「0→1をつくれる人間になる」株式会社オーシャンブルースマート代表 小竹海渡さん

シェアサイクル事業PiPPA(ピッパ)を立ち上げ、全国各地にどんどん拡張されている株式会社オーシャンブルースマート代表の小竹海渡さん。その力強い推進力の背景をお伺いしました。

プロフィール
出身地   東京都
活動地域   東京、京都、宮崎、和歌山など全国各地
経歴   カリフォルニア州立大学サンマルコス校を卒業後、2014年に物語コーポレーション入社、2017年にカイホウジャパンへ入社後半年でオーシャンブルースマートを設立し独立。2019年にカイホウジャパン代表取締役に就任。
現在の職業および活動   
株式会社オーシャンブルースマート代表、カイホウジャパン代表取締役

0→1をつくれる人間になる

Q:どのような夢やビジョンをお持ちですか?

小竹   海渡さん(以下   小竹   敬称略)   私が一番面白いと感じるのは、0から1を生み出すことです。1から2、2から3というのも大切ですが、誰もやったことがないことのスタートを切ることに一番楽しさを感じます。これはもうそういう感性を持っているのでしょうね。新しい企画に取り組む時も、基本的には0→1なのかどうかを基準にして判断します。

記者   今はどのような0→1に取り組まれていますか?

小竹   シェアサイクル事業のPiPPAでは、色んな地域や企業と協業しながら導入ヶ所を増やしてプラットフォームを拡張しています。PiPPAの素晴らしいところは利便性なのですが、シェアサイクル事業はそれだけでは十分ではありません。自転車に限らず、車でさえ、ただ「乗りたい!」というだけの需要は減っていることがモビリティ業界の課題です。今はモビリティサービスに移行しているので、どんな価値あるサービスを提供して満足してもらえるかで差別化をはかっていく必要があります。シェアサイクル事業においては「体験」だと私は考えています。例えば、直接、風を感じることは自転車でしか体験できないことです。目的地へ到着するまでの間に、自分の足でゆったりと自転車を漕いで風を感じ、街を感じる。こうした体験も旅の一部分になります。どんなモビリティサービスを提供できるのか、そのアイディアこそ0→1をつくることですし、私たちベンチャー企業が大手と勝負できるところだと思っています。

記者   これからはさらにどんな0→1をつくりたいと考えておられますか?

小竹   より質の良い、より面白い0→1をつくれるような人間になることを極めていきたいですね。もちろん取り組むのは私一人ではなくチームで行うので、自分という範囲を超えて、色んな人たちと繋がりながら、ユーザーやさらには地方自治体などにとってもメリットになるような0→1をつくっていきたいです。

シナジー効果を感じられる会社を増やす

Q:「0→1をつくれる人間になる」という夢やビジョンへ向けてどのような目標や計画を立てていますか?

小竹   今も進めてはいますが、PiPPAのプラットフォームを広げていくことです。特に2021年〜2022年へかけて、シナジー効果を感じられる会社をどれだけ増やせるかが重要になってくると考えています。実際そういうお話をたくさんいただいているので、ユーザー特性が重なっているところと協業していきたいです。

   短期的なスケジュールとして、2021年までには会員数を10万人まで増やすこと、そして2020年度中には現在7ヶ所ある導入ヶ所を20ヶ所にまで増やしたいと計画を立てています。都道府県全制覇という夢もありますけど、現実的に雪が降るところとかは無理なので(笑)。現段階で14ヶ所までは道が見えているので、あと残り6ヶ所をどうするかというところです。

王としての役割を全うする

Q:その目標や計画に対して、現在どのような活動指針を持って、どのような基本活動をしていますか?

小竹   最近、仲間から指摘されて意識していることが「王としての立ち回りをしっかりする」ということです。PiPPAの仲間内で話をする時には、「王」「エース」「参謀」といったように、それぞれの役割を決めて話をし、その役割を全うします。私としては、自分たちの事業は自分ごとに考えないとダメだと思うので、みんなが社長のポジションだと思っていますが、部下は当然ながら私を社長として見てくるので、私も社長としての振る舞いをしなければいけないと思っています。仕事も、つい自分で全部をやってしまおうとしてしまいますが、それによって「王」の本質を忘れてしまったり、他の役割が機能しなくなることがあるので、今は全部自分でやらないようにして、社長像自体を見直しています。

   私がイメージする「王」の役割は、みんなから好かれ、憧れられることです。やっぱりその社長の会社だから、その人のことが嫌いになるとやりたくなくなりますよね。ですから、好かれ役と嫌われ役で分けるとしたら、「王」は好かれ役であることだと思います。そうしたことも考えて、私は何か事業に変更があった時などは、ただ事実の通達だけで終わらず、その目的や動機といった本質をしっかり伝えるようにしています。そこで本質を理解して主体的に動いてくれる人がいれば、さらに会社としても成長していきますし、社員の現状を見極めることができます。

中国でシェアサイクルに出会った

Q:「0→1をつくれる人間になる」という夢やビジョンを持ったきっかけは何ですか?そこには、どのような発見や出会いがあったのですか?

小竹   正直、やりたいことがなくて、このまま父の会社を継ぐのかなって思っていたんです。20代まではそのための修行かなって。実は二度の留学も私が行きたかったからではなく、父の命令でした(笑)。高校時代には上海へ留学、大学はアメリカへ行きましたが、そこでもやりたいことは見つかりませんでした。ただ、言葉もできないままアメリカで一人で生きていくのはとても大変でした。けれど、帰る事もできないので、もうやるしかないと腹をくくりました。おかげでどんな環境にでも順応してやっていける自信ができたのは良かったと思います。20歳のころから父がビジネスの話をしてくるようになったので、それだけ私も変化したのかなと思います。

   そんな私が日本に帰ってきて、ひとまず父の会社に入ったのですが、早速初月から中国に出張で飛ばされました(笑)。そこでシェアサイクルに出会ったんです。これは面白いと思いました。日本でも需要があるし、IoTを活用したビジネスも魅力的でした。「やりたい!」と思って、日本に帰って、父と相談した上で半年後に起業しました。

やりたいことは、やれる前提から考える

Q:「中国でシェアサイクルに出会った」というきっかけの背景には何があったのですか?

小竹   私はやりたいと思うことができたら、やれる前提から考えます。その後にセーフティネットとして、リスクのことを考えます。世の中は逆の考え方が多いですね。まずはやれない理由やリスクを先に考え、その後にどうすればやれるかを考えます。けれど、成功をイメージしてできる結果を考えて実行し、そこで失敗しなければリスクのことは考えなくてよいわけです。私ももちろんできなかったらという不安を感じることもありますが、だからこそ課題を見つけて解決に取り組むだけです。できる自信がない自分に甘んじることは嫌ですね。

   この考え方は父親の影響が大きいと思います。父自身、起業家だったのですが、それこそ0から1を作り続けてきたような人で、私から見たら化け物ですね(笑)。100人中99人が「何それ?」って思うような非常識なことを考えては、できる大前提でやり続けるんです。人が想像できないような新しいことをやる時には、賛同されないものです。でも、周りが何を言っても気にせず、良いと思うことはやればよいというのが我が家の帝王学であり、父はまさしくそれを実践していました。父は成功した数以上に失敗してきた数が多いと思いますが、しっかり実績を出している尊敬できる起業家だなと思っています。ですから私は誰もやったことのないことを「良いね!」と言って実践する100人の中の1人でありたいと思っています。

   起業して3期目になりました。まだまだ夢半ばですし、本当に納得のいく0→1を生み出す生き方までには、これからさらに経験を積んでいく先に見えてくると思っています。口先だけではなく根拠を持って、有言実行を大切にしながら、チームとともにやりたいことを楽しんでやっていきたいと思います。

読者への一言メッセージ

小竹   私の経験が何かの糧になれば嬉しいです。

記者   やりたいことはやる、そしてやれる前提から考えることをベースに、0→1を生み出す事業を展開されてきたのですね。本日は貴重なお話をありがとうございました。

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【編集後記】
今回インタビューを担当した小水です。
ロジカルな思考とやりたいことをやるという少年のような心を合わせ持った小竹さん。自分という範囲が自然とチームであるような不思議な雰囲気をお持ちでした。
完全な0とは何か、1とは何かが明確になった時、ものすごく面白い0→1をどんどん生んで、社会全体が楽しくなるイメージが広がりました。
小竹さんの今後の益々のご活躍を応援しています!

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