組織デザインの力で“明日も行きたくなるチーム”を増やしたい。株式会社ブレスカンパニー代表取締役“坂東孝浩”さん

「ティール組織」や「ホラクラシー」など最先端の組織を研究するラボ「手放す経営ラボラトリー」を運営。さまざまな企業の組織デザインを手がける株式会社ブレスカンパニー代表取締役の坂東孝浩さんにお話を伺いました。

坂東孝浩さんプロフィール
出身地:神奈川県横浜市
活動地域:全国
経歴:
早稲田大学卒業後、社員15名のベンチャー企業に入社。転勤で住むことになった福岡に惚れ込み、移住を決断。「仕事はどこでもできる。誰と働くか、どこに住むかを、大切にしたい。」と考え、日本各地の素敵な企業と仕事をしている。発信することが好きで、コラムは通算500回を超え、Podcastでは「坂東孝浩のズキュン♪チームビルディング」「坂東孝浩のポイっと手放す経営ラボ」の2つの番組で計200回を配信。得意技は、人や企業の魅力を見つけ出すこと。わかりやすく整理すること。仕事では得意を活かして、企業の魅力を活かした組織デザインを行なっている。趣味は茶道と畑仕事。
現在の職業および活動:株式会社ブレスカンパニー代表取締役。「手放す経営ラボラトリー」で未来の組織のカタチの研究。CHRO(Chief Human Resource Officer:最高人事責任者)として、企業の組織・人材戦略のデザインを手がける。
座右の銘:いまここ

Q:坂東さんは、どのようなビジョンをお持ちですか?

坂東:経営者は人材で永遠に悩むと言われています。とくに「いい人材の採用ができない」「育たない」「定着せず辞めてしまう」の3点です。
人事課題の解決のために、これまでは採用の手法を工夫したり、採用ブランドサイトや動画をつくったり、社員教育を手がけてきたりしました。

しかし、そうした手法だけでは、人事課題を解決できないケースが増えてきていると感じています。もっと根本的に、組織のカタチそのものを新しくデザインし直すことによって、本質的な問題解決をしていく。経営者のストレスが減り、社員が「この会社で明日も仕事がしたい」と思え、豊かに成長していく企業が増えていく支援をする。それが私がしたいことです。

Q:「組織を新しくデザインする」とは、具体的にはどんなことですか?

坂東:新しいカタチの組織を研究する「手放す経営ラボラトリー」を運営しています。「ティール組織」や「ホラクラシー」などのコトバを耳にすることはありますか?「上司がいない」とか「事業計画がない」など、いままでの常識では考えられないようなカタチの組織が少しづつ登場しています。それらの企業は、例えば売上目標がないのに、すごい急成長を遂げたりしている。私たちは、そうした次世代型組織の研究をし、webマガジンで情報発信をしています。また、次世代型組織に変化していきたいという企業の組織デザインに関わらせていただいています。10年後には、企業の10社に3社は、次世代型組織になっているだろうと、私たちは予想しているんです。

新しいカタチの組織が登場しているのには、理由があります。そのひとつは、経営者の「常識」と現実とのギャップです。
経営者はみな会社を成長させたいと考えています。それは当然なことだしいいと思いますが、同時に「社員は多いほどいい。社員を増やして会社を大きく成長させたい」という固定観念があるのです。
組織といえば、ピラミッド型を想像しますよね?ピラミッドのすそ野、つまり若い人をたくさん採用して、育てて、会社を大きくしていくという発想です。昔はそれで良かったんです。人口が増えていた頃は。

しかし今は少子高齢化の時代です。日本の年齢別の人口推移を見ると一目瞭然ですが、若い人が減っているので「つぼ型」です。平均年齢は46歳。人口も減っています。
会社は、若い社員を増やして大きくしていきたい。しかし肝心の若者の数はどんどん減っている。企業の想いと現実とのギャップが起きているのです。だから年々人材獲得競争は激しさを増し、若者にとっては選択肢が増えていますから、辞めても困らない。「採れない」「定着しない」という課題が大きくなっているのです。

もし、人を増やして会社の規模を大きくしていきたいなら、フィリピンに行けばいいかもしれません。フィリピンの人口は約1億人ですが、年齢別の構成は日本と全く違ってきれいな「ピラミッド型」を描いています。平均年齢は23歳!子供がどんどん生まれていて、若い人は余っている。これから人口も増えていくことが確定している。このような国であれば、人を増やして会社を伸ばしていくことはやりやすいでしょう。

国の事情に合わせて、組織のつくり方もアップデートする必要があると思うので日本がダメだ、ということを言いたいわけではありません。少子高齢化という課題は、世界でも最先端です。
先進国は20年後には、どんどん少子高齢化になっていきます。もし、少子高齢化の国でも成り立つ組織づくりができれば、そのやり方はいずれ世界中で必要とされるようになるはずです。私は、大チャンスだと考えています。


Q.農業をするつもりだったと聞いたんですが・・・なぜ今の仕事に就かれたのですか?

坂東:学生時代は、将来は農業をしたいと思っていました。ただ、農業も「経営」だし、経営や会社組織について学びたいと思い、ならば経営者の顔が見える小さい企業がいい!と考えて、当時社員15名のベンチャー企業に就職しました。
仕事内容は、経営者に対する新卒採用のコンサルティング営業でした。
採用や人事は、経営者は大事だと思っていても、現場の社員にとっては面倒くさいし、優先順位が低い。だから採用活動がスタートしてしばらくは、社員から疎まれる立場です(笑)。
最初は説明会や面接をしぶしぶやってもらうのですが、採用活動って、楽しいんですよね。少しづつ社員の方たちの表情や態度に変化が出てきます。そうして、自分が選んだ人が入社してくれたりすると、すごく嬉しい!採用活動が終わる頃には、満足度も高まるし、仲良くなれます(笑)
オセロの白黒がひっくり返るように、「やるね〜おかげでいい人を採用できたよ」などの評価に変わります。その快感や達成感が、人のためにもなっていると思える瞬間です。

仕事をしていくうちに経営者という“人種”に興味がわいて、好きになっていきました。社長って、「お金をたくさん稼いでいて、凄い人。いつもハツラツとしていて人生充実してそう」などと思われがちですが・・・実は人に見せないところでいつも悩んでいたり、ストレスを抱えていたりするんですよね。
これまで数千人の経営者と出会ってきましたが、本気で社員の事を考え、良い会社にしたい、より良いサービスを提供したい、という方がいます。そうした志ある経営者に組織というテーマで関わり、ビジョンが達成できるサポートをしたいといつも考えています。




Q:やりがいを感じるポイントやきっかけはどんなところですか?


坂東:関わっていく中で、社長にも社員の方にも、パッと輝くスイッチが入る瞬間があります。
経営者の中には自分の会社に対しても、自分自身についても自信を失っている方もいます。たとえば2代目、3代目の経営者だと、自分が創った事業ではないために、会社の魅力や価値を実感できていないというケースもあります。

私の得意技(笑)は、人や企業の魅力を見つけ出すことです。ヒアリングをしていくうちに、経営者自身も気づいていない魅力や価値を発見する。すると「うちの会社、そんな魅力があったんだ!」と社長にスイッチが入る瞬間があります。
組織デザインとは、会社の魅力や価値を活かしたチームづくりのことです。そうすると、社員の方にスイッチが入ったり、「この会社で良かった。明日も来たい!」と感じる人が増えてきたりするのを目の当たりにできる事が、とても楽しいです。

記者:インタビューはここまでとなります。組織を変えるという事は、簡単ではない難しいチャレンジですが、未来の可能性と必要性を感じ、楽しんで取り組まれている姿に感銘を受けました。本日はありがとうございました!

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≪坂東さんの詳細情報について≫

↓↓↓
■手放す経営ラボラトリー
https://tebanasu-lab.com/

■株式会社ブレスカンパニー
https://www.breathcompany.co.jp/

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【編集後記】
インタビューの記者を担当した、波多江&荒牧です。
今まで、何千社もの企業コンサルをされてこられた経験や、知りたい事は追求されていくその姿勢が、企業に対しても自分自身に対しても、観点に固定せずに自由に選択し、新しい発想から変化を作っていける理由ではないかと思いました。
その坂東さんの姿勢に共感し、希望を感じた若者が集まってきていること自体が、未来の組織体制であように感じました。
今後の坂東さんのご活躍を心より応援しています。

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