最年少看取り士、鈴木瑳恵さん
プロフィール 最年少看取り士経歴 人の死と出会うことがあった経験から、高校在学中に看取り士の資格を取り、最年少看取り士となる。現在の活動 イベント『かふぇみとりーと』を開催したり、看取りし養成講座のお手伝いなど。座右の銘 人にどう思われるかじゃなくて、自分がどう思うか。
Q夢やビジョンはなんですか?
鈴木 亡くなるときに、たった一人で亡くなる方がいない地球を創ることです。
日本だけじゃなくて、世界中の人にそういうふうになって欲しいです。
また、子どもたちがこの世に生まれてきて良かったと思える世界を創りたいです。
Qそのための目標計画を教えてください。
鈴木 まずは、自分自身を幸せにすること。
毎日の生活の中で、目の前にいる人を幸せにする、笑顔にすることです。
あとは、感謝の種を見つけていく。
記者 感謝の種ですか?
鈴木 例えば、この、記者さんの前にあるアートみたいなカフェラテ。もし、私のカフェラテはきれいではなくて崩れてた、ということがあったとしたら、「あの人のはきれいなのに、わたしのは変」というようにマイナスに思うのでなく、「この形もユニーク」って思うこと。つまり、不満ばかりでなく、良いことに目を向けていく、それが感謝の種です。
Qそれを日常的に心がけていらっしゃるのですか?
鈴木 はい、良いことに目を向けていくことは常に心がけています。
あとは自分自身が問題だと内観します。あの人のこと嫌いって思ったときに、なんでその人のこと嫌いに思ったんだろうというようにその原因を探るんです。相手は自分の内面を投影してくれる存在だから、どこが嫌いだと思う原因なのかを、ひとつひとつ観ていくことを毎日心がけています。いつもお母さんに言われていることだったのですが、最近やっとそれが出来るようになってきました。
記者 そうなんですね。
鈴木 不満に思うことがあったら、すぐに原因探しをやるんです。例えば、電車に乗っているときに、席が空いたところに先に誰かが座られてしまった。そうしたら「ショックだ。」「でも、あの人は疲れてる顔してるよね。」「私は元気だし、私って偉いじゃん」っていうように、一人二役で問答をするんです。心が楽になるし、自分も落ちついてきます。
それをやっていて、楽しくなりました。自分自身の評価だけど、心が寛大、寛容になったなって自分で感じています。かなり生きるのが楽しくなったんです。
Qたった一人で亡くなる方がいない地球を創ることや、子どもたちがこの世に生まれてきてよかったと思える世界を創りたいという、夢・ビジョンを持ったきっかけを教えてください。
鈴木 何個かあります。
まず、1つ目はニュースで、あまりにも孤独死が多いのをみて、これじゃいけないなって思いました。
2つ目は、今の若者たちは、心が病んでる子がすごく多くて、周りでも自殺がとても多いんです。なんで世の中には、こんなにも生きづらさがあるのかなって思います。これをなんとかしないといけないと思っています。
3つ目として、世の中を見ていると相手のせいにしていることが多いですよね。先程の電車の例でいうと、あいつ、なんで座ったんだ、俺のほうが疲れているのにって相手を責めちゃう。あいつが悪いから俺は悪くない、というように相手のせいにしている人がいっぱいいるように観えますが、そうじゃないんだよって思います。
4つ目ですが、死を持って私のお姉ちゃんが愛を教えてくれたことです。お姉ちゃんは私がまだ小学校低学年のときに病気で亡くなりました。ですが、私は生きてます。お姉ちゃんから教えてもらった愛を伝えていきたいし、振りまいていきたいです。
記者 お姉ちゃんが教えてくれた愛とはどのようなものでしたか?
鈴木 許すことです。お姉ちゃんは自己肯定感がとても高い人でした。二人で喧嘩したときも、「瑳恵はこう思うんだね、お姉ちゃんはこう思うんだよ。」と、私のことを受け入れると同時に自分の気持ちもしっかり言う人でした。自分をしっかり持っていました。それは、私が大人になって、振り返ってみたときに凄いことだったなと思います。お姉ちゃんは自分を持っていましたが、当時の自分には全くなかったことです。誰にどう思われるかじゃなくて、自分でどう思うかで行動してたところをとても尊敬しています。
私は、相手がどう思うかで行動してたんです。例えば、学校の授業では、先生が喜ぶから手を上げる。でも、そうじゃないんだと気がついたときに、それを伝えて生きたいと思いました。
伝えていきたいと考えて、その想いを広げていったときに、最初の「たった一人で亡くなる方がいない地球を創ることや、子どもたちがこの世に生まれてきてよかったと思える世界を創りたい」というイメージに広がっていきました。
記者 お姉さんの存在が大きいのですね。
鈴木 はい。お姉ちゃん大好きです。目標です。
お姉ちゃんを見本に生きたいです。
行動する前に、いつもお姉ちゃんに意見を聞いています。もちろん声は聞こえないけど、相談するんです。そうすると体と思考が動きます。
自分一人だけど、お姉ちゃんの意見も取り入れて生きて、生活しているんです。
よく考えるのですが、私が妹って意味があったんだって思います。お姉ちゃんの妹だった意味があったんです。
二人を生んでくれたお母さんにも感謝です。
記者 お姉さんへの想いを聞かせてくださってありがとうございます。最後に読者に向けてメッセージをお願いします。
鈴木 人生は一生、一度きりなので、自分自身が信じる道・思う道に進んで欲しいです。
自分自身の無限の可能性が秘めていることを信じて、人生を歩んだら良いと思います。
自分の道を突き進んで欲しいですし、私自身もそう思って生きてます!
編集後記
今回、担当しました坂中(左)です。若い頃に大好きな姉を亡くしたり、友達の自殺を乗り越えてきた瑳恵ちゃんだからこそ、様々な経験の中で導き出した人生論を持っているのを感じました。たった一人で亡くなる方がいない地球を創ることや、子どもたちがこの世に生まれてきてよかったと思える世界を創りたいというビジョンにとても共感します。一緒に頑張っていきたいと心から思えた時間になりました!鈴木瑳恵さん本当にありがとうございました!
鈴木瑳恵さんが手に持っている2020/9/13公開の映画『みとりし』の情報はこちらから
↓
http://is-field.com/mitori-movie/index.html
この記事は、リライズ・ニュースマガジン”美しい時代を創る人達”にも掲載されています。