笑いで教育の新しい価値を創りたい! オシエルズ 野村真之介さん

お笑い芸人でありながら教育を変えたい!と熱く活動されている野村さんにお話しを伺いました。

野村真之介さんのプロフィール
出身地:鹿児島県
活動地域:都内
現在の職業及び活動:Performer/お笑い芸人「オシエルズ」
Improviser/インプロバイザー、「即興実験学校」所属
Teacher・Lecturer/インプロワークショップファシリテーター、中学校教諭I種免許状(英語)、高等学校教諭I種免許状(英語)
Association/「日本即興コメディ協会」副代表、即興(インプロ)コメディの普及活動
Community/「すみだコメディアンネットワーク」所属、地域イベントのボランティア出演
※インプロとは:即興という英単語「インプロビゼーション」の略。元々は俳優のためのコミュニケーショントレーニング方法として生まれた。コミュニケーションが必要な全ての人に有効とされ最近ではビジネスマン、教育者、学生対象のワークショップも盛んに行われている。

自分の考えを自分の言葉で言えるようになって、その考えを交換しあえるというのが教育のあるべき姿

Q1. 野村さん(以下、敬称略)はどのような夢やビジョンをお持ちですか?

野村:一番のテーマは「笑いで新しい価値を創りたい」です。今もまだ教育のイメージは上から「教えてやる」と注ぐような感じですが、そういう教育のあり方、イメージを笑いをツールとして使いながら変えたいです。自分の考えを自分の言葉で言えるようになって、その考えを交換しあえるというのが教育のあるべき姿だと思うのですが、今まで教育の場で行われてこなかったと思います。それよりはいかに正確に答えるか、ということを訓練させられてきたから、先生たちも自分の考えを自分の言葉で表現するということが意外と苦手なんです。大人も子供も関係なく、インプロや笑いを使って取り組みたいですね。

記者:教育を変えたい、ということですね。オシエルズのお二人とも共通のお考えですか?

野村:はい。僕はインプロを専門にしていて、相方は笑いと教育に関して教育畑でずっと研究をしていましたので、重なるところも多いです。

もっと全国規模にしていきたい

Q2. そのための計画や、基本活動はありますか?

野村:二人で事務所を立ち上げていまして、今お話したようなテーマで企業や学校でワークショップ形式の公演活動をしています。例えば学校では「いじめといじりの違い」をディスカッションしたりしました。子供たちがテレビで見る笑いの真似事をしたりしますが、その中には良くない笑いもあります。Aさんを笑いものにするときに、Aさんが笑われて喜んでいるのかどうかも考えないといけないよね、という話をさせてもらいました。そのほか自主公演活動もしています。年に二回、単独公演もずっとやっています。テーマは学校教育の矛盾を扱うことも多いですし、純粋に教育と関係のないお笑いもします。今は都内でやることが多いので、もっと全国規模にしていきたいです。こういうことをやりたいと思っているパフォーマーの人たちと教育関係の人たちとの橋渡しもしたいと思っています。
あとは僕は実際に中学校で週3日英語教師をしていて、相方も週1回大学で教えています。

記者:実際に先生なんですね。すごいですね。

一つの生き物のように会場全体が笑うこと

Q3. お客さんにウケる時とウケない時の違いは何ですか?

野村:ウケている時はレスポンスが笑い声としてすぐ返ってくるし、面白くなかったら笑い声がない、というシンプルさがあってそこが好きです。もともと何のために生きているんだろう、とか考えるタイプの人間だったんです。だから今も笑い声をもらうと「ここにいていいんだよ」と言われているような、生きている感じというか、このために生きているという感覚があってやめられません(笑)。ウケる時とウケない時の条件は芸人の考え方によって様々だと思いますが、僕が思うにお客さんの中の共通認識を射抜けているかどうかだと思っています。大きい笑いでも部分が笑っていたら良い笑いと言えないんです。どんなに小さい笑いでも全体が笑うのが大事で、そういう笑いは大きい笑いになっていくんです。一つの生き物のように会場全体が笑うことが良いと思っています。そういう笑いをつくるには会場の全員の求めている共通項を見つけて射貫くというのが大事なことです。
その能力を高めていくには舞台に立つことが一番分かりやすいと思いますが、やりっぱなしにするのではなくて、振り返って「どうしてあの言葉は響いて、この言葉は響かなかったんだろう」と自問する時間をもつことが感覚を鋭くしていくのかなと思います。

教育に結び付けて劇場の外に持っていけたらもっと色々な人とお笑いが共有できるようになるし、誰もそれはやっていないこと

Q4. そもそも夢を持つようになったきっかけは何ですか?

野村:お笑いに出会う前は先生になりたいと思っていました。それが、小学四年生の時にお笑いの好きな面白い先生がいて、文化祭で先生の台本でコントをしてみんなに笑ってもらえたんです。人に笑ってもらうことがこんなに楽しいものだと知って、中学二年生の頃にお笑い芸人になりたいと思いました。僕は小学校から大学まで学校が大好きだったのですが、それは多分お笑いがあって自分の居場所を自分でつくれたからだと思います。大学を卒業してからお笑いだけしていたのですが「狭いな」と感じるようになりました。劇場に来てくれる人だけではなくて、興味のある教育に結び付けて劇場の外に持っていけたらもっと色々な人とお笑いが共有できるようになるし、誰もそれはやっていないことだと思いました。25歳の頃に考え方の近い今の相方と出会って、二人で実践しながら「笑いで新しい価値をつくる」というビジョンに落とし込んでいった感じです。

記者:その中で気づいたことなどありますか?

野村:先ほども触れましたが、自分の思っていることを言語化することがあまりにも学校の中で行われていないことに気づきました。高校三年生になって進路を考える時に、みんな自分が何を好きなのかがわからなかったり、先生もどうサポートしていいかわからないんです。そこに問題意識を持ったので、自分の思いや感覚という主観的なものを言語化できるようにしたいと思いました。何かを学ぶ場所は楽しい場所のはずだと考えていて、そうでなかったら学校の意味も存在理由もないのではないかと思うんです。自分も暗記して学ぶ勉強はやればできましたが楽しくはなかったです。相手と比べるためだけの成績をつけて競争するためのものでしかなかったら、楽しくないと思うんです。自分はどうして学校が楽しかったんだろうと考えた時に、僕にはお笑いというものがあって、自分の考えを自分で表現することをやってきたからだと気づきました。それならそれを広げていって、自分だけの言葉をみんなにも獲得してもらいたい、それが一番楽しくて意味があることだと思えました。そうすることができたら学校はもっと楽しくなると思いました。

「自分が何を好きか、こだわりがあるか」とか考えられないのが若い人の無気力感につながっている

Q5. なぜ自分の考えを自分の言葉で表現できない人が多くなってしまっていると思いますか?

野村:個人的な考えですが、それは大学入試のせいではないかと思います。いかに早く多く問題を解くかということにしか主眼が置かれていないから、高3はそれだけをやりますし、高1・高2はその準備をしてしまいますよね。保護者も良い学校に入ってほしいと願うし、先生も制度の中でそこに価値を置いてしまうので「あなたが何を考え、何を好きか」なんて全く無視されてしまいます。「あなたは何も考えなくていい、早く多く問題を解けるようになればいい」という制度に問題があると思います。問題を解かせて、点数をつけて、偏差値ラベリングつけてというのが合理的で、学校卒業後も「偏差値60以上の人が集まる会社」というのが効率的であるのはわかりますが、みんなが一様に「自分が何を好きか、こだわりがあるか」とか考えられないのが若い人の無気力感につながっている気がします。教育で全くそれを問うてこないから「どうして私たちラベリングされてきたの?なんで生きているの?」と人生に意味をみつけられない。それを足元から変えたいですね。

記者: 夢が実現したらどういう社会が広がっていくと思いますか?

野村:自分のことを表現することはアートだと思うので、いわゆるアートがもっと日常化して身近になると思います。自分が何を考えているかを評価しあう社会・時代になると想像しています。どこに所属しているのかが大切なのではなくて自分の持っているものを表現しているかどうかが一番評価されるのではないかと思います。

記者:みんなが自分を自由に表現しあえる社会にしたいですね。インタビューは以上になります。野村さん、今日は本当にありがとうございました。

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【編集後記】
今回インタビューの記者を担当した見並、杉本です。
お笑いに取り組むなかで、自分の考えを自分の言葉で表現することの大切さを実感した野村さん。教育の中に欠けているのがこのことであり、それを変えたいのだと熱く語っていただきました。野村さんの夢が実現すると信じています!

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