「スタートアップで新しい世界をつくる」Makers Boot Camp 代表 牧野 成将さん

京都のモノづくりを中心に、世界中のスタートアップを繋げて、新しい未来を切り開こうと尽力されている牧野成将さんにお話を伺いました。

プロフィール
出身地   愛知県豊橋市
活動地域   京都府、大阪府、東京都、アメリカ、スイスなど
経歴   2005年フューチャーベンチャーキャピタル(株)、2009年(財)京都高度技術研究所、2011年(株)サンブリッジにて「GVH Osaka」の立ち上げやIT分野のシードステージ企業への投資を行う。2015年8月、京都試作ネット等の日本の中小企業と連携したハードウェアスタートアップの試作支援「Makers Boot Camp」を行う株式会社Darma Tech Labsを創業。2017年7月にハードウェア/IoTスタートアップの試作と投資を行う国内初のファンド「MBC Shisakuファンド(20億円強)」を設立して国内外のハードウェアスタートアップに投資を行う。
現在の職業および活動   
株式会社Darma Tech Labs代表取締役

日本のモノづくりと世界中のスタートアップを繋げるエコシステムをつくる

Q:牧野  成将さん(以下  牧野   敬称略)   どのような夢やビジョンをお持ちですか?

「Startup creates an innovation and a better world.」

   私はスタートアップこそが新しい世界をつくると思っています。今ある企業がしっかり継続していくことも大切ですが、未来を牽引していく力はスタートアップにこそあると信じています。私は日本のモノづくりと世界中のスタートアップを繋げるエコシステムをつくることで、新しい未来をつくりたいです。

   私は地方からスタートアップがどんどん起こって、地方を活性化していきたいと思いベンチャーキャピタルの会社に入りました。しかし、地方には投資のクライテリア(判断基準)に合うような企業はほとんどなく、すぐに投資できる企業は枯渇してしまいます。ですから投資できるような企業を生み出していくエコシステムが必要です。シリコンバレーにも最初からGoogleやFacebookのようなグローバル企業ばかりあるわけではなく、町の小さな個人起業家や中小企業など無数の企業が存在しています。そうした末端のスタートアップの裾野が広がっていくと同時に、末端が底上げされながらグローバル企業が生み出されていくエコシステムの構築が必要だと考え、京都にモノづくりスタートアップの支援プログラム「Makers Boot Camp」を立ち上げました。

   シリコンバレーの現場に行ってわかったことですが、日本人がITのプレゼンをしてもなかなか振り向いてくれません。アメリカを代表とする世界が困っていることの一つに、自分たちがアイディアを出し作ったものをどう試作、量産化するのかということ。ここに日本のモノづくりの技術が求められています。京都には元々「京都試作ネット」という試作に特化したグループがあって実行に移しやすかったこともあり、京都でMakers Boot Campを開始しました。

   ナショナルチームとして日本人だけで戦う時代から、それぞれの特性を活かした適材適所のクラブチームとしての戦い方に変わりつつあります。日本人はあまり注目されない、また地味な作業でも一生懸命その役割を果たす部分に一つの特長があるように思います。それこそが日本人が持つ強みの一つなのではないでしょうか。日本のモノづくりと世界のスタートアップが繋がり、共に仕事をする中でさらに日本人の特性が活かされていくと信じています。

継続するビジネスの構築

Q:「日本のモノづくりと世界中のスタートアップを繋げるエコシステムをつくる」へ向けてどのような目標や計画を立てていますか?

牧野   その時たまたま儲かった、というものではなく、継続的なビジネスモデルを構築する必要があると考えています。

   今、ファンドという形で金融とモノづくりを組み合わせた新しいビジネスモデルを構築しており、試作、量産化まではできるようになりました。さらにお金としてしっかり還元できる仕組みをつくっていくことにこれから取り組んでいきたいです。

「スタートアップファーストとは何か?」を問い続ける

Q:その目標や計画に対して、現在どのような活動指針を持って、どのような基本活動をしていますか?

牧野   これは私たちの会社のフィロソフィ(哲学)になっていますが、「スタートアップファーストとは何か?」を問い続けることです。この問いには答えがないのです。社員みんなにいつも考えてもらっています。スタートアップファーストとは、お金を投資することか、要望通りの試作を作ってあげることか、あるいは上手く行かなさそうな時には早めに諦めさせてあげることなのか。だから問い続けます。

   又、私たちのメンバーは京都だけでなく、東京、アメリカ、スイスにもおり、離れている中でも働きやすい環境づくりを意識しています。「スタートアップファーストとは何か?」というフィロソフィを共有することで、場所によらず現場で判断する時の指標や指針になると思っています。

環境が大事

Q:このような夢やビジョン、目標計画、活動指針を持つようになったきっかけは何ですか?そこには、どのような発見や出会いがあったのですか?

牧野   私が大学生の頃、大学発のスタートアップを起こそうという流れがありました。大学の研究者たちは自分たちの研究を社会に役立てたいという純粋な思いで取り組んでいましたし、私自身、スタートアップの可能性をとても感じました。論文を書く時に、スタートアップについて研究をしたのですが、シリコンバレーのことを調べていく中で、スタートアップはその会社だけでできるものではなく、環境が大事だということに気づきました。GoogleもGoogleだけで成り立っているわけではありません。それを生み出すスタンフォード大学、購入する顧客、投資するベンチャーキャピタルなどがあって生み出されてきたのです。

   卒業と同時に京都のベンチャーキャピタルの会社に就職しましたが、当時の日本ではウェブサイト等のインターネット系ベンチャー企業が盛り上がっている時でした。けれど、世界ではGoogleやFacebookなどがすごい勢いでグローバル企業になっており、日本の企業との格差を感じました。それでシリコンバレーを実際に見たいと思い、周囲の反対を押し切って単身シリコンバレーへ飛びました。世界から集まるスタートアップ企業の集まりを見た時、私はここには環境があると確信を得ました。誰かがやればスタートアップが起こるのではなく、環境が醸成されて始めてスタートアップが起きるのだと、大学の時に研究したことと一致したのです。私が着目したスタートアップの初期段階の環境を作る要素は3つあります。①シードマネーを投資する。②活動スペースを提供する。③メンタリング・アドバイスをする。これら3つの要素があることで、スタートアップ企業が自然とどんどん生み出され、育っていくのです。帰国後、私はこの3つを提案し実践し、それがエコシステムの原点となりました。

スタートアップを立ち上げる能力はなくても、スタートアップのサポートはできる

Q:「環境が大事」という発見の背景には何があったのですか?

牧野   私の地元は愛知県豊橋ですが、小中学校の頃には栄えていた商店街のシャッターがどんどん降りていくのを目の当たりにし、地元を活性化させたい思いがありました。大学の時にスタートアップの未来をつくる可能性に気づき、本来なら私自身がスタートアップをして、地域を活性化させていくべきなのだろうと思いましたが、私はエンジニアでもなければ研究者でもなく、新しいアイディアなんて浮かばないですし、何かを生み出す能力なんてありません。けれど、環境が大事だと気づいた時、スタートアップをサポートすることなら自分にもできるのではないかと気づいたのです。彼らを支える裏方の役割が自分にできることではないかと。

   そこからスタートアップファーストをずっと心において取り組んできました。日本のスタートアップはもっと大きい夢を持って良いと思います。最初は夢がなくても、やり続けることで夢が見えてきますし、夢を描いても叶うのは一部です。ですから大きい夢を描きたいと私は思います。描くのは自由ですから。シリコンバレーのスタートアップの人たちは、一見するとバカに思えるほど大きな夢を描きます。でもバカなくらいが良いと思うのです。夢があるからスタートアップをやりますが、同時にリスクを負うものです。それでもやる使命を持っているのがスタートアップであり、だからこそ新しい世界をつくる牽引力があるのです。これからも私は日本と世界を繋いでスタートアップから新しい世界をつくっていきたいです。

読者への一言メッセージ

牧野   「Failure is a success if you learn from it.」私の好きな言葉です。失敗することってどうしても怖くなります。だから自分自身にもいつもこの言葉を問いかけています。挑戦しないと失敗はないですし、これからの時代、挑戦は大事だと思いますから。言葉だけでなく実践していきたいです。

記者   リスクを負いながらも夢を叶えるためにチャレンジし続ける精神こそがスタートアップであり、そうした取り組みによって新しい未来がつくられていくのですね。本日は貴重なお話をありがとうございました。

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Makers Boot Camp – Make It In Japan!

【編集後記】
今回インタビューを担当した小水です。
夢を持つことが難しい時代に、リスクと向き合いながら夢を描き、実践し続ける牧野さんの心がとても美しく、その志は、まさしく今の時代の多くの人たちに希望のメッセージとなると思いました。
世界が求めていることに令和時代の日本が応えた時、スタートアップの無限の可能性が花開いていく明るい未来が観えるようでした!
牧野さんの今後の益々のご活躍を応援しています!

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