「心から来る思いを忘れないこと」税理士・公認会計士 松岡将史さん

誰でも自分の人生をつくっていけるという思いを持って、自分との戦いに向き合っておられる松岡将史さん。利益ではなく、お客様との出会いを楽しまれ、心から交流することを大切にされています。そんな松岡さんのお話を伺いました。

プロフィール
出身地 佐賀県唐津市
活動地域 福岡県
経歴 
2002年 佐賀県立唐津東高校卒業、九州大学工学部入学
2004年 法学部へ転入学
2006年 九州大学法学部卒業
2007年 公認会計士試験合格、新日本監査法人入社
2012年 同社退職、個人事務所設立
2014年 如水監査法人のパートナーとして参画
現在の活動および職業 松岡将史 公認会計士・税理士事務所
座右の銘 初心忘れるべからず

夢や希望を諦めないでほしい

Q:どのような夢やビジョンをお持ちですか?

松岡 将史さん(以下、松岡) いずれは海外でも仕事ができれば良いなと思っています。公認会計士の資格は国によって違うので簡単ではありません。どんな仕事ができるのか、まだまだ未知数です。けれど自らがチャレンジをする姿勢を見せることで、日本の若者たちに夢や希望を与えていきたいです。

 私自身が、夢も希望も持っていない人間でした。けれど、人間は誰でも自分の力で人生を切り拓く力を持っています。肩書きや会社名の凄さがその人の能力ではなく、何も持たなくても全てをつくれる力こそが本当の人間です。やるかやらないか、その選択権は自分が持っています。やってみて失敗したとしても、周りのせいではありません。自分との戦いしかないのです。だから私は、自分の名前だけを書いた名刺で通用するような人間になりたいと思っています。

 今は多くの若者たちが未来を諦めてしまっています。けれど必ず突破口は見えてきます。自分の可能性を見てほしいです。AIが来ている時代だからこそ、自分の力で生きようとする人達の結集が必要だと思います。そして夢や希望を取り戻した活気ある日本にしていきたいです。

自分がいなくても大丈夫な状態をつくる

Q:その夢やビジョンを具現化させるために、どんな目標や計画を立てていますか?

松岡 海外への一歩として、例えば米国公認会計士の資格などは現在の仕事と関連性があるので興味があります。自分の可能性を広げるために、今は毎日英語の勉強をしています。半年で英語はマスターしたいと思っています。

 そして自分がいなくても事務所が回るように、スタッフたちの育成にも取り組んでいきます。今、スタッフの一人が公認会計士の資格を取ろうとしているので、そのフォローも必要です。こちらの考え方さえ伝えれば、皆が自分たちで動ける状態をつくっていきたいです。

1日1個新しいことをして、新しい自分になる

Q:その目標や計画に対して、どのような活動指針をもって、どのような基本活動をしていますか?

松岡 実は元々は、何にもしない怠け者なんです。でもそこには戻りたくないので、何も考えない時間をつくらないようにしています。もう無理だと思う時には、いつも初心に立ち返ります。「何のために自分は仕事をしているのか?」と、自らに問いを投げます。考えていると、無理だと思ったことも、結局は自分がやるかやらないかだということに気づきます。だから私は「チャレンジした!」と頑張った感じはあまりなく、ただ自分がやると決めたことをやってきただけです。

 目標を達成していく実践をするにはエネルギーが必要です。だから私は1日1個新しいことをするようにしています。ささやかなことで良いのです。靴を磨いたとか、返事をちゃんと返したとか。無いところから自ら新しいチャレンジを設定して、自ら選択、実践することで、毎日新しい自分になれます。365日あれば、少なくとも365回新しい自分になります。そうすると自己肯定感が高まり、ワクワクしてきてチャレンジするエネルギーが生まれます。それが当たり前になった時、やりたい夢を自然と叶えられる状態の自分になっていると思います。

質問を投げかけて、道を見出す

Q:その夢やビジョンを持ったきっかけはなんですか?どのような発見や出会いがありましたか?

松岡 税理士の中には、お金にならない案件は請け負わない人もいます。けれど私は、少しでもお客様の人生を切り拓くお手伝いがしたいので、自分にできることであれば利益によらずお話を聞くようにしています。お客様は色々な方がいらっしゃいます。持って来られる案件も様々です。お客様は当然税理の専門知識もないので、お伝えすることも難しいです。正直、毎回道が見えない真っ暗闇から始まるようなものです。

 けれど、心を込めてコミュニケーションを取ることで、お客様にとって必要な質問が見えてきます。質問を投げかけながら、真っ暗闇だった道を照らし、道を定めていきます。質問と答えを繰り返していくと、選択肢が狭まって行き、何を提示すれば良いかが定まります。このプロセスがとても面白いのです。質問を投げられる力はAIではなく人間にしかないものだと、私はこの仕事をとても誇りに思っています。

歯車の一部である自分に気づいた

Q:その発見や出会いの背景には、どんな気づきがありましたか?

松岡 実は、独立しようなんて全然考えていませんでした。公認会計士に合格したら定年までコツコツとサラリーマンを勤め上げようと思っていました。そうしたら本当に毎日コツコツとやるだけでした。お客様には出会えない、自分で何かを決定する力も持てない。淡々と機械的な作業を繰り返すだけの毎日。自分は巨大な歯車の一部分でしかありませんでした。なぜ動いているのか、どこを動いているのか、動いている自分が何なのかもわからないまま、ただ動き続けていました。これが永遠に続くのは地獄そのものでした。そこから抜け出したくて、一歩を踏み出しました。そうしたら自分は何でもできることに気づきました。

 私は自由であることを知りました。歯車全体が自分でした。そして歯車を動かす力を持っていることがわかりました。つくりたいものを、自らつくっていける力を持っていたのです。自分の中からエネルギーが湧いてくるのを感じました。それで独立したのです。

 やったことないことに飛び込むことは大変でしたが、それ以上に高揚感に満ちたものでした。直接お客様に出会える喜び、自分の力で交渉し決定できる充実感。お金にまつわることなので、時には言いづらいことを言わなくてはいけないこともあります。けれど後々お客様から感謝された時には本当にやって良かったと嬉しくなります。一歩困難を突破するごとに、人間の可能性を確信していきました。

 気づけば独立してから7年目になります。お金は無い、人脈も無い、経験も能力も無い0から始まり、ただ思いだけで走ってきました。何度潰れてもおかしくなかった私がここまで来れたのは、その思いを汲み取り、応援してくださった方々のおかげです。今では経験も知識も増え、ありがたいことにたくさんの案件をいただきます。心から来る思いが私をここまで突き動かしてきましたし、これからも初心を忘れずにいたいです。そして私がチャレンジし続ける実践によって、人生を諦めている次の世代に「世の中捨てたものではない」と希望のメッセージになればと願っております。

記者 ありがとうございました。人生をつくる選択肢が自分にあると分かっている松岡さんだからこそ、お客様に必要な質問を投げかけることができるのですね。心だけで生きる一貫した姿勢が多くの若者への希望になると思いました。

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松岡さんの詳細情報はこちら↓↓

松岡将史 公認会計士・税理士事務所 – Matsuoka shoji certified public accountant

【編集後記】
今回、インタビューを担当した小水と相良です。
AIが来ている今、人間の尊厳性が問われています。松岡さんは、人間は自らの力で人生をつくれるのであり、その選択権は常に自分の中にある普遍の尊厳性を観ておられました。だからこそ常に自分との戦いに目を向けているのだと思います。相手になって質問することは人間の深い能力ですし、その質問すら超えていくのは、心からくる意志一つだと思います。一見物静かそうに見える松岡さん。けれどお話を聞いていくと、不可能を可能に変えていく強い意志に、こちらの胸が湧きたちました。
松岡さんの益々のご活躍を応援しています!

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