「かっこいい生き方を」カーコンセントコスト代表取締役 矢野康二さん

輸入車の販売をしながらも「車を売っていない」という矢野康二さん。レッドオーシャンの中古車販売業界で、販売実績を上げているその背景には何があるのか、お話しを伺いました。

プロフィール
出身地 福岡県北九州市
活動地域 福岡県
経歴 
福岡大学経済学部卒業後、商社勤務
個人事業などを経て2009年に株式会社Car Concent Costを設立。
YouTube動画配信での集客など従来の中古車業界の慣習に囚われない斬新な手法で事業を展開している。
2019年、個人売買アプリ“オートレ”をリリース予定。
現在の活動および職業 株式会社カーコンセントコスト代表取締役

車の流通を変える

Q:どのような夢やビジョンをお持ちですか?

矢野 康二さん(以下、矢野 敬称略):日本では中古車の流通は何十年も変わっていない旧態依然としたものであり、私はこの車の流通を変えたいと思っています。

 今はネットが広がっていることもあり、車の内容についてはネットで見れば全てわかる時代です。私は何年も前からYouTubeをしており、5000人を超える登録をいただいています。車に関してお客様が何を不安と思っているのかがわかるので、動画でその要素を払しょくする話をします。その動画を見て、買うことを決めた上で来られる方が多いので、実車を見ないで買う方が実に6割を占めます。

 バーチャルな空間での売買が6割を超えるという弊社の事例から、車両は日本全国や世界中のユーザーのガレージに置いたままで、弊社の開発したアプリ上で仮想ショールームをつくり、掲載されている車両を売買できる個人間売買の流通へと変えていきたいです。

 輸入車、特に欧州車は交通手段よりは一つのステイタスであり、ライフスタイルを豊かにするものです。車業界はレッドオーシャンであり、ただ単に車を販売するつもりではこの業界ではやっていけません。ですから私は車を販売していません。来られるお客様とも車の話よりも、生き方や考え方の話をすることがほとんどです。輸入車を持たれる方の中には、自らの人生を考える意識の高い方が多く、このような方たちとお話しできることがさらに私自身の人生も豊かにしていってくれています。

IPOが一つの出口

Q:「車の流通を変える」を具現化するために、どのような目標や計画を立てていますか?

矢野:一つの出口として、IPOはあります。個人的にこだわりがあるわけではないですが、会社としてそこまでは持って行きたいと思っています。

未来を考える時間をとる

Q:目標や計画に対して、現在どのような活動指針をもって、どのような基本活動をしていますか?

矢野:日常では、お客様とのやり取りなど重要で緊急な対応に追われることが多いです。けれど未来をつくっていくことは、緊急ではないけれど重要なことです。ここに時間を使うことが大事ですが、仕事中や仕事後に取り組むことはとても難しいです。ですから、朝早起きして未来のことに向き合う時間をつくり、企画を練ったり、資料作成などをしています。夜の時間の使い方も、以前は休む時間だと思って、何となく見るわけでもないテレビをつけてボーっとしていました。それももう今はやらずに早めに寝て朝に備えます。

 そうすると言われて対応するのではなく、未来のために事前に考えたことを自分から日々実践していくので、日常が自然と未来をつくっていることに変わっていくと思います。

自信は経験から生まれる

Q:「車の流通を変える」という夢やビジョンを持ったきっかけは何ですか?そこにはどのような発見や出会いがあったのですか?

矢野:私は大した能力もないし、何者にもなれない自分だと思い、何をやってもうまくいくイメージができず、自信が持てませんでした。自信をつけるために色んなことをしたものです。

 事業を立ち上げてから、初めてフェラーリを自分の力で販売した時、自分もやればできるとわかったんです。普通の車屋には置いていないイタリアのスーパーカーをこんな自分が売れたという小さな成功がその後の大きな自信になりました。

 正直、かなりたくさんの失敗をしてきました。成功するには危機が必ずありますが、命がとられるわけではないし危機はずっと続きません。例え倒産して散ってしまってもそこで終わりでもありません。危機を突破するごとに、自分の自信になっていきました。それに気づいてからは、その間くよくよ悩むのは時間の無駄だと思うようになったんです。

 自信は経験からしか生まれないと思うので、小さな成功体験を積み重ねていくことが大切です。だからこそ周りと同じことをせず、チャンスがあれば冒険してみるのが人生をより豊かにすると、私は思います。

人間は何者にでもなれる

Q:「自信は経験から生まれる」の背景には何があったのですか?

矢野:父は事業をやっていましたが、3歳の時に倒産しました。そこから父はあらゆる事業を立ち上げようとしましたが、何をやってもうまくいきませんでした。それは最期の時まで突破することができなかったんです。そんな父を見て、家族は「何をやってもダメだ」という目線で父を見ていました。私は自然と安定した生活を求めるようになり、何の疑問もなく、会社に就職しました。けれど半年もすればすぐに自分には向かないことがわかりました。「何をやっているのか!?」とハッとしたのです。そこからは退職して、独立する方向へ動きました。

 私は何か自信をつけたくて、26歳の時に無理してベンツを買いました。そうすると出会いや付き合う人が変わり、自信がついたのです。成功するビジョンが欲しくて、アファメーションをして潜在意識を変えようとしたりもしました。

 独立してから最初の数年間はうまくいっていましたが、2013年にバングラデシュで数千万円を失いました。死にそうな思いでしたが、何とか乗り越えることができましたし、命まで失うわけではないということもわかりました。

 私がここまで来れたのは素晴らしい経営者たちとの出会いの影響が大きいです。彼らの考え方や生き方にはいつも刺激を受けます。仕事がうまくいってきた時も「いつまでそこに座っているつもりだ」と諭していただき、さらにやるしかないと奮起することができました。

 私は本当に壮大な夢も何も持っていませんでした。けれどたくさんのチャレンジと失敗を通して、何者にもなれない自分が、頑張れば何者にもなれるということに気づきました。それまでは色々なことを人のせいにしていましたが、自分次第だと人のせいにできなくなりました。だからこそ人と同じことはしたくないですし、何かを成し遂げていきたいです。

 誰しもが自分を脇役ではなく主役でありたいと思っていると思います。仕事で大変な思いをしながらでも、かっこいい車で帰ってきてガレージに車を止めて靴の音がカツカツと響く。その一つの絵が、私にとっては自分が頑張っている、かっこいい生き方なんです。

読者への一言メッセージ

矢野安定よりも冒険を選んだほうが人生は楽しいと思います。この日本ではまず飢え死にはしません。1回きりの人生です。今日の食べることを気にした人生に留まるのはもったいないと思います。人は最期に「これをやっておけばよかった」と、やらなかったことを後悔するそうです。一歩踏み出して冒険の人生の選択をしていって欲しいと思います。

記者:何者にもなれない自分からチャレンジと失敗を通して成功体験を蓄積して自信をつけ、夢を広げていっている矢野さんの姿は多くの人達の希望になるとおもいました。本日は貴重なお話をありがとうございます。

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矢野さんの詳細情報はこちら↓↓

【編集後記】
今回インタビューを担当した小水と不知です。
今の時代は憧れのライフスタイル自体が大きく変化しており、一体どんなライフスタイルがかっこいいのか、多くの人達が模索しています。ただ車を販売するのではなく、車を通してかっこいい生き方を追求される矢野さんの姿勢は、まさしく時代のニーズを反映しており、多くの人達の共感を呼ぶものだと思いました。矢野さんの一度きりの人生を冒険しようというチャレンジから、次の時代のかっこいいライフスタイルのモデルが生まれるかもしれません。
今後の益々のご活躍を応援しています!

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