分かち合う心で日本文化を世界へ発信。金箔エステ&着物MC モリサナエさん

お着物が印象的なモリサナエさん。日本文化の発信者として精力的な活動をされている背景に何があるのかを伺ってきました!

●プロフィール
sa~na.mori代表
金箔エステ協会認定校一級認定講師
着物MC
敏感肌トラブルで悩まされていた頃、知人を介して金箔エステとの運命的な出会いに恵まれ、肌状態が劇的に改善したこと、また周囲からの強い要望もありエスティシャンへ転身。現在は育成講師も務める。また着物MCやイベンターとして日本文化を発信している。

日本の良さを世界に伝えたい


記者 エスティシャンや着物MCなど多岐に渡ってご活躍されていますが、今、お持ちの夢やビジョンはなんでしょうか?

モリサナエさん(以下モリ、敬称略) もともと「多くの人と何でも分かち合いたい」という想いが強くあります。そのなかでも今は、「日本文化」を世界に広め、分かち合っていきたいと考えています。具体的なイメージとしては、ニューヨークのアッパー層が、日本文化を趣味として楽しめて、生活に取り入れられるようなサポートをすること。これが今の私の夢です。日本には着物やお茶、日本料理や和の空間演出など素晴らしい文化があります。この文化をお伝えする教室をニューヨークの彼らの一室で開催したいなと。そうなると私はニューヨーカーになりますね(笑)

日本人からすると、日本文化は当たり前です。だからこそ関心を持てない、知らない、良さを実感していないという日本人は多いと感じています。逆に海外の方は、日本文化をリスペクトし大事にしてくださる方が多いですし、日本文化に触れたいという要望も良く耳にします。金箔エステのお仕事でもメイドインジャパンは本当に世界に愛されていると感じます。安心、安定の品質として信頼が高いのですよね。その信頼の気持ちに、より一層応えることができたら嬉しいです。

もともとアテンドやお世話が好きな性分なんです。スポンジ体質なところがあって、相手が求めていることを感じ取り、‟そのような私”になる瞬間があります。無意識で知らぬ間になってしまうので、ときに疲れることもありますけどね。

エスティシャンとしては、クライアントさんの喜ぶ姿にやりがいを感じます。目の前で喜ぶ姿を目の当たりにできるので嬉しさ倍増です。司会業は、大きなイベントほどお客様との距離があるため、喜ぶ姿がダイレクトに伝わってこないのが残念です。もっと感じられたらいいなと思っています(笑)

記者 日本文化をニューヨークのアッパーを層に教えるという夢は素敵ですね!その夢を実現するための目標や計画はお持ちですか?

出会いを大切にし、みえない下準備を積み重ねる

モリ 何にでも言えることですが、教室を開いて教える立場であれば、「プロとしての下準備」は欠かせません。ですが、ここ2~3年を省みると、若干その準備が疎かになっていたように思います。もちろん着付やお料理など、これまでもある程度はやってきましたし、野菜ソムリエの資格は15年前に先駆けて取りました。ですが、それらを活かしきっているか?と問われると、まだまだです。お料理の盛り付けやテーブルコーディネートなども、もっと幅広く全体的に深めていかなければなりません。ですから改めてベース作りを見直そうと模索中です。

司会のお仕事を通しても、いろんな出会いを頂いています。なぜだか司会をやりたがらない方が多いのですが、私は司会業に抵抗がありません。ですから、ほかの方が遠慮される分、思わぬところでお仕事を頂くことがあります。そのご縁も活かして、さらに準備をすすめたいですね。もともと人が大好きなので誰とでもすぐに話してしまうところがあります。そんなところが功を成しているのかもしれません。

記者 プロ意識の高さをとても感じますね。ところで下準備を整えるために日々実践していることや大切にしていることはありますか?

モリ その「プロ意識」をとても大切にしています。私自身、ここ数年欠けていた部分が実はそこです。相手に迷惑をかけた・かけないは論外で、「迷惑をかけないこと」はゼロ状態です。それよりは、自分自身が「納得してできたのか」ということが重要です。迷惑をかけないことは、対価を頂いている以上、当たり前です。迷惑をかけないゼロの上で、さらにクライアントがもっと喜ぶ仕事をすることがプラスになってあらわれます。ただ、ここ数年はその意識が弱かったという自覚があります。その意識がクライアントに伝わっていたかはわかりません。ですが自分の中では「もうちょっと準備すればよかった」、「失敗したな…」と感じることも何度かあったことは事実です。

だから今、心がけていることは「自分が関わることすべてにしっかりと下準備をしたい」ということです。お料理でもなんでもいいんですけど、あるもので済ましたり、行き当たりばったりな振る舞いは、人との関わりの中では、ほぼないと自負しています。もちろん、1人のときはありますけどね。今日も着物で参りましたが、皆さんに「春らしいな」と感じてもらいたくて準備した装いです。日本文化を売りにするならば、見えない部分も含めてしっかり準備したいと思っております。

記者 そこまでするのはなぜなんでしょう?

モリ 何か思うようにいかなかったり、上手くいかなかったときに、「自分のせいじゃないか?」と思ってしまうところがあります。導線が乱れたときに、「私がちゃんと準備をしていなかったから、そうなったんじゃないか」と思ってしまう。それはおそらく、育った環境や子ども時代の経験が影響していると思います。私一人でなんでも解決しなければならなかったので、このような感覚が育ったのだと思います。

今のお仕事も同僚がいません。ですから全てをひとりでやるしかなく、相談相手がいないのです。仕事内容も専門的なので、同じ仕事の経験や知識がある方でないと理解が難しいので尚更です。それだけでなく、金箔エステの協会や生徒さんを持っているので、大きなお金が動くこともあり、とても責任を感じます。良いことも自分ひとりですが、悪いことも自分ひとりですから、いずれにしても分かち合うのが難しい。ですから、何かと心配になるのかもしれません。何にせよ「一生懸命に取り組む」ことを大切にしています。

ところで「死ぬまでにしたいこと」を考えたことはありますか?私が考えた答えは「大学に行きたかった」ことでした。家庭の事情で大学に行けなかったことを、ずっとどこかで悔やんでいたんです。そこで一昨年前に放送大学の教養学部に入学し、現在は学位を取ろうと学業に励んでいます。やってみると面白くて。学部には様々な講座がありますが、私は‟人間と文化”を主に学び、日本文化や日本史も学んでいます。その中でも博物館概論が面白いですね。もともと好きなことに対して深く掘り下げたい性質のようです。着物も好きになって1年で検定を取りましたしね。この学業も下準備の一環になると思います。

女性らしさの追求の先にあったもの


記者 金箔エステや着物MCをする傍らで、日本文化を世界に伝え、分かち合いたいという夢に至るきっかけが何かあったのでしょうか?実際のお仕事とモリさんの夢があまりつながっていないようなのでお聞きしたいです。

モリ 数年前までは、日本文化には取り立てて興味や関心はありませんでした。そんな私が日本文化に目覚めたきっかけは、「女性らしさ」の追求からでした。

若いころは男勝りの性格で愛想笑いもお世辞も苦手。挙動も女性らしさとは程遠くて(笑)そんな自分を顧みたときに、「女性らしさってなんだろう?」と考えることがありました。そこでピンときたのが「着物」です。そこから着付を習い、着物を生活に取り入れるようになってからは自然としぐさや立ち振る舞いが変わりました。そして、どこへ行っても覚えて頂いたり、またお声かけやお誘いを頂くようになり…と良いことづくしです。

お酒も得意ではなかったのですが、今では日本酒党です。日本料理が繊細なように、日本酒もそう感じます。日本酒の勉強もして、今ではイベントまで開くようになりました。杜氏さんが24時間ついていることにも、とても感動しています。また金箔エステでも、金沢の純度の高い金箔を使っていたり…と、突き詰めると結局、日本のものが好きなんだなというところに辿り着きました。

教えることに関して言えば、以前習っていたハワイアンキルトを通して「教えるのが好き」だと自覚しました。ハワイアンキルトの第1人者のお弟子さんが福岡にいらして、その方と一緒に小学校に教えに行ったのですが、それが凄く楽しくて。金箔エステも協会の講師ですが教えるのは楽しいです。

そこで大切にしていることは、「いかにその人の感覚で、その人にわかるように組み立てるのか」ということ。その道のプロだからといって、教えることが上手とは限りません。むしろ実力や知識はそこそこでも、相手の立場になって、相手にわかりやすく伝えられるのが上手な先生だと思います。スポンジ体質で、相手が求めている人になれる私には向いているのでしょうね。ご先祖様のルーツをたどっても、教師など人に何かを教えるものになっていたようです。脱線しますが、思えば司会のお仕事も、本当は自分が表にでるよりは、ナレーションなどの「声のお仕事」がしたかったんです。声を通して‟何かになりきる”ことがやりたかったんだなと気づきました。

人は認められたい、人の役に立ちたい生き物


記者 好きなものに気付いて、それを分かち合いたいと思っているモリさんですが、そう思った背景に何があるのでしょうか?

モリ 実は、私自身が‟してほしかったこと”なんだと思います。ずっと一人ぼっちでしたから。家庭の事情で、小学校4年生から2年半、母と離れ、1人で祖母の家に預けられていました。その後、母と12歳下の妹と暮らしましたが、母は放任主義でクリスマスも誕生日も一度もありません。家族でどこかへ出かけたこともありませんし、運動会にも一度も来てもらっていません。妹も同様で、今では2人で「私たちってよくぐれなかったね」とたまに話します。この生い立ちに凄いトラウマがあるのです。寂しかった上に貧乏でしたから、大学へ行けなかったことも相当悔しい思いをしました。大人になって選んだ人生は自分の責任です。ですが子どもは親についていくしかありませんからね。

人は誰もが「認められたい」生き物だと思います。でも、認められたい人に対して、世の中は馬鹿にする傾向がありますが、本心は誰もが認められたいはずです。私も人に何かをしてあげることで喜ばれたいし、本当は私自身がしてほしい。私がしてほしかったことをしてもらえなかったから、誰かがしてほしいことを私がしているのだと思います。それによって喜んでもらえたら嬉しいですし、自分がその人の役に立っていると感じることができます。

記者 そうすることで「やってもらえるのが当たり前」だと思われることはありませんか?

モリ はい。でも、そういう時は一喝しますよ、誰に対してでも。それは厳しいとか、意地悪なことでもありません。ですから、「普通はそうじゃないよ。いつもこういう風にできないこともあるよ。」と伝えます。そうしなければ私もきついし、その人のためにもなりません。その人だけの私ではありませんし、皆のための私ですから、独り占めはさせません。

記者 なるほど。そのようにはっきりと言うことはなかなか日本人にはありませんね。とても勇気を感じます!以前から、そのように言えたのですか?

モリ いえ、そうではありませんでした。若い頃は人見知りが半端なく、笑わない性分でしたので。ですが30代後半くらいから、周りの方のお陰で少しずつ変わりました。大人になってできた親友の影響ですが、とても感謝しています。いつも笑顔で元気な人と一緒にいたので、自然と影響されて似てきたのですね。スポンジ型だからこそ、環境やお付き合いする方は本当に大事です。

記者 最後に読者にメッセージを一言お願いします

日本には多くの素晴らしい文化があります。私たち日本人がその良さを感じ取り、ともに活かしていけたら嬉しいです。女性の方は特に、ぜひお着物を取り入れてください。間違いなくモテますよ(笑)

【編集後記】

インタビューを担当した池末、岡山です。
幼いころからの涙をバネに懸命に生き、好きなものを探求し、分かち合いたいという想いに、とても愛と勇気を感じました。素直さがとても魅力的で、今後、日本国内外にファンが増えるでしょうし、私たちもファンになりました。これからも益々のご活躍を応援します!

モリサナエさんの情報はこちら
https://peraichi.com/landing_pages/view/kinpaku

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