「やるべきことをやる!そしてそれは人の為にもなること」書家 渓雪さん

「書」は売れない、という常識を覆し、さまざまな作品を創り、世界各国でも個展を開いている引く手数多の人気書家です。
作家活動に留まらず、書道教室を開き、誰でも書けるようになる再現性の高いロジカルな教え方を実践。文字に対する解析は、これが書道かと驚くばかりです。さらには、言霊セッションを行い、相手に必要な言葉を自然と引き出してくれます。
多くの人たちが、癒され、自分を律する場となっているアトリエ遊我。
そんな書家、渓雪さんの人生を伺いました。

プロフィール
出身地:熊本県
活動地域:福岡を中心に、全国各地、世界各国
経歴:3歳から書道を始める。書道の専門学校を首席で卒業。家庭教師、会社勤務、母親業などさまざまなことに取り組む。創作活動をはじめ、2013年にはニューヨークのギャラリーで個展を行う。以降、ロンドン、フランス、イタリア、スイス、上海、ミュンヘンなど、各地で個展開催、賞を受賞する。
座右の銘:日々楽しく

「自分のやるべきこと、やっていることが楽しくあること」

Q:どんな心の在り方や認識の変化が今の活動につながっていますか?

渓雪  活躍しているかはわからないけど。自分のやっていることが楽しくあることが基本。字を書くことは好きでした。教えることも嫌いではありませんでした。

今の活動のきっかけは、自分のやっていることが誰かのためになるということを認識させられたこと。人に言われてそうなのかと認識して方向性が決まったんですね。何でもアドバイスを全て鵜呑みにするわけではないですけど、背中をポンと押してもらいました。

そして、押してもらって”やるぞ!”となってからは、当然何もしないと始まらない。どうすればできるのか、方法論をものすごく考えました。

この作品を人に届けるためにはどうすればいいのか、何をしなくてはならないのかななど。考えたことを実践していきました。

もう一つ大きかったことは、パートナーがいたことです。人間一人では生きていけない。お互いが違う意見をもっているのは当然です。その中で、それぞれの意見をすり合わせていくことができたんですね。だから20年近く続けてこれたんだと思います。

「自分にできることを追い求めていく」

Q:AIが活躍する時代に必要とされるニーズはなんですか?

渓雪  人間ってたぶん必要とされないと生きていけないと思うんです。AIがいることによって必要とされる自分がどこにもいないと思ってしまう。だからAIにはできないことで自分だけができることを追い求めるしかないのでは、と思います。AIだってこれからもっと人間よりも高度な思考を持つものができるかもしれない。でも考えてみれば実は人間も電気で動いているわけです。いうなれば、私たち人間は高度なAIともいえます。そう見るとAIも人間もあまり変わらない。

大切なことはAIと比べるのではなく、オンリーワンであること。例えば主婦業はオンリーワンではないけど、自分の子供にとってはオンリーワンですよね。これはAIが取って代わることはない。結局どの世界のどの立場であっても、その環境の中でオンリーワンを目指すことが大切な気がします。私はこの世界の中で誰のために何をできるのか、誰に必要とされるのか、を考えて生きていくだけでいいのではないかって思います。何かをターゲットにして人やAIと比べる必要はない。自分が自分らしくあること。どんなに世界が変わっても、その世界の中で自分が生きていることは変わりないのだから。

それでも人は色々な人と関わりあいながら生きていかねばならないわけです。言霊セッションの時に人間関係(職場や家庭等)について相談を受けることも多いのですが、私はその時、プチ利己主義でいいですよって言います。自分の為にすることが誰かの為になるのなら、それはOK。また、我慢はダメ!とも言います。人間関係を円滑にするために我慢するという人がいますが、我慢は=わがままとも読みます。ある意味ひとりよがり。我慢をするということで、言わなければならないことも言わないのはよくない。言うべき言葉を選んで、相手に伝える努力はしないといけないと思います。もちろん利己主義と言っても人様に迷惑をかけてはアウト。自分もよくて人もよくなくてはダメ。他力と自力の両方が合わさらないと本当の生き方ではないんです。

そういう意味でいうと、よく子どもにも笑顔でいなさいって言います。笑顔を見ると気持ち良いですよね。ということは、笑顔でいることは人にいい影響を与えるということです。不機嫌な顔は人を嫌な気持ちにさせるということですから迷惑をかけているんです。だから少々悩みがあっても必ず目線を上げて、歯を食いしばってでも笑顔でいようって思うわけです。そうすることで、人も自分もいい環境でいられると私は思っています。

「本当の美しさとは?幸せとは?自分で考え、自分の中で定義をもつこと」

Q、100年後、どんな美しい時代を創っていきたいですか?

渓雪  正直、わかりません。突然救世主が現れたり、爆弾が落ちて世界がなくなるかも。だから未来なんてわからないから、考えない方がいいと思います。大切なことは、将来がどうなっているのかではなく、どうなっていたいのかということです。

美しいとは何なのか?
見た目形だけにとらわれない本当の美しさとは何なのか?例えば、おばあちゃんでしわしわの顔だけどニコにこしているおばあちゃんを見たら、私たちはかわいいと思うでしょう。一人ひとりが本当の美しさが何なのかを気づくことです。美しさの定義はいろいろあっていいんです。自分で、本当の美しさが何なのかを考えること、そして自分の中で美しさの定義をもつこと。

自分は26歳で死にかけたけど、そこから倍生きさせてもらっています。さらに生きさせてもらえるなら、人の役に立つことをしたい。もちろん自分が楽しみたいことが一番。自分が楽しくてうれしい気持ちは絶対に伝染するから。自分が楽しんで幸せになれば、必ずいい影響を周りに与えるはずです。だからその幸せの定義を考えてほしい。そして考えた幸せの定義を実践しようとすべき。もちろんできるかどうかはわからないですよ。でも”実践する!”と言わなければならない。人間は言葉一つで洗脳されるから。いい洗脳をしていきましょう。気負う必要はないんですけどね。

ようするに夢物語でもいいんですよ。人間は宇宙にもいっているじゃないですか。昔の人から見たら可能性ゼロでしたよ。でも、夢をもって、宇宙にいきたい!と思って実践するから叶うんです。そんな力強い夢物語りを、100年後の人たちも今の人たちも持っていてほしいって思います。

「とことん考えたら、環境を変える方法論は必ず見つかる」

Q、人間とは何なのか?人間に対する定義を教えてください。

渓雪  ”人は考える葦である”という言葉があります。
葦自体は生えている場所を選べません。どの場所に自分が育つかはわからない。でも人間も同じで誰から生まれてどこで育つか、自分では決められませ
ん。その環境が自分にとって不都合であったとしても、自分がとことん考えたら、その環境を変える方法論、改善策は必ず見つかると思います。諦めないこと。もちろん不可能なことはありますよ。でも今現時点で可能性あることをひたすら考えることです。

人間には感情がありますよね。そのなかでも不平不満という感情がその多くを占めている気がします。やりたいと思う欲、楽しいと思う感情は必要ですが、不平不満のような負の感情は抜いて、自分のやりたいことをどうやったらできるのか、ということを系統立てて考える。そして”私は何をすべきか”に向かって歩いていくのが人間だと思います。

記者  胸に響くお話がたくさんありました。本日は貴重なお話、ありがとうございました。

やるべきことをやる、という姿勢を貫く中、人様のためにもなる方法論を考え続ける渓雪さん。
その諦めない姿は多くの人に勇気を与えてくれます。大変なことを乗り越えながらも笑顔で楽しむことを大事にされている渓雪さんの笑顔に、私もつられて笑顔になってしまいました。
もうすぐ本を出版されます。題名は「代天才」。ぜひ手にとって見てください。

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渓雪さんの詳細情報はこちらです。
アトリエ遊我:http://www.atorieyuuga.com/

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【編集後記】

今回、インタビューの記者を担当した小水です。

AI時代に、どう生きていったらいいのかわからなかったり、もう明るい未来はないと諦めている人も多いと思います。渓雪さんは、常にやりたいことをやる、やるべきことをやるにはどうすればいいのか、そこから始まります。その力強さは、多くの人たちの希望のメッセージになると思いました。同時に相手の為になることを考える姿は、懐の広さを感じます。だからアトリエ遊我に行く人は、癒されて、自分の生きるきっかけを得て帰っていくのでしょうね。
渓雪さんの今後の益々のご活躍を楽しみにしています。

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