「楽しかおおはし」作業部会長“渡邉輝彦さん”

大橋といえば、この方を置いて語れません。誰もが関われる、自分から関わりたくなる、そんな笑顔溢れるまちづくりをしている「楽しかおおはし」作業部会長の渡邉輝彦さんのお話を伺いました。

プロフィール
出身地  福岡県福岡市大橋
活動地域  福岡県福岡市大橋
経歴  昭和51年8月6日生まれ42歳、辰年 獅子座のA型、動物占いは落ち着きのないペガサス。中高の社会科教員免許と宅地建物取引士の資格を持つ。玉川小学校→春吉中学校→太宰府高校→九州産業大学と進み、太宰府中学校の非常勤講師、得体の知れない営業職、如水庵で働いたのち、株式会社大橋西口ビルに就職。
現在の職業および活動  「楽しかおおはし」作業部会長、大橋商店連合会理事、株式会社大橋西口ビル代表取締役
座右の銘  笑う門に福は来る

「自分から関わる、みんなが笑顔になるまちづくりをしたい」

Q:どのような夢やビジョンをお持ちですか?

渡邉 輝彦さん(以下、渡邉)  誰でも関われる、自分から関わりたくなる、そしてみんなが笑顔になれる、そんなまちづくりを目指しています。

 地域のイベントや行事は、関わる人と関わらない人の境界線がはっきり分かれることが多いんです。でも僕はみんなと一緒に楽しくやりたい。10年前に「楽しかおおはし」というものを立ち上げました。「楽しかおおはし」ではイベント毎で主催者が違うんです。これはかなり珍しいんです。大橋以外の企業と連携することもあります。また区や行政も関わっているので、道路の使用 など諸々の公共的な手続きがスムーズにできます。ここまで色んな人たちが関われる地域の活動はなかなかありません。始めてから10年になりますが、継続性を保つにはやる気のある数人でやるには限界があります。実際今はほとんど僕一人で回しているのが現状です。ですが、できるなら自分からやりたいと思う人を増やしていきたい。主催側は特別な能力がないとできないと思われがちですけど、意外と誰でもできることなんです。あまり深く考えず、飛び込んでみたら楽しかったってなります。必要なのはちょっとした厚かましさですね(笑)。でも厚かましくなれない人もいるから、そこの役割は僕がして、まずは参加者として関わってもらえるよう働きかけています。その中から主催者側になっていく人が増えていって、みんなでアイディアを出しながら一緒にまちづくりをしたいと思っています。

 また、地域の活動は基本的にボランティアですが、ここに収益性を持たせることをしたいと思っています。みんな自分の仕事を抱えながらではやっぱり関わるのが難しい。これはどの地域でも課題だと思います。だからこそ大橋をまちづくりの収益化のモデルとしたい。それができたら他の地域にもコピーすることができます。

「まちづくり社団法人を立ち上げる」

Q:それを具現化するために、どんな目標や計画を立てていますか?

渡邉  「楽しかおおはし」を続けていくために、来年度にまちづくり社団法人を立ち上げようと思っています。10年間、区からの負担金で運営していましたが、これは普通ありえないことです。その負担金がなくなることになったので、委託先として社団法人を立ち上げ、さらに「楽しかおおはし」を盛り上げていきたいです。

 まちづくりの収益化のためには、コミュニティスペースをつくり、街の人たちがそこで自分の仕事をアピールしたり販売できるようにしたいと思っています。

「行き当たりばったりで、今を楽しむ」

Q:その目標や計画に対して、現在どのような活動指針を持って、どのような基本活動をしていますか?

渡邉 夢とか語りましたけど、基本的に先を見ないようにしています。行き当たりばったりです(笑)。自分から楽しくやることが大切だと思っているので、重たく考えたくないんです。参加した人も主催者がつまらなさそうだったらイヤでしょう。

 気づけば「この街で何ができるだろう?」って常に意識しています。そして「どうしたらできるだろう?」としか考えません。やれるだけやって失敗したら「ごめんなさい」って謝るだけ(笑)。

 僕は今いる人たちと楽しくやっていきたい、それだけです。

「立場があればできる」

Q:その夢やビジョンを持ったきっかけは何ですか?どのような発見や出会いがあったのですか?

渡邉 父親が商店街の会長をやっていたのですが、30歳の時に肺がんで急になくなりました。その後を継ぐことになったのですが、地域の中では30歳は若輩者です。何をどうすればよいか全くわからず、不安でいっぱいでした。でも同時に「商店街の会長」という立場があればできる!という思いもあったんです。

 僕は子どもの頃から学級委員長とか立場のある役割を任されたんです。友だちの中にいても自然と取りまとめ役をしていましたし、人前に出るのも好きでした。でも自分からやりたいと言ったことはなくて、いつも周りから任される。頼まれたら断れない性分だからやる。やってみたら、「学級委員長」という看板がある方が、色んな人に交渉をしやすかったり提案が通りやすかったり、できることがたくさんあることに気づいたんです。

 そうしてやり続けていたら経験値も上がり自信もついてきました。立場に育てられてきたんです。確かにプレッシャーはあるけれど、立場があれば自分にはできるという確信にもなりました。

「自分の立場は絶対に全うする」

Q:その発見や出会いの背景には何があったのですか?

渡邉 僕の両親は放任主義だったし、仕事も忙しくて話すことがありませんでした。兄弟も年が離れていたこともあって、僕は家族がいながらも一人暮らしのような状態でした。誰にも構われない寂しさがありました。今でも一人でいると暗いですよ(笑)。何もかもが面倒くさくなります。

 だから友だちと遊べる学校は本当に楽しかった。学級委員長を任されたり、前に出るのも構われて一人でない気持ちになれて好きでした。友だちとの関係性を守るために、任された立場は全うしようとしたし、自分から言ったことは絶対に途中で投げ出さないようにしました。

 目の前のことをひたすらやり続けて、気づけば10年になります。そんなポジティブだったわけではないんです。批判もされたし、何でここまでやらないとだめなのかと思うこともあり、何度ももう止めようと思いました。でも自分の立場は絶対に全うし続けました。それが信頼を深めていったと思います。

 今では年間10数件のイベントをこなすようになりました。今は大橋の中にも外にもたくさんの熱く語り合える仲間ができました。それが一番の財産です。これからもまちづくりをしながら楽しくワイワイできる仲間を増やしていきたいです。

読者へ一言メッセージをお願いします

渡邉 ぜひ大橋に来て、一緒に楽しいことしませんか?

記者  ありがとうございました。自分から関わる笑顔溢れるまちづくりが大橋から起きていきそうだと思いました。

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渡邉さんの詳細情報についてはこちら↓↓

https://www.facebook.com/profile.php?id=100003364371518

【編集後記】
今回、インタビューに行った小水と山口です。
渡邉さんの屈託ない笑顔には、たくさんの涙や努力が詰まっていることを感じさせられました。何よりも任された立場を全うし続ける渡邉さん。その姿は、死ぬこと以上に自分の立場・役割を果たせないことを恐れる日本の「義」の精神そのもだと思いました。大橋の侍、渡邉さん。今後の益々のご活躍を応援しています!

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