りをしてくれたことが感動でした。

   3人目は、武雄にあるIT会社の社長です。ソフトのことを何も知らずに、ただソフトをやりたいという熱い思いだけだった自分を大きな心で受け入れてくれました。独立したいと言った時も、裸一貫では厳しいからと、今のまま働きながら、時間をつくり人脈をつくって準備をしろと、自分の会社の利益を省みず、応援してくれました。

   私には父親がいなかったので、彼らの言葉は父親代わりのようで嬉しかったんですね。そんな皆さんから教わったことが、今私自身の言葉として出ています。そして、彼らの言葉も自分がつくった言葉ではなく、誰かから学んだ言葉です。そのように出会って、伝え、残っていきます。私が経験してきたことは全て私の中に入っていて、私もまた伝えていくのです。

好きな人を守れる自分になる

Q:「みんなの言葉が自分の中にある」の背景には何があったのですか?

大石   私の家は母子家庭でした。父はギャンブラーで、私が幼い頃に離婚し、母は女手一つで私を育ててきてくれました。貧しい県営住宅に住みながら、母は毎晩遅くまで仕事をし、学校から帰ると私はいつも一人でした。

   そんな境遇の私は小学生の時にクラスの子からいじめられました。でも、一人っ子だったから喧嘩の仕方もわからなくて、ただただ耐えるしかありませんでした。あの頃は泣いていた記憶しかありません。

   母は父のことを決して悪くは言いませんでしたが、「好きな人を守りなさい」といつも私に言っていました。好きな人ができても、その人を守れないのは男としても人としても情けないと。だからいじめられて何もできない自分ではなく、母を、そして大切な人を守れる人間になりたいと心から思いました。

   ですから大学にも行きたかったのですが、母を助けたくて高卒で働き出しました。電柱に登って電線の配線工事の仕事から始まった私ですが、今AIの開発もするIT会社を立ち上げて5期目になります。ここまで来れたのはたくさんの人たちの支えのお陰で、感謝してもしきれません。人は支え合っているから、私に関わってくれた身近な人たちが幸せであるためには、その人たちを支えてくれている人たちみんなが楽しくて幸せでないとダメなんですよね。だから仕事は楽しくしたいですし、仕事だけで人生が終わるのではなく、家族や身近な大切な人たちと過ごせる時間をしっかり持ってほしいんです。私が言うことはキレイごとだと言われるかもしれません。でも、諦めたくはないんです。好きな人に我慢させて、自分も我慢して、本当にその人生でいいのか?って思うんです。私は大きなことはできないけど、今までたくさんの人たちが私に伝えてきてくれたことが私の中に残っています。それを次の人たちに伝えて、身近なところから幸せを広げ続けていきたいです。

読者への一言メッセージ

大石   笑顔のために笑顔であれ。

記者   好きな人を守れる自分になろうと努力する中で、たくさんの人たちからの言葉が大石さんの中に残っているのですね。だからこそIT業界の人が育たない現状を変えて、楽しく仕事をしながら大切な人と幸せに生きられる生き方をつくっておられる夢に感動しました。本日は貴重なお話をありがとうございます。

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【編集後記】
今回インタビューを担当した小水と夢野です。
全体を見るシャープな目を持ちながら、目の前の人にとことん本気の情熱をもって取り組まれる大石さん。その在り方は、人間関係が希薄な個人主義の今を生きる孤独な人たちにとって貴重な温もりだと思いました。
全ての観点を0化した共通の土台を持った時、その情熱が多くの人たちに伝播され、ものすごい影響力を発揮するイメージが広がりました。
大石さんの今後の益々のご活躍を応援しています!

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