株式会社マインドフルヘルス代表取締役 ”山下あきこさん”
10年後をイメージしたことが起業の転機に。自分自身の感情と向き合い、気づき、幸せを創る生き方へ人々を案内する「山下あきこさん」からお話を伺いました。
山下さんプロフィール
出身地:佐賀県
活動地域:主に福岡。それ以外にも宮崎、東京など全国各地
経歴:川崎医科大学卒業。米国フロリダのメイヨークリニックにて先端脳研究に携わり、パーキンソン病の研究で「MDS Young Scientist Award」(国際運動障害学会の優秀若手研究者向け賞)を受賞。日本に戻り、 株式会社マインドフルヘルスを設立。
現在の職業および活動:株式会社マインドフルヘルス代表取締役。アンチエイジング医学、脳科学、マインドフルネス、コーチングを取り入れたセミナーやWeb情報配信サービスを提供し、生活の中で賢い選択を習慣化できるよう支援している。 「マインドフル健康指導士」の認定資格が取得できるWeb講座の配信も手がける。
座右の銘:「一度に一粒の砂」
「一人一人が幸せを願い、幸せを創造していく。」
Q1.医者をしていたところから、起業され、日本全国でお仕事をされています。どのような心のあり方や認識の変化が今のご活躍に繋がっていると思われますか?
山下あきこさん(以下、山下)
「自分自身が人を幸せにしなければいけない。」
「周りに良い影響を与えなければいけない。」
という気持ちから、
「自分自身が幸せになろう!」
という気持ちへの変化が一番のキッカケです。これが起業にも繋がりましたし、今の仕事の内容にも繋がっています。
人の病気を治すためにイライラしながら薬を出す自分自身をみて、良いことをしているとも、幸せだとも思えませんでした。そのことが「すごく歪んでいるな。」と思っていました。
自分自身が幸せでいるためには、家族との時間をきちんと作ることができ、余裕を持って誰かの幸せを願えるぐらい、幸せ感を高める必要があると気づきました。
記者 心の在り方が変化したポイントはいくつかあったのでしょうか?
山下 2人目の子供を産んだ時期にふと立ち止まるキッカケがあり、10年後をイメージしたとき、怖くなりました。
当時は、大学病院からもどんどん離れていき、学ぶ機会も減って、医者としてのレベルも下がってきていました。
「医者としての仕事を大して幸せな仕事だとも思っていない。」
しかも、家族との充実した時間すら持てていない自分に対して
「何をやっているんだろう。。変わらなきゃ!」
そう思いました。
記者 「10年後、このような自分になっていたら怖くなる。」ということに立ち止まって気づいたわけですね。なかなか見ようとしない人も多く、とても勇気が必要なことです。
しかも、医者という仕事は、世間一般からすると地位や名誉があるポジションです。そのポジションには満足せず、起業されたわけですね。
山下 贅沢だったのだと思います。起業せずに働いていれば収入も安定していたでしょう。起業して大変なこともたくさんありますが、それでも楽しいですし、この道に進んでよかったと思っています。
医者をしているときは1対1でしかできなかったことが、1対何十万人規模でもサービスができると思うとワクワクします。
1本の枯れかけた花を何とか元気にさせようとするのではなく、土壌から綺麗にして、良い花をたくさん咲かせることができる仕事がしたいです。
記者 「土壌から綺麗にして花を咲かせる。」美しい表現ですね!ありがとうございます。
Q2.これからどんどん人工知能(AI)が活躍する時代になってきます。AIが活躍する時代に、人間にはどのようなことが必要になってくると思われますか?
山下 「愛」ですね。
創造性もAIである程度できるようになります。人間の記憶にあるものと結び付けて新しいものが創り出されてくるので、AIの中にもいろいろなものが蓄積されていきます。「AとBを組み合わせたら新しいものができる」となれば、創造性にも繋がります。
絶対にAIに代わられないものは、「人の幸せを願うこと」や「愛情」です。
記者 質問に対して即座に「愛」という答えが返ってきたことに驚きました!普段から考えられていたのでしょうか?
山下 「AIに代わられないものは何だろう?」ということはよく考えています。
小さい頃、母の職場でもある老人ホームに連れていかれ、遊びながら仕事を見ていました。
当時は、認知症の方に対する身体拘束(※)が今よりも酷いときでした。両手両足が縛られているおばあさんを見て、
「幸せでなければ長生きしても仕方ないな。」
と思いました。
一方で、認知症でも幸せそうな人はいます。そのような方を
「治してやろう。」
と思うのはエゴだと気づきました。
最近気づいたのは
「年を取ったらみんな車椅子になって歩けなくなり、ぼけてしまって普通の会話ができなくなるものだ。」
という潜在意識が自分の中にあったということです。
記者 イメージの固定に気が付かれたことがすごいですね!ありがとうございます。
(※)身体拘束
行動を制限するための身体の拘束のこと。日本では、生命や身体を保護するため緊急でやむをえない場合を除き、省令で禁止されている。
Q3.生活習慣を変えていくプログラムをつくるなど、多くの方に影響を及ぼす仕事をされています。山下さんは、これからどのような美しい時代を創っていきたいですか?
山下 1人でも多くの人が「自分の幸せは自分で創る。」という意識で過ごすことができる時代です。
「もっと頑張らなければいけない。」という意識で目の前のことをこなしていくのではなく、自分の幸せを願い、幸せに向かって歩くことが当たり前の時代にしていきたいです。
記者 「頑張っていないから頑張る」という足りないが前提ではないということですね。
山下 少し先の方に理想の自分が見えていて、そこに向かって歩いていけば、苦しい道にはまり込まなくて済みます。
みなさん、自分で限界をつくりすぎています。もっと可能性をみることができる明るい世の中にしていきたいです。
記者 現代人はとても忙しく、目の前のことに追われる生活をしている方が多いです。日常と違うことをいきなり行うのではなく、日常の習慣が変わることで理想の自分になることが大事だと思いました。
山下 同じ日常でも気持ちの持ち方次第で、見え方は変わってくるので、すごく楽になります。気づき方もトレーニングだと思います。自分が悪い考えのサイクルにはまり込んでいることにも、気づけなければ抜け出せませんし、助けを求めるという発想にいたりません。
記者 情報化社会で外部からの刺激も多く、自分の内面に対して鈍感になっている方が多いです。「気づき方のトレーニング」素晴らしいと思いました。
Q4.山下さんが一番メッセージを届けたいのはどのような方で、その方にどのようなメッセージを届けたいのかを教えてください。
山下 自分自身が外からの刺激で動かされていることに気づいていない人に、まずそのことに気づいてもらいたいです。
「いい学校に入らなければ。」
「資格を取らなければ。」
これは「自分がどうなりたいか。」とは繋がりません。
記者 刺激が多すぎてなかなか意識が内面に向かわない人が多いです。気づくキッカケとなるサインはあるのでしょうか?
山下 体調だと思います。面白くないことやっている時は、とても疲れやすいです。「何かをさせられている感」は体調を悪くします。
体調の悪さは自分がやりたくないことをやっていることのサインです。
記者 なるほど!
山下 感情は体が硬くなったり、肩こりしたりという体調の変化として現れてきます。体調不良が続くときは、まず自分の感情に気づくことが大事です。
記者 体調というのは変化のキッカケとしてわかりやすいですね。
本日は起業にいたるまでの想いから、心と体の健康についてまで、大変貴重なお話をありがとうございました。
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【編集後記】
インタビューの記者を担当した吉田&風見です。
凛とした立ち振る舞いが印象的な山下さん。その裏には幼少期に老人ホームで感じた幸せについての疑問、そして人間に対する深い「愛」がありました。
今後の更なるご活躍を楽しみにしています。