「今日、楽しかったね。」を味合う場づくり  プロBBQ屋 中村圭一さん

「仕事はなんですか?」と聞かれたら「BBQです。」と答える中村圭一さん。全国を探しても同じ職業をしている人はいないと言っても過言ではない中村さんに今までと今からのお話を伺いました!

プロフィール
出身地:
福岡
活動地域:地球内
経歴:福岡出身。(住民票的に)福岡在住。 依頼を受けて国内外を焼き巡る出張BBQ屋さん
現在の職業および活動:焼師

「いつも全力で焼いています」


Q.どのような夢やビジョンをお持ちですか?

中村圭一さん(以下、中村) 福岡にBBQ場がもっと増えたらいいなと思いますし、BBQの教育をやりたいです。火の起こし方とか、肉の焼き方とか。普段しないことでもあるので、どうするのかわからないことも多いと思いますし、でもどこに聞いたらいいのかもわからないのが現状だと思います。だからBBQを楽しむのはいいけど、後片付けとかもよくわからず、そのまま放置してしまう人も実際にいます。それでゴミが増えて汚れるから公共の場である公園とか浜辺ではBBQ禁止にせざるを得ない。でもみんながしっかり、火の起こし方とか、後片付けとかできて、楽しむことができたら、BBQは本当に良いコミュニケーションツールにもなると思っています。

BBQの場で人と人とが繋がっていく場面も多く見てきましたし、この場がなかったら絶対出会わないような人同士も出会っています。BBQをして、みんなの楽しそうな顔を見るのが僕はとても嬉しいので、その場作りをしていきたいですね。あとは自分のBBQ場も持てたらなと思います。先ほどの教育の話にも繋がりますが、もし自分のBBQ場が持てたらそこでワークショップなどもしてみたいですね。

Q.それを具現化するために、どんな目標や計画を立てていますか?

中村 まだ構想中ではありますが、可能なら今年には実際にBBQのワークショップはしたいですね。あとはBBQフェスもしてみたいです。BBQフェスのイメージはお肉を持ってきたら、お肉が焼けるようにBBQグリルがたくさん置いてあったり、マルシェのようにその中で野菜や肉などの食材も買えるような感じで、食材を作っている生産者さんんとお客さんとの出会いの場にもなるようなフェスです。そんなことは考えてはいるので、タイミングと準備なども考えていきたいですね。

Q.その目標や計画に対して、現在どのような活動指針を持って、どのような活動をしていますか?

中村 基本的にお客様に呼んでいただき、BBQをしています。その食材の調達から焼いて、後片付けまでは全部僕がしています。活動する中では、どんな会になるのか想像しながら、僕自身もワクワクして楽しみながら参加していますね。焼いている時も「美味しくなれー!」と思いながら焼いていますし、毎回 全力勝負で期待以上の満足できるお肉を提供できるように、手は絶対に抜かないようにしています。
日本は特にBBQをそこまでしないから、BBQのイメージが「熱い、煙い、汚れる、準備と片付けが大変、虫が出る、焦げてる、食材余る、焼肉のたれで味が大体一緒、美味しくない」とマイナスイメージを持っている人も多いかと思います。そのマイナスイメージを超えるBBQをして、プラスにする「今日楽しかったね」という楽しみを味合うために、僕の役割があるのかなと思っています。


Q.そもそも、その夢やビジョンを持ったきっかけは何ですか?そこには、どのような発見や出会いがあったのですか?

中村 最初は医療業界での働いていましたが、転職し東京で出張BBQの事業をしている会社でBBQインストラクターはしていました。そこでは全てが目から鱗で、今までやってきたBBQは、火を起こすのに時間がかかっていたり、焼き方が上手くいかなかったのが、こうすれば早くできるのか!と気づきがたくさんありました。
でも東京の会社では方針が変わり、出張BBQ事業が終わったのをきっかけに福岡に戻りました。ある日、糸島の海に行った時に、まだ焼きかけの肉をおいてあるBBQグリルや椅子とか机がそのまま置かれて人だけがいないという景色を見かけ、とても悲しくなったんですね。でもその状況はBBQシーズンがくれば日常茶飯事なんです。

なんでゴミや後片付けをしないんだろう?と考えた時に、個人の見解でもありますが、そもそもBBQのやり方って知らないなと思ったんですね。僕自身も習ったことはなかったし、BBQのインストラクターをやったことがあるから知っているので、日常では知る機会はありません。だから、やり方さえ知れば簡単に後片付けもできるのに、知らないから放置していまう現状を見た時になんとかできないかなと思ったのがきっかけです。

Q.そのなんとかしたいと思う背景には、何があったのですか?

中村 そもそも僕自身、昔はかなり人目を気にして行動するタイプでした。親の言うことは聞くようにしていましたし、一家離散の危機もあったので目の前の人が離れていくのが怖かったんですね。だから目の前の人が離れていかないように、人目を気にして自分に言い訳をしてチャレンジをしないことがたくさんありました。
でも、前職の医療関連の会社を辞めた後、時間もあったので、フィリピン留学に行った時に「なんだこんなもんか」と思いました。英語が嫌いで海外に行くのもハードルが高いと思っていたのですが、やってみたら簡単にできてしまった。結局自分でハードルを作っていたことに気がつき、そこからやりたいことはやってみようと思うようになりましたね。

実は高校一年から10年間、拒食症は発症していたのもあり、食べることは生きることだと感じ、そこから食に関して知ること全てが、楽しくて仕方なかったんですね。もともと食に関わりたかったので、東京のBBQインストラクターもやってみたのがあり、福岡に戻った時にもBBQをやりたいと思うようになりました。
そこからたくさんのお客様との出会いがあり、ありがたいことに常連さんもできました。いつもお客様ともお肉の焼き方など伝えてはあるので、あるお客様に「もう僕がいなくても焼けるんじゃないですか?」と聞いたら、そのお客様は「圭ちゃんに教えてもらってはいるけど、実際やるのは準備が大変だし、子供とは一緒に遊べないし、子供が親に寄ってくると火傷が気になってしまう。でも、圭ちゃんが焼いてくれているから子供とも全力で遊べるし、嫁ものんびりできているんだよ。」と聞いた時に初めて、自分の社会での、地球上でのポジションを得たように感じたんですね。だから僕は、BBQという武器を磨くしかないかなと思ったのがあります。

記者 話している中でBBQというのを道具にしながら、人との繋がりを心から大事にしているからこそ、美味しいお肉が焼けて、参加する人たちも楽しい時間が過ごせているのかと感じました。本日は貴重なお話、ありがとうございます!

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【編集後記】
今回、インタビューを担当させていただいた、清水、三浦、山口です。

お話しする中で、繊細な心配りがあるのをとても感じました。過去の生い立ちから今までを語ってもらい、ここには書ききれていない思いもたくさんありました。中村さんが焼くBBQにはぜひ足を運んでみてください!
今後の活動も応援しています!

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