「知るべき情報が知るべき人に簡単に届く社会を」monocla株式会社 執行役員 兼 事業戦略室長 山田真史さん
現在は中小企業の情報発信サポートに努めておられる山田真史さん。専門学校を卒業したところから、大手企業、中小企業に勤めて様々な人と出会う中で、知るべき情報を知れる重要さを実感。そんな山田さんのストーリーを伺いました。
プロフィール
出身地 北海道札幌市
活動地域 北海道
経歴 音響の専門学校卒業後、自動車メーカーの営業などを経験し、リクルートカーセンサーに入社。エリアスタッフ責任者として企画・運用の推進、設計・バックオフィス業務管理など幅広く担当。 その後、東京本社に異動、全国約400名の営業に対する運用設計、推進に関わる。 地元札幌に帰ることを機に、グルーコード株式会社に入社、社長室長(現任)。グループの様々な事業の推進を行いつつ、monocla株式会社の執行役員兼事業企画室長(現任)として事業企画やサービス運用設計を行っている。
現在の職業及び活動内容 monocla株式会社 執行役員 兼 事業戦略室長
知るべき情報や知るべき人に簡単に届けられる社会を
Q:どのような夢やビジョンをお持ちですか?
山田 知るべき情報が知るべき人に簡単に届くような仕組みをつくりたいと思っています。
今はネット社会になり、ググれば何でも調べられる時代です。でも、求めている答えに簡単に辿り着けるかというと、そうでもありません。インターネット上で目に付きやすいのは、立派な経歴の経営者、過去の偉人などのとてつもない成功体験を持っている人たちの情報です。もしくは、基本的な情報や悪評的なものもよく見ますね。情報に順位があるとしたら、上位と下位のところばかりが目にきます。その間にある情報を知りたい人は多くいると感じていますが、現状ではなかなか出会えない状態になっています。
私自身の経験から言うと、2018年に大手企業から中小企業に転職したのですが、大手企業にいた時は、周りにたくさん人がいるのですぐに人に聞けました。上司、先輩、同僚など、私の仕事を理解してくれる人たちがいて、何かあれば相談したものです。けれど、中小企業だとそうはいきません。人がいないのでとにかく自分でインターネット上から調べるしかないんです。インターネットの情報は多方面に発信されていて、かつ同じ内容の情報であふれかえっています。そんな中、自分が求めている情報を一つ一つ調べていくのですが、なかなかほしい情報を探し出せません。読み進めてみて違うな、となってまた次を読み進めて。。。自分が知りたい情報って、簡単に探せるようになっていないんですよね。
また、情報だけでなく人との出会いも人生において大きいものだと感じています。実は、私は専門学校卒業で、この学歴では今の社会で出世するにはまだまだ厳しさがあります。けれどそんな私でもありがたいことに大手企業で責任ある仕事を任され、今も事業戦略室長というポジションをいただけるようになりました。これは出会うべき人に、出会うべきタイミングで出会えたことが大きいと思っています。それって奇跡的なことですよね。自分を理解してくれる人が、適切なタイミングで適切なミッションを与えてくれたんです。そのおかげで今の私があります。
出会うべき人に出会うべきときに出会えること、知るべき情報が知るべき人に届けられること、それをもっと簡易につなげていく仕組みをつくって、周りの人たちが豊かな人生を送れるようになっていけばと思っています。
積極的に人と関わりながら、情報が届いているのかを検証する
Q:「知るべき情報や人が知るべき人に簡単に届けられる社会を」という夢やビジョンへ向けて、どのような目標や計画をお持ちですか?
山田 できる限り積極的に人と関わるようにしています。例えば、この前も学生さんと話をする機会がありました。学生さんたちが、働くとは何かとか、仕事とはなどを調べてみても基本的に圧倒的成功者の話しか出てこないわけです。私みたいに普通にサラリーマンでやってきて、色々ありながらもそれなりに成長の道を歩んできた人の話ってインターネット上でなかなか見つけられないものです。サラリーマンの比率は約9割なのに見つけにくいのです。ですから、私がどんな生き方、働き方、何に困っているのか、性格なども含めそんなリアルな情報を積極的にお伝えすることで、彼らが知りたい情報の橋渡し的なことができたらと思っています。
また、町内会の役員もやっていますが、これも普段だったら関わらないようなところにあえて関わってみようと思って始めました。オンラインではTwitterを始めたのも、普段なら交わらないところに交わるきっかけをつくりたかったからです。そうして自分自身を開示しながら情報を提供し、どんな情報が相手に有益なのか、届くのかを実体験しています。
弊社の事業でも中小企業の情報発信をサポートしていますが、やっぱり大手企業がお金を投じて発信する情報が受信側に届きやすいんですよね。日本は中小企業のほうが圧倒的に多く、中小企業の素敵な活動がそれを欲している人にしっかりと届いてほしいと思って事業展開しています。そうした中でも知るべき情報が知るべき人にどうやったら届きやすくなるのかを考えています。
目に届く人たちを幸せにする
Q:その目標や計画に対して、現在どのような活動指針を持って、どのような基本活動をしていますか?
山田 まずは自分の目が届く範囲の人たちに関わっていっています。相手が知るべき情報を得ているのかどうか、リアクションが見えないとわからないので、私にフィードバックが届く範囲でやっています。周りの人に知りたがっていると思って伝えた情報が届いていないならその原因が何なのか?どうすれば発信者と受信者がマッチするのかを常に考えています。そして、それを小さく繰り返し、私の情報で誰かが幸せになれば、その誰かが目の届く範囲で誰かを幸せにする、そうしたらさらに向こうの人まで幸せが広がる、そんな連鎖を起こしたいと思います。
相手に届かないと言葉にならない
Q:「知るべき情報や人が知るべき人に簡単に届けられる社会を」という夢やビジョンを持ったきっかけは何ですか?そこには、どのような発見や出会いがあったのですか?
山田 どんな人や情報と出会うのかは大事ですが、それと同じくらい相手に届かないと言葉にならないということを念頭に置いています。
大手企業で仕事をしていた時に、部下を10人くらい持ち、関わる別部門の関係者が20~30人くらい、そして400人くらいの様々な営業の人たちと関わる中で、なかなか言ったことが伝わらない悩みを抱えていました。元々、私はパッションで行くタイプで(笑)。最初は「思いがあればあれば伝わるはず!」って思ってたんですけど、これが伝わらないわけです。コミュニケーションがうまくいかなくて、あの頃は辛かったですね。それで、ただ一方的に伝えるのではなく、相手に届かないと言葉にならないんだ、と気づいたんです。「好き」と言っても相手に伝わらないと言葉の意味を成さないですよね。情報も同じで、相手に届いた内容がその情報となります。そこからどうしたら相手に伝わるか、届くかを考えるようになりました。
記者 伝わらずうまくいかなかったことを諦めなかったのはなぜですか?
山田 唐突ですが、かっこ悪い生き方はしたくないと思っていまして、私にとってのかっこ悪い生き方とは、諦めることや差し出した手を下げることです。何かやる時にも、いつもそれがかっこ悪くないかどうかで判断しています。
人や情報との出会いで救われた
Q:「相手に届かないと言葉にならない」というきっかけや発見の背景は何ですか?
山田 大手企業の中で責任あるポジションを任された時、周りの素晴らしい方々を見ると自分の未熟さを痛感したものです。それと同時に、そうは言っても専門学校卒業でありながらここまで来れた自分がいるという自負もありました。なぜここまで来れたのだろうと振り返ってみると、私を支えてくれた人たちがいて、重要な情報に出会っていたんです。人生の大事なターニングポイントに出会うべき人に出会って、学んできたことで今の自分がいるのだと実感しました。
特に私にとって心に残っている言葉があります。一人は前の会社の上司で「半径3m以内にいる人を幸せにしなさい」といつも言っていました。そしてもう一人は「0→1だけでなく、マイナスから0に戻すことも重要だ」と言ってくれました。私自身は自分が発信する情報や日の目を見ることのない行動が無意味だと思っていたんですが、実際はそんなことはなく、周りが苦労しないようにと思ってがむしゃらに行動していた結果、事業や多くの人が助かっていたのだと気づいたんです。この時、仕事がとても忙しくて「一体何のためにやっているのか?」「なぜ生きているんだろう?」と思いつめていました。この言葉に出会えたことで心が救われ自信が持てるようになりました。そこから、自分が持っている情報や自分の些細な行動が何か役立つことがあると思い、目の前にいる人を幸せにしようと、周りの人が知るべき情報を知ることができるように考え、取り組むようになりました。
今はコロナ禍の中で、人と会う機会が減り、自分ひとりで調べたり考える機会が余計に増えています。インターネット上で探す中で、この人の情報は自分にピンポイントだ!っていう情報に出会えたら、「助かった!!」とものすごく心が救われます。知るべき情報がもっと簡単に知れることで困らなくなる人を増やしていきたいです。そのためにも、私自身が自分を開示し情報発信することで、”私という個人”の情報で「助かった!」と思える人を増やしていきたいですね。
記者 ご自身が人や情報との出会いを通して大きく変化した実感から、人や情報との出会いを大切にしておられるのですね。誰もが”その人が”知るべき情報を簡単に知れる仕組みがつくられる社会はとても素晴らしいと感じました。本日は貴重なお話をありがとうございます。
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★HP
monocla株式会社
【編集後記】
今回、インタビューを担当した小水です。
真剣な熱さと、おおらかな笑顔のギャップが印象的な山田さん。
「伝える」というとても難しいことに諦めることなく取り組み続けておられる姿勢に感動しました。
IT社会となる中で、人や情報との出会い方は大きく変わっていくでしょうし、誰もが向き合う必要のあることだと思います。
「伝わらない仕組み」を知ることで、「伝える」ことの革命的変化を起こしていける、そんなワクワクな未来のイメージが広がりました。
今後も山田さんのますますのご活躍を応援しています!