九州地域から大学発の新しい産業を生み出す QBキャピタル合同会社 代表パートナー 坂本剛さん

大学発ベンチャー企業が活性化することで新たなる産業が生まれ、地域活性化や優秀な人材がさらに活躍できる場に繋がると、想いを持って立ち上げたQBキャピタル代表の坂本剛さんにお話を伺いました!

プロフィール
出身地:福岡県
活動地域:九州全域
経歴:1989年九大工卒。リコーなどを経て2004年から九大知的財産本部特任准教授、2010年から産学連携機構九州代表取締役社長。2015年からQBキャピタル代表パートナー。九州地域の大学発、テック系ベンチャーを中心に投資活動を行なっている。
現在の職業および活動:QBキャピタル 代表パートナー
座右の銘:おもしろき ことものなき世を おもしろく

「優秀な人材を巻き込み、地域活性化をしていく」

Q.どのような夢やビジョンをお持ちですか?

坂本剛さん(以下、坂本) 九州地域で新しい産業を生み出していきたいです。最近では東大発のベンチャー企業の時価総額が1兆円という調査結果がでました。それは言い換えると、東大の「知」を活用した新たなる産業が生まれたということだと思います。九州地域の大学発ベンチャーは、まだそこまでには至りませんが、今後成長する企業もでてくると思うので、時価総額の合計額が数千億になる可能性は十分にあります。
今の時代、工場があるからそこで働くという労働集約的な産業では限界があり、知識集約的な産業に変化していく時代でもあるかと思います。
新たな産業ができると産業が増えると地域経済も活性化するので、九州の人たちも地元で働きやすいと思います。
実際に東京や大阪で働いている九州出身の方も、地元には戻りたいとは思っていても、同じ仕事内容でも東京で働く年収と、福岡で働く年収の差はまだあり、経済面で考えてしまう人が多くいるかと思います。
そこが少しでも解消して、優秀な人材が戻ってきたら、地元企業も成長しますし、もっと人が活躍できる場が広がっていくと考えています。

Q.それを具現化するために、どんな目標や計画を立てていますか?

坂本 現在、QB1号ファンドを設立し投資活動を行なっていて、10年後にはその中のうち、上場企業や価値が高まっている企業を生み出すのが目標です。
また、さらに投資活動を加速させるためにも次のファンドをつくっていきたいと考えています。

Q.その目標や計画に対して、現在どのような活動指針を持って、どのような活動をしていますか?

坂本 活動としては投資事業(VC:ベンチャーキャピタル)を行なっています。仕事だけではなく、人との出会いは大切にしていきたいですね。Give and Takeという言葉もありますがGive and Givenの精神で出会っていきたいです。
今まで、幾度と転職を行い様々な経験をしてきました。そこで困っている時には必ず助けて下さる方がいました。
なので、私も困っている人や悩んでいる人がいたら、見返りをもとめずに、できるだけ相談にのって応援していきたいと考えています。

あとは「たい」を増やすことです。「こうすべきだ」という「べき」ではなく、主体性を持ち「こうしたい」と思い行動できる人たちを増やしていきたいと考えています。「べき」で行動するのは疲れてしまいますしね。
私はこの地域を活性化したいですし、同じくやりたいと思っている方々と活動していきたいです。

Q.そもそも、その夢やビジョンを持ったきっかけは何ですか?そこには、どのような発見や出会いがあったのですか?

坂本 2004年からある准教授からのお声がけで母校である九大で働くようになり、その後、九大の技術移転機関(TLO)、産学連携機構九州の社長も経験させていただきました。
そこから色々、大学内の課題も見えてきて、素晴らしい技術があったとしても、資金調達をできず、企業として経営していくのが厳しい現状をみたり、教授と社長の立場の違いからの意見見解の相違など、様々な現場を見てきました。
もともとエンジニアでもあったので、現場がうまくいかない時には、うまくいかない原因や仮説を立てて検証する思考パターンがありました。それはビジネスでも同じで、実行してみてうまくいかないのには何か原因があり、その原因の一つが、九州地域において資金調達が難しいことだとの考えに行き着いたので、今の事業にも至っています。

Q.うまくいかない原因に気が付いても事業にまでにする人、しない人がわかれると思います。坂本さんが事業にするまでの背景には、何があったのですか?

坂本 大手企業に勤めていた経験があり、その時は自分はなんでもできると自信満々でもありました。20代後半で転職した時も、うまくいくだろうと思っていたら、転職先の会社が自分が思っていたような会社ではなかったので、その後、何度か転職をしては失敗を繰り返し、精神的にもきつい状態でもありました。
転職する中で地元の中小企業に落ち着いきましたが、自分がもっとできるはずなのに、エネルギーが有り余っているのにそのエネルギーをどこに使ったらいんだろうか?と悶々としていた時期がありました。
その悶々としていた時期があったからこそ、九大の准教授の方にお声かけをしてもらった時に反応できたと思います。あの時のつらい経験があるからこそ、今でも事業をする中で、プレッシャーや緊張を感じる時もありますが、あの時と比べるとマシだと思いますね。あとはその当時、周りの友人や妻に支えられたことは、今でもとても感謝しています。
だからこそ、次は誰か困っている人がいたら、自分のできる範囲ですが何かのお役に立てたらと思っています。

記者 地元に対する思いや、若い人たちに対して応援したい思いがあるのをとても感じました。貴重なお話、ありがとうございます!

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坂本さんの活動、連絡については、こちらから↓↓
●QBキャピタル合同会社HP
http://qbc.co.jp/

【編集後記】
今回、インタビューを担当させていただいた清水、山口です。

ご自身の失敗を語れることが多くの若者の応援にもなると感じました。
また九州に対する問題意識とそれを解決していく実践行動が、とても素敵だと思いました。
坂本さんの事業が継続していくことで九州全般、また他地域にも良い影響力が行くのではないかと感じました。
これからの活躍も応援しています。

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