楽しむ実践を大事に、子供たちが幸せな社会を創る NPOネオギャラクシー代表理事 ”入山忠さん”

NPOという、学校の外から子供たちが幸せになる応援をされている、ちょっぴり毒舌な、でも愛と情熱に溢れる”入山忠さん”にお話を伺いました。

入山忠さんプロフィール
出身地:福岡県
活動地域:福岡県
経歴:イベント会社、プロデュース会社などを経て、NPO法人グリーンバードで事務局長・理事を務める。2017年10月にNPOネオギャラクシーを創設。
現在の職業及び活動:NPOネオギャラクシー代表理事として、小学生向けのイベント事業・教育事業を行う。

子供たちが幸せになること

記者:入山さんはどのような夢やビジョンをお持ちですか?

入山忠さん(以下、入山 敬称略):私自身が何かをやりたい、というのはありません。子供たちが幸せになるような社会を創りたいです。

そのためには、教育を根本的に変えないといけません。子供たちの本質は昔も今も変わっておらず、興味を持つことさえ大人が用意してあげれば、のびのびと育つはずです。

現状、多くの大人たちが会社に行くことを楽しいと思っておらず、会社に忙殺されてしまっています。生活のために仕事をしている人が多く、人間がつくったはずのお金であるにも関わらず、人間よりもお金が上になってしまっています。

子供たちには「仕事とは人に喜んでもらうことによって価値が生まれ、結果としてお金がもらえる。」ということを分かってほしいです。「この職業だから年収がこれくらい。」というのではなく、たとえば「プロ野球選手は年間何試合に出て、これくらいの人数を熱狂させているからこれくらいの価値がある。だから年収がこれくらい。」という考え方です。

NPOグリーンバードにいたとき、有名大学に通っていた学生インターンが多数いました。みんなバイタリティもあるし、企画力や行動力もあります。すごく優秀な人ばかりで、学生団体やサークルの代表をやっている人も多かったです。それなのに、みんななぜか疑問を持たずに就活をするんですよ。そして、”いわゆる普通の社会人”になって悪い意味で仕事に忙殺されてしまうのです。

greenbird(グリーンバード) – ゴミ拾いボランティアのNPO

この原因は、日本の義務教育や、環境にあると思っています。日本は横並び風潮が強い国なので、周りに言われるがまま高校に進学して、なんとなく大学に行って就職がゴールで親も安心、という人が多いです。昔の教育が残ったままなので、せっかくの個性が生きないんです。

子供たちの環境づくりを大事に

記者:「子供たちが幸せになる社会を創る」という夢を具現化するために、どんな目標や計画を立てていますか?

入山:子供たちの環境づくりから始めています。

「今、社会ではどういうことが問題で、その問題を解決するにはどうしたらいいのか?」というような、発見力、創造力、具現化する力が必要だと思っているのですが、日本の義務教育は、それらの力を養う設計になっていません。

学校のテストでは、用意された問題を解くことが多いため、自ら課題を見つけて、それを解決する力が養われていません。あと、みんな小学校や中学校の授業を覚えていますか? たぶん、ほとんど覚えてないのではないかと思います。おそらく、単純に楽しくなかったので記憶に残っていないのです。

でも、理科でやった実験とか社会科見学とかは覚えてたりしませんか? たぶ
ん、楽しかったんです。私は楽しくて効果的な教育をつくりたいんです。しかし、今すぐ学校の授業を根本的に変えることが難しいのも事実です。だから、放課後の時間をうまく活用し、発見力、創造力、具現化する力を身に着けることができる実践的な塾をつくりたいんです。

子供たちの体験を大切にすること

記者:入山さんは、現在どのような活動指針を持って、どのような活動をしていますか?

入山:子供たちの体験と親子の協同を目的に、まずは得意なイベントという手法を使って活動しています。

現在行っている具体的な活動としては、「アソビイチ」というリサイクルバザーを通じた職業体験疑似通貨を使った価値教育を融合したイベント、そして「アルクエスト」という謎解きとウォーキングをかけ合わせた親子向けのイベントを開催しています。1 回のイベントで参加者は1000 人を超えることもあります。

「アソビイチ」のリサイクルバザーでは、子供たちが要らないものを会場に
持ってきて、それをイベントでしか使えない通貨と交換します。さらに、その通貨で他のおもちゃと交換するのです。イベントを通して通貨の体験をしてもらうことが目的です。また、バザーの査定をする人、陳列する人、各コーナーのスタッフは小学生に行ってもらい、イベント通貨で給料を支払います。子供たちが自然と楽しみながら、職業体験や価値の体験ができるように設計しています。

「アルクエスト」は、楽しみながら謎を解いていき、自然と歩くことができ
ます。何より、このイベント自体が親子の思い出となり、大人になっても記憶に残ってもらえばとても嬉しいと思っています。

現在はイベントを軸に活動を行っていますが、これは手法の1つにしか過ぎません。子供たちにとって「楽しいこと」であり、それが将来にとって良い「学び」「成長」につながるよう、これからも様々な仕掛けを作りたいと思います。

純粋に子供が好き

記者:そもそも、「子供たちが幸せになる社会を創る」という夢を持ったきっかけは何ですか?そこには、どのような発見があったのですか?

入山:そもそも私は純粋に子供が好きなんです。

若い時には保育士になりたいと思っていたほど、子供が好きでした。12歳年下のいとこがいて、小さい頃からよく一緒に遊んでいたこともあり、子供と遊ぶことが楽しかったです。

今では、私にも子供がいます。当然、ただ遊ぶだけではなく子供の将来を自分ごとで考えるようになりました。もちろん、子供には楽しい人生を送ってほしいし、希望を持って生きていける社会が良いです。それを作るのは今の大人の役割でないかと思いました。

本当の自分の力を知ることが大事

記者:NPOネオギャラクシーを立ち上げられた背景には、何があったのですか?

入山:NPOネオギャラクシーを立ち上げるにあたって大事にしたことは、「本当の自分の力でどこまでやれるか?」です。

人間というものは、常に何かの力を借りて生きています。例えば、会社に所属している間は会社が守ってくれます。会社の名刺、会社の看板を持ち、会社の仕事をすれば給料がもらえます。

NPOグリーンバードに所属し、いろいろな人と一緒に仕事をしていると、周囲からは私個人として見られないことが多くなりました。そうなると、自分の本当の実力がどのくらいあるのかもわかりづらくなっていったのです。

そういった背景があり、自分の事業としっかり向き合うことで、本当の実力やつくった事業の求心力を知りたくなりました。そして、昨年1年間徹底的に考え、それまでの仕事も人脈も、必要ないと思ったものは全部そぎ落として、今の教育事業1本に専念することにしました。

ちなみに、私は「おじさん」が嫌いなのですが、ここで言う「おじさん」とは、年を重ねた人という意味ではなく、

「動かなくなった人」
「チャレンジしない人」
「弱い立場の人に強く当たる人」
「相手を攻撃することで自分を守る人」

を指します。私は常に進化している人が好きですし、自分もそうなりたいです。

自分の本当の実力に向き合うことで誤魔化さずに正しく成長することができると思っています。それが今の活動を成長させ、少しでも多くの子供たちの幸せにつながるように一生懸命頑張っていきたいです。

記者:入山さん、今日は本当にありがとうございました。

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入山さんについての詳細情報についてはこちら

↓↓↓

Webサイト:NPOネオギャラクシー

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編集後記

今回インタビューの記者を担当した吉田です。

お話を伺う中で、私利私欲でない、純粋な思いをお持ちだと感じました。そして、他人に対して意見をはっきり言うことができるのは、ご自分に対しても本気で向き合われているからだと思いました。

自分という存在が持つ力を知りたいという本質的欲求と、子供の未来を考えた実践行動という、本質・現実の両パートの欲求を持ち、力を発揮されている入山さんでした。

今後の更なるご活躍を期待しています!

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