努力した人が報われる世界に ドレミング株式会社 代表取締役 CEO 熊木陽二さん
2008年から10年間、飲食店経営をし2018年から金融サービスを提供するドレミング株式会社に参画した熊木陽二さん。一見、畑違いの業界への参画に見えますが、その根底にはどんな思いがあるのか伺いました。
プロフィール
出身地:東京
活動地域:日本、ベトナム、インド、イギリス、アメリカ、サウジアラビア、アフリカ
経歴:大学卒業後の1998年に石油元売会社(コスモ石油株式会社)に就職。福岡支店にて約2年間の特約店及びSS(サービスステーション)の経営支援業務を経て東京の本社に異動。そこで販売系のシステム(販売管理、顧客管理、勤怠管理、在庫管理等)の企画・開発・導入・定着化支援、販売政策の企画・立案、支店社員への教育支援等の業務を6年間行う。その後、コンサルティング会社(現デロイトトーマツコンサルティング合同会社)にて、複数のクライアント(生命保険、不動産、鉄鋼メーカー、小売業者他)に対する経営コンサルティング業務に従事した後、2008年6月に独立。
10年間企業経営(イタリアン業態の飲食店を3店舗経営)を行った後、2018年7月よりドレミング株式会社に参画。
現在の職業および活動:ドレミング株式会社 代表取締役 CEO
「貧困と格差を減らすこと」を目的としたドレミング・プロジェクトの日本展開拠点として、2015年6月に福岡にて設立。リアルタイム給与計算プラットフォーム「Doreming」をベースに労働者への金融サービスの提供を目指し、日本国内において市場展開を行っています。KPMG Fintech 100 2016受賞
座右の銘:動機善なりや私心なかりしか
「働いている人たちが幸せだと思える仕組みをつくっていきたい」
Q.どのような夢やビジョンをお持ちですか?
熊木陽二さん(以下、熊木) 働く人たちが仕事が楽しいと胸をはって言えて、幸せになる仕組みを構築したいです。昨年からFinTech(金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語)の事業をメインとしているドレミング株式会社に参画していますが、元々は飲食店経営をしていました。今は飲食店は他の者に任せていますが、いずれは飲食店の事業を再開し、店舗を日本だけでなく、世界中に広げて、働いている人たちが楽しいと思って働ける環境づくりをしたいです。
今、銀行口座を作れない人、持っていない人たちが世界に20億人います。ドレミングの方では発展途上国の方に、銀行口座がなくても携帯電話があれば、デジタルマネーで給与を受け取ることができ、家族への送金やローンを組めたりなど、金融サービスを受けれるような世界を目指しています。
飲食店もドレミングも根本的に、働く人が努力したら努力した分だけ報われるような仕組みづくりをしていきたいというところで繋がっています。
日本発でFacebookやAmazonなど、今の最先端のグローバル企業がやっているようなサービスを日本からも生み出していきたいですね。
Q.それを具現化するために、どんな目標や計画を立てていますか?
熊木 2025年に国内労働人口6500万人のうち2000万人以上のユーザー獲得、海外では銀行口座を持っていない20億人のうち5億人のユーザー獲得を目指しています。
日本はまだ労働基準法があり、デジタルマネーでの給与支払いができないので、まずは海外から実績を残そうしています。
他には国内外問わず、イベント登壇など行ったり、これまでにサウジアラビアをはじめ世界各国に現地法人を設立、ベトナム企業の連携、協業など様々な活動をしています。 今後もアジア、ヨーロッパでも活動の幅を広げ、日本、世界でのキャッシュレス化に貢献していきたいと考えています。
Q.その目標や計画に対して、現在どのような活動指針を持って、どのような活動をしていますか?
熊木 仕事に限らず、大事にしていることは「嘘はつかない」「約束を守る」「悪口を言わない」。この3つは徹底し、相手に対して誠実に対応することを心がけております。
特にドレミングの事業はありがたいことに、日本や海外の様々な企業様と協業のお話をいただいていますので、駆け引きはせず、嘘偽りなく話すようにしています。
Q.そもそも、その夢やビジョンを持ったきっかけは何ですか?そこには、どのような発見や出会いがあったのですか?
熊木 原点は新卒で大手石油会社に入社し、福岡でガソリンスタンドの店舗の経営改善をしようと2年間取り組んだことです。実際に店舗に入ってみてみると、自分とガソリンスタンドの店長との格差を感じました。私は土日休みで有給もありますが、店長は長時間労働、休みも少なく、業務量も多い。さらに給与もそんなに高くもなく、キャリアアップも見通せない現状だったのです。努力した人が努力した分の報酬をもらってもいいはずなのに、なぜそのようになっていないのか、と疑問を持った瞬間でもあります。
努力すれば給与があがり、キャリアップができることがイメージができたら、働いている人たちの夢もどんどん広がり、モチベーションも維持されていくのではないかと考えています。
そのような世界になれば、もっと人たちが幸せに働けるのではないのかと思います。
Q.なぜ熊木さんは、自分と店長の働き方の格差に気がつけたと思いますか?
熊木 学生時代から、今よりどうしたらよくなるのかという「改善」というのを良く考えていました。コンビニでアルバイトをしていたときも、棚への商品補充はどうやったら早く終わるのかとか、深夜のレストランで働いていたときも、私1人しかいなかったので、どうしたら素早く、より良くお客様にサービスを提供できるのか考えましたね。
その改善によって人が喜んでいる姿を見るのがとても嬉しかったです。
また、最初に勤めた石油会社の上司や先輩方、また担当取引先の部長と社長はとても素晴らしい方で 、新人だった私に大きな仕事を任せてくれたり、私の意見などに耳を傾けてくれました。 部長からは京セラの稲盛和夫氏の講演会のテープを渡してもらい、経営の勉強や現場での実践など、たくさんチャレンジをすることができて、お世話になりましたね。その中で経営者として何を大事にするのかも、学ばせてもらいました。
本当にたくさんの人に支えられて、今の私の考えた方になりました。今度は私が人が幸せに働けるような世界になるために、努力していきたいです。
記者 お話を聞きながら、世界がどうしたらより良くなるかを考えているのをとても感じました。本日は貴重なお話、ありがとうございます。
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熊木さんの活動、連絡については、こちらから↓↓
●ドレミング株式会社HP
https://www.doreming.com/ja/
【編集後記】
今回、インタビューを担当させていただいた緒方、清水、新原です。
働く人たちのことを考え、どうしたらより良くなるのかを熱意を持って活動されているのを感じました。私たちにも、誠実に対応してくださり、熊木さんの優しい心に感動しました。熊木さんのような方が活躍されることで、世の中がより良くなっていくと思います。
これからの活動も応援しています!*******************************************************************