引きこもりからフォトグラファーへ~自分にしか出せない世界観を~植村豪人さん

植村さんプロフィール

出身地:埼玉
活動地域:神奈川
活動内容:フォトグラファー、グッズ販売、クリエイタースクール講師
座右の銘:成るようにする

記者:どのような夢やビジョンをお持ちですか?

今の作品が写真でも絵でもない微妙なところを表現していて。
さらにその世界観を広げて行きたいと思っています。
デジタルアートの世界では、例えばハリウッド映画のポスターみたいに影がきっちりある立体感のある作品を求められていますが、私が創るのはパステルとか水彩画的なイメージです。
競合がそんなにいないニッチなところで、他と比べられない良さもありますが「それは写真じゃない」と言われることもあります。正解がないからしんどいと思う時もありますが、その世界観で喜んでもらえるからそこを広げていきたいですね。

記者:どんな目標や計画を立てていますか?

ずっと人を撮っていました。
カメラを始めたときに広告写真や芸能人を撮っている方に出会ったんですが、その方は年収3000万で。そこを最初に観てたから、自分もいけるのではないかと思っていました。
私の表現する世界は化粧品のパッケージなんかに合うんですね。なので、そこの売り込みをしようかと思っていたんです。「もっと上にいって誰々とコラボをしよう!」と目指していて、それが今年の5月でしたがコロナで完全自粛になって計画の変更が必要になりました。
そこで始めたのが『星光灯ノ猫』というオンラインショップでした。
スマホカバーのようなグッズを制作販売しているのですが今までやっていたのとは違う路線です。
レタッチができるので土台を変えずに、例えばいただいたペットの写真をこの世界観に閉じ込めますよって。
おかげさまでそちらが人気で忙しくしています。

記者:どのような活動指針を持っていらっしゃいますか?

基本は、お客様からの希望の構図で描きます。いただく写真の画像が粗かったり、背景と対象の境界線が見分けにくかったり苦労はありますが、ひーひーしながら身についてくるものがあります。
お客さんの希望と自分から出てくる表現のバランスが大事だと思っています。
忙しいと自分の中で枯渇してくるんですけど、今は忙しくても嫌にならないですね。追い詰められると踏ん張るタイプなのですが、根詰めすぎると倒れるからうまくやらないとなとは思いますが。
カメラマンの世界は嫉妬とか、「あんな写真しかとれないのに・・」とかすごくありますがそういう世界より創って喜ばれることを大事にしています。
友達の亡くなったおじいちゃんの写真をリタッチしたときにもすごい喜ばれたんですよね。モデルの方を撮った時も、その人が白昼夢で見たような構図の写真が撮れていたようで喜んでもらいました。

記者:ご自身の世界観を崩さずに、でも相手にも喜ばれるってすごいことですね。

つくっている途中に、ホワイトアウトって言うらしいんですけど、集中した人間が観える世界に行きつくんです。 
個人でやっていると、リアクションが直に来るのがいいですよね。
謙虚に、謙虚にと思いながら自制心を働かせてやってます。

記者:あと一歩何があったら最高の状態になれそうですか?

自分が思っていた以上のものができた時ですね。
好きな色と色を混ぜたら、こんな色が出るんだっていうように自分の感性にドハマリするときがあって。そうすると引き出しが増えるんです。
僕は専門学校を出たわけじゃないので、学校を出た人みんなにとって当たり前のことを知らないんです。学校へ行ってる人がやらないことをやる。だから、その発見があるとも言えますね。

記者:その夢、ビジョンを持たれたきっかけはなんですか?

引きこもりだった時に、母の仕事仲間が教えてくれたフォトショップという画像編集アプリに出会ったことでしょうか。絵や漫画やゲームがもともと好きだったんですが、パソコンも好きだったのでパソコンで絵が描けるってすごいと思いましたね。
ゲームもやっていて自分もつくりたいと思っていましたし。
そんなところ、2011年の震災がきっかけでカメラマンを始めたんです。写真を撮ると人が喜んでくれる。それが単純に嬉しくて。
引きこもりということにはどうしても劣等感があるんですよ。社会になじめない、生きてていいのかなと思う。日本て変な話、息を吸ってるだけで税金がかかりますよね。働いてる訳でもないので、ごくつぶしみたいに感じていました。
それで母親にもあたったりしていて、生きててなんなんだろうって思っていましたけど、それが数十年たった時に、お金ももらえるし人が喜ぶ状況になってます。

何かしら表現したいんでしょうね。もっと暗いはずのものが出るはずだけど、今キラキラがウケてますね。
もともと人の顔、大人の顔色を伺うところがあって、自己肯定が低いのもあるけれど、人に合わせられるという側面もあるんだと思います。絵と写真がつながって、絵でも写真でもない、それを相手に合わせていって出す。
それが確立していけたらありがたいですね。

記者:その夢、ビジョンを持たれたのには、どんな発見、出会いの背景がありますか?

絵を描くのが好きで、幼稚園の頃に絵を描いて先生に渡していたらしいんですけど、そうすると先生が喜ぶんですよね。「褒められてるぞ、俺は」と思ってました笑。
漫画家になりたいというのもありましたね。
うちの家系が割と高学歴で、父はプライドが高かったんです。九州の人間だったから、男は働いて女は家事を、が当たり前でした。父はやり手の営業だったから、全国で売り上げの低いところに行かされるんですよ。日本あちこち行くから、最後は過労死してしまいました。
僕自身は、小学校の時いじめられて中1あたりから学校へ行かなくなるんですよ。なので、学校生活してきた人とコミュニケーションで温度差があるんですね。「○○じゃん」とつっこまれてもどんなリアクションが正しいかわからない。
人にこう思われたらどうしようと思うと寝れなくなったりして、人よりだいぶ過敏だと思います。会社勤めもしましたけど、会社だと失敗したらダメとか、完璧主義になってしまって。自分のせいで人があやまったり、逆になったりするのがストレスで。今は全部自分にくるから楽ですね。

自分の中には、絶対やれるっていう自尊心と社会となじめなかった劣等感の両方があります。オタク系は自尊心もあって表現力もあるので、それが活かされて行ったら良いなと思います。

記者:引きこもりから反転して独立されていることは、多くの方にとってとても希望のあるお話だと思います。
今日は貴重なお話をありがとうございました。

編集後記
今回インタビューをさせていただいた善家、瀬戸です。
植村さんの表現する世界観がInstagramでも本当に人気で、いつかお伺いしたいと思っていたお話が聞けてとてもうれしかったです。
現代人の誰もが感じそうな心の内面も表現していただきありがとうございました。
これからもますますのご活躍、応援させていただきます。

植村さんの活動、連絡についてはこちらから↓↓

★フォトグラファーAKITO インスタグラム
https://www.instagram.com/aki.photographer
★オンラインショップ『星蜜灯ノ猫』インスタグラム
https://www.instagram.com/hoshimitsutounoneko/
★植村豪人の撮って楽しくカメラを知って、きれいにレタッチ教室
https://www.street-academy.com/steachers/214130

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