学校や社会の枠組みにとらわれず『共に生きる』を実践する 越谷らるご 理事長 鎌倉賢哉さん

悩んだり苦しんだりしていた子どもたちが、元気になっていく姿をみることにやり甲斐を感じ、子どもたちの『やらされる』のではなく『自分の事は自分で決める』ことを見守る鎌倉賢哉さんにお話を伺いました。

【鎌倉さんのプロフィール】
・出身地:名古屋市
・活動地域:埼玉県
・現在の活動: NPO法人「越谷らるご」理事長、 「フリースクールりんごの木」、「埼玉県ひきこもり相談サポートセンター」、20歳以上の方の居場所「ほっとりんご」、「親の会」、講演会・学習会、自立援助ホーム「ゆらい」
・主な経歴:1973年生まれ、名古屋市立山田高校、埼玉大学卒業、川口市の教育相談員として適応指導教室で勤務
・座右の銘:楽しい事をする
(どんなに良い事をしたとしても、楽しくなかったら意味がない)

■学校に行きたくないなら行かなくてもいい。目の前の人に『居場所』を。

記者:鎌倉さんはどのような夢を描いていますか?

鎌倉賢哉さん(以下、鎌倉)フリースクールがあることによって、目の前の人達が不自由な枠にはまらなくてよくて、自由でHAPPYになって、学校に行っても行かなくても、安心できる居心地の良い居場所をつくりたいですし、そんな居場所で信頼される自分でいたいと思います。

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記者:『居場所』があるって大事ですよね。それを具現化するために、鎌倉さんはどのような目標や計画を立てていますか?

鎌倉:フリースクールりんごの木など、色んな活動が経営的な面で行き詰まってしまうと、運営ができなくなってしまうし、スタッフの生活もありますので、財政面をきちんとしていかないといけません。また、それと同時に、社会的な信用もないと、みなさん安心して来てくれないし、『埼玉県ひきこもり相談サポートセンター』は埼玉県から委託を受けていますので『ちゃんとやってます。』という事をいつも発信していく必要があると思いますね。日々の積み重ねをしっかりやっていくという事ですね。

■『共に生きる』を大事にしています。

記者:その目標や計画に対して、現在どのような活動指針を持って、どのような基本活動をしていますか?

鎌倉:活動が増え、現場以外の仕事が増えていくと、思いが理念的になるという事があると思うんですね。そういう事がないように、とにかく現場に居続けるというかちゃんと子どもたち・ご本人と向き合って、一緒に時間を過ごす事を大事にしています。
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■意外と子どもと関わることが好き

記者:一緒に居てくれる安心感に魅力を感じました。そもそも鎌倉さんが今の活動を始めた背景にはどのようなきっかけがあったのですか?

鎌倉:高校生の時に演劇をやっていて、とても楽しかったので、卒業したら『舞台照明の道』を考えていました。しかし、ソ連崩壊ベルリンの壁の崩壊があり、「どう生きるのか?」「みんなが共有できる正しい事とは何なのか?」といったことに、より関心があり大学に行く事にしました。
大学では倫理や哲学を学びました。とはいっても大学生になった時、将来の仕事としてやりたい事がそんなにありませんでした。そんな中、海外旅行に行きたくて学習塾で働いていました。その時に意外と自分は子どもと関わることが好きなんだなと気が付いて教員を目指したのが今の活動のキッカケでした。
それで大学卒業後は、中学校の社会科の先生になろうと思い、通信教育で教員免許をとりました。
採用試験に受からず、最初は非常勤で学校に勤めていました。その後、川口市で教育相談員の仕事をいただき、3年間やってみました。『適応指導教室』という『学校に通わない子ども』が来るところでの仕事でした。そこで関わり始めたら、目の前にいる元気がなく落ち込んでいる子が、いきいきと変化していった事にやりがいを感じました。しかし、子どもたちが学校に戻っても、また適応指導教室に戻ってきてしまうのです。
『学校に戻すことが良くない事なんじゃないか?』学校に戻そうとしている自分の姿勢態度で、『子どもたちの事を傷つけたくないのに傷つけてしまったな。』と思いました。
『お前はそんな事思っている奴だと思わなかった。』と直接子どもに言われた事もありました。
知らず知らずのうちに、自分も子どもに対して『学校に行っていない子』というレッテルを貼り『普通はできるはずの事ができない子』という決めつけをしている事に気が付きました。
大切なのは学校に戻す事ではなくて、その時の子どもたちの気持ちや思いを受け止める事だと気が付き、フリースクールを自分で立ち上げようと思ったところに、『越谷らるご』でスタッフを募集していましたので今に至っております。

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記者:重要な気づきですね。子どもたちと関わる時に鎌倉さんが大切にしている事は何ですか?

鎌倉:僕にとって、子どもたちは今を一緒に生きていく人達です。一緒にいて育っていく人達です。もちろん色んな子がいるので、合わない子もいたり、腹の立つ事もあったりしますけど、それも含めて子どもたちを好きでいたいですね。
そして人として向き合うこと、大人と子どもは力関係も違うし格差がないと言ったら嘘になります。その中で、目の前の子どもの気持ちを大切にしてその子の言葉の奥にある思いをちゃんとみること。子どもは言葉が少ないのでそこを大切にするように意識をしています。

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記者:本当に鎌倉さんのきめの細かさを感じました。そのように思う鎌倉さんの土台になっている思いとは何ですか?

鎌倉:高校は公立の当時は底辺校だったので、みんな勉強していなくてテストの点にもこだわりがなくて気が楽でした。
競争的な雰囲気ではないので友達同士も仲が良くて先生たちの期待も重くなくてのびのびしていました。
大学では哲学を勉強しました。『どう生きるのか』『正しいってなんだろう』とか…。世の中で言われていることや家で教わっている事など色々あるけれど、『みんなが共有できる正しさや良さっていうものがあるんじゃないのかな』と当時から考えていました。
それが何であるのか探し続ける事で、子どもたちも自分の権利として主体的に生き、自分の道を決めることが大事なんだということや、人と関わる中で共に生きると言う視点がないと上手くいかないということに気が付き、自分が大事にしたい事が生まれてきました。
そして、どんなに良いと思う事をしても、楽しくなかったら意味がないと思います。また、自分に思いがなく、やらされている事は楽しくありません。自分が大切だと思う事をやれて、それで手応えや成果があると充実感を感じます。。
その様な思いで子どもたちと接していて、元気のない子が元気になったり、馴染むまでに時間のかかった子が楽しそうにしていたりすると、嬉しく楽しく感じ、また子どもたちとも信頼が生まれてきます。
『正しいことをやっている』という前提ではありません。このような事が僕の活動の土台になっていると思います。

記者:鎌倉さんの柔らさと温かさを感じました。本日はありがとうございました。

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『フリースクールりんごの木』『越谷らるご』の詳細はこちら↓↓↓NPO法人越谷らるご越谷らるごは、1992年に不登校の子どもを持つ親などの市民により設立したNPO法人です。 子どもに寄り添い「ともに生きる」k-largo.org

【編集後記】

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今回インタビューさせて頂いた森本(写真右端)、田中(写真右)、大藤(写真左)、那倉(写真左端)です。元気いっぱいの子ども達が、この場所で安心して過ごしている雰囲気が伝わってきました。
また、インタビューの場も自然とスクールの子ども達と一緒につくっている感じがありました。鎌倉さんの子ども達への接し方も、子ども達の鎌倉さんへの接し方もどちらもフラットで、まるで温かい家族の様に思えました。
これからも安心の居場所づくりをはじめ、鎌倉さんのご活動を応援しております!本日は貴重なお話をありがとうございました!

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