アフロディーテ&Co.株式会社 代表取締役 ”原 奈緒美さん”
起業して20年、ずっと変わらないのは「心を大事にする」「感情に寄り添う」ところ。経営者と子育てを両立され、今では九州を元気にしようと、女性起業家の支援も行う「原 奈緒美さん」のお話を伺いました。
原さんプロフィール
出身地:佐賀県
活動地域:福岡県、鹿児島県
経歴:結婚、出産後の2004年にアフロディーテ&Co.株式会社を設立。19年間で8,500回のレッスン開催、延べ受講者数は8万名以上。2011年より西日本新聞TODAYに「女性の自立について」コラムを執筆中。
現在の職業および活動:福岡県と鹿児島県にフラワーアレンジを40教室、福岡市にスクール&ショップを2店舗経営、西日本新聞TODAYに毎月コラムを執筆中。
座右の銘:「失敗することを恐れるより、何もしないことを恐れろ」(本田宗一郎)
「平凡な主婦でも会社を経営していける!」
Q1.専業主婦をされていたときに起業をされ、子育てをしながら20年も経営をされています。どんな心のあり方や認識の変化が今のご活躍に繋がっていると思われますか?
原 奈緒美さん(以下、原) 起業したときからずっとある、芯の部分で言うと、「ただの平凡な主婦がどれだけのことが人生をかけてできるんだろう?」というのはあります。
起業に対しては、主人以外の全員から反対されましたが、反対してくる人たちは誰も起業しているわけではありませんでした。そのような人たちから何を言われても「本当かな?」と疑問で、「じゃあ、自分で実験しよう!」と思い起業しました。
あとは、先の自分をずっと思い描いていました。階段をひとつひとつ登ってきただけです。心の在り方自体は変わっていません。
記者 外部環境、時代の変化の中で、いろいろなストレスやプレッシャーもあるのが経営者だと思います。その中でも先のイメージを描き続けるというのは、誰もができることではありません。
原 関わる人たちが増えていく中で責任感は増しました。「がっかりされたくない」という想いがあります。期待以上のものをすることで、応えたいです。
自分の気持ちに負けそうになるときは、がっかりされたときのことを思い浮かべて、奮い立たせます。
人を喜ばせたい気持ち、サービス精神が旺盛です。「ありがとう。」と言われたいがためにやりますし、「ありがとう。」だけで頑張れます。利益は後から付いてきます。
記者 なるほど、ありがとうございます。
Q2.我々としては、原さんのような人間の在り方に着目した一方、これからどんどんAIが活躍する時代になってきます。人工知能(AI)が活躍する時代に、人間にはどのようなことが必要になってくると思われますか?
原 「心」ですね。心はやはり人間だけのものです。
立ち止まったり何かにぶつかった時にいつも考えることがあります。
経営者ですから、頭では分かっている事はあります。でも心では違うことがあります。頭では分かっているけれど、心がついていかないことに関しては、自分の中でブレーキがかかってしまうことがあります。
例えば、私が来週までに100万円の売上げを作らないといけないとします。そして、私の会社に100万円の講座があります。必要としていない人に対して、頭では売ればいいと思っています。
でも、私の心としては、必要としている人であれば自信を持ってできますが、必要としていない人に対して売ることできません。
もしかしたら、頭だけでいけば、もっと凄い売上げを作り出せるようなものが生まれるのかもしれません。しかし人間に心がある限りブレーキをかけます。
記者 ありがとうございます。
Q3.AI時代には人間の「心」が重要になるということ、とても共感しました。その一方で、日本だけを見ても鬱や自殺がどんどん増えていくと予想されています。これから、どのような美しい時代を創っていきたいですか?
原 人の感情に寄り添いたいです。
鬱や精神的な病気はこれからどんどん増えていくでしょう。その原因は便利になったからです。
例えば、便利になってきているから、人に会わずともコミュニケーションができます。頭の部分ではコミュニケーションが取れたとしても、心を通わすことができません。コミュニケーションが簡素化されて、どんどん人が人に会う行為をしなくなります。
記者 職場を辞める理由として一番多いのが「人間関係」だと聞いたことがあります。私は元々システムエンジニアとして働いていたのですが、コミュニケーションは希薄でした。席が隣の人ともチャットで会話していました(笑)
原 人を動かすのは感情です。これから感情がない人がどんどん増えていくでしょう。
こういう時代だからこそ、あえてアナログな手段を使う人もありです。九州はまだまだアナログなところが残っていて、そういうところがかわいいです(笑)
記者 九州がかわいいんですね(笑)
Q4.20年間ずっと経営をされてきて、子育ては大変だったのではないでしょうか?
原 今では覚えていないくらい大変でした。
子供たちと接する時間が少なかったのは「かわいそうなことをしたな。」と思ったりもします。その分、子供たちが大人になった時に過去形になっていてはいけないと思っていました。
「僕たちのお母さん、小さい頃お花の先生やってなかった?」
「過去形かい!」みたいな(笑)。
自分が辞めない限りは失敗にはならないと気づきました。成功したとも思っていないですし、辞めていないから何とかやっているだけですね。
記者 両立をずっと大事にされてきたのですね。
原 大変ではあったのですが、きっと子育てと両立しているママたちはみなさん大変だと思います。
ストレスは「家事をできていない自分」、「ママを満足にできていない自分」にきていました。だからそれほど悪い風に抱え込まない方がいいです。私がよく泣いてたのは子供たちに対する「ごめんね」の心があったときでした。
全部やろうと思わないようにすること、適当に手抜きをしてでも、私がやっていることの理由をその都度、子供たちには説明するようにしていました。
記者 母親としても、本当に素晴らしい在り方ですね。子育てにおいても会社においても、両方で経営者としての感覚を磨かれているようにみえます。本日は大変貴重なお話、ありがとうございました!
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【編集後記】
インタビューの記者を担当した吉田&中山&赤熊です。
原さんの、好奇心の旺盛さ、女性の自立や九州を応援する心、とても感銘を受けました。
今後のご活躍をとても楽しみにしています。