自分も相手も大切にする社会を創る 株式会社IRODORI取締役 江崎智代さん
自分の気持ちと相手に寄り添う気持ち、両方を大事にされている、コミュニケーションのプロ、江崎智代(えさき ちよ)さんにお話を伺いました。
江崎智代さんプロフィール
出身地:福岡県
活動地域:福岡県
経歴:シングルで子育て中。結婚していた時、配偶者の通帳を見たことがない。もちろんお金の話はグレーな状態でモヤモヤと過ごし、やっぱりお金がきっかけで離婚。それから、自分一人で家計を管理する中で管理財布を考えだし実践。メリハリの効いた家計体質に改善する。私と同じ失敗をしないように、夫婦の価値観を確認し夫婦円満に導くことを目的に活動している。
現在の職業及び活動:管理財布考案者、ファイナンシャルプランナー、株式会社IRODORI 取締役
座右の銘:「経験は財産」
人間関係を良くすることで生活満足度を高めたい
記者:江崎さんはどのような夢やビジョンをお持ちですか?
江崎:人間関係が良くなることで生活満足度が高まる社会を創りたいです。
そのような社会を創る上で、コミュニケーションが大事です。離職の理由も、収入が低いというよりは人間関係がうまくいっていないことの方が多いです。
ストレスの大半は人間関係ですので、人間関係がある程度うまくいっていれば、働きがいや、やりがいも比例して良くなりますし、働く人も元気になっていきます。
やりがいがある仕事であったとしても、人間関係がうまくいっていなければ、長続きしません。職場の人間関係も職場以外の人間関係も、どのくらいの満足度があるかが重要です。
働く人の中でも、私は特に男性サラリーマンを元気にしたいと思って株式会社IRODORIを立ち上げました。彼らは会社にいるときは役職があるのでよいのですが、定年退職した後の無力感や居場所の無さが深刻な問題となっています。
コミュニケーションの講座には、子供が巣立った後の夫との会話が想像できないので今の内に、と学びにくる女性もいらっしゃいます。子供がいるからこそ成り立っている夫婦の会話が、子供がいなくなったら成り立たなくなり、熟年離婚に至ることを心配しているのです。
環境のせいにせず、自分で居場所を創る
記者:「人間関係が良くなることで生活満足度が高まる社会を創る。」という夢を具現化するために、どんな目標や計画を立てていますか?
江崎:3年後にはボランティアのマッチングサイトをつくって、会社の福利厚生の一環として取り入れたいです。
仕事以外に自分の居場所ができることによって、仕事以外でも人生が充実するようになります。退職後にも生きがいや、やりがいを持てる環境をつくっていきたいです。
その前段階として、会社で社員研修を行い、職場の環境に対して諦めない人達を増やしていきたいです。「会社ってこんなもんだよね。」で考えが終わってしまうのは残念ですので、自ら行動しようとする人が増えてほしいです。
「部長が合わなかった。」「経営者が嫌い。」など、職場の環境を理由にして辞める人がまだまだ多い現状があります。自分ができることが何かあったのではないか考えるよりも「言ったところで何もできない。」と、諦めている人が多いのです。
他人のせいにしている内は思うようにはいきません。自分自身も環境をつくっている内の一人であることを自覚することが重要です。
自分も相手も大切にする
記者:江崎さんは現在どのような活動指針を持ってどのような活動をしていますか?
江崎:活動指針は「自分も相手も大切にする社会を創る。」ことです。
母親は自分の気持ちを犠牲にして子育てをしがちですし、自分の気持ちに触れる機会が無く、自分の気持ちを発信しない人も多いです。ですから「発信してもいいんだよ。」ということを伝えていっています。
自分の主張だけするのではなく、相手に寄り添うことで相手も大切にすると、関係性に歩み寄りが生まれます。そのような、対立しないコミュニケーションを行うことによって、豊かな社会になるでしょう。
具体的な活動としては、個人向けと法人向けの講習をしています。講習の内の1つとして「管理財布」があります。家計管理は「できた!」という達成感がありませんし、正解もありません。だからこそ、楽しく続けられる仕組みとして管理財布を考えました。
管理財布ができたきっかけは、保険の代理店をしていた時でした。お金の管理で簡単なやり方を考えていて、財布の中を分類して管理しているのを保険のお客さんに紹介したのです。簡単に説明すると、財布の中を食費の部分と雑費の部分に分け、余ったお金を瓶に貯めていくというものです。そのお客さんから「やってみたらとてもよかった!」というフィードバックをもらい、講座として始めるに至りました。
お金はコミュニケーションのきっかけでしかないので、管理財布の講座をきっかけに、価値観を尊重したコミュニケーションに気づいてもらうようにしています。
コミュニケーションの大事さに気づく
記者:そもそも「人間関係が良くなることで生活満足度が高まる社会を創る。」という夢・ビジョンを持ったきっかけは何ですか?そこには、どのような発見があったのですか?
江崎:離婚したことでコミュニケーションの大事さに気づいたことがきっかけでした。
元夫はお金の話をすると不機嫌になる人で「今を楽しもうよ!」というタイプ、一方の私は元夫が休職していたこともあり「いざという時にお金が必要。」と思うタイプでした。このように価値観が違ったことで苦労したのです。元夫の通帳を見たことすらなく、結局お金の話をできずに離婚してしまいました。ちょっとしたボタンの掛け違えであっても離婚までいってしまうのです。
「もう少し元夫とコミュニケーションが取れていれば。。。」という後悔が、離婚した後もずっとありました。いろいろな人と話す中で、私は自分の気持ちを人に伝えられていなかったし、相手に寄り添うこともできていなかったことに気づきました。
まさか自分が離婚するとは思ってもいなかったので、人生での大きな衝撃でした。しかし、離婚したことも含めて今の私がいますので、必要な経験だったと思い、人に伝えたくて今の夢・ビジョンを持つようになりました。
コミュニケーションは得意だと思っていたのに。。
記者:「コミュニケーションの大事さに気づく。」という発見の背景には、何があったのですか?
江崎:私は小さい頃から人と話をするのは好きでしたし、コミュニケーションも得意で悩んだことはありませんでした。
しかし、結婚して子育てを始めた時、初めてコミュニケーションに悩み、つまづいたのです。息子はノリだけで生きているようなタイプ、一方の私は何事も段取りよく進める理性タイプで、この2人が全然合わないわけです。
子供には自由に伸び伸びと育ってほしい一方、私も忙しい時間の中で思うように過ごしたいという狭間で苦労しました。子供とのコミュニケーションが全然うまくできないし、それに対して何をすればよいのかもわかりませんでした。
自分自身に対してがっかりし、コミュニケーションを学びに行ったことで救われたからこそ、人に対して伝えていきたいと思うようになりました。
記者:江崎さんにとってのコミュニケーションとは何でしょう?
江崎:コミュニケーションとは、道具の1つです。生きていく上ではお金よりも重要だと思っています。コミュニケーションさえうまくいけばストレスも和らぐはずです。
記者:コミュニケーションを得意だと思っていたところから、子育て・離婚をきっかけに本当のコミュニケーションの大事さを学びだされたのですね。離婚をきっかけに得た気づきをもとに「人間関係が良くなることで生活満足度が高まる社会を創る。」という、江崎さんの夢・ビジョンに繋がっていることが伺えました。
江崎さん、今日は本当にありがとうございました!
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編集後記
今回インタビューの記者を担当した吉田です。
「コミュニケーション」「人間関係」「お金」このキーワードがインタビュー中によく登場しました。ご自身が体験・経験して学んだことをもとに、働く人の人生全体を見据えて仕事に取り組んでらっしゃる姿勢が素晴らしいと思いました。
これからのAI時代に必要とされる人間力・人間関係力を持つ人たちを増やしていかれることでしょう。
今後の更なるご活躍を期待しています。