本当の地域活性化の姿を創る、ときがわカンパニー合同会社代表、関根雅泰さん

子供たちを「自然豊かな環境で育てたい」と移り住んだ「ときがわ町」に人が集まり、仕事が生まれる状態を創る。そのために様々な試みをされている関根さんにお話を伺いました。

プロフィール

出身地 : 埼玉県鴻巣市

活動地域 : ときがわ町

経歴 : 県立熊谷西高校を卒業後、アメリカに渡り、南部ミシシッピー州の4年制大学に入学。初めて「学ぶ楽しさ」を知ってHonor Student(優秀学生)としてA評価をとり続け卒業。日本に戻り、東京で小中学生向けの学習教材の訪問販売の仕事をする。2005年株式会社ラーンウェル設立。

2013年、東京大学大学院 学際情報学府 修士号(学際情報学)取得。

2016年、埼玉県比企郡にときがわ町に「ときがわカンパニー合同会社」設立。

現在の職業および活動 : 二つの会社の代表を務め、ときがわカンパニーでは「ときがわ町に人が集まり、仕事が生まれる状態」を創るため、ときがわ町起業支援施設の管理運営、「比企起業塾」を開催し、ミニ起業家を支援している。

ときがわ町に人が集まって仕事が生まれる状態を創りたい

Q.関根さんの思い描いている夢・ビジョンを教えてください。

ときがわ町に人が集まって仕事が生まれる状態を創りたいんです。
安心して子育てできる所を探して、10年前に移住してきたのですが、
ここは田舎の人もわざわざ移り住んでくるような街並みの美しさが残っているのですよ。でも子供たちは大人になると仕事がなくて東京などに出て行ってしまい、人口も減少しています。
それに対して「自分ができることは何だろう」と考えました。
私はもう一つの会社では企業研修の講師業を専門としていたこともあり、
「仕事は自分でつくる事ができる」という起業家を育てたいとその時に思いました。
ミニ起業家と呼んでいます。ここは家賃も物価もそんなに高くないのでそんなに稼がなくてもいい、働く日数や売り上げの上限を決めてそれ以外は家で過ごせる、そういう価値観に共感してくれるミニ起業家と一緒にやっていきたいと思っています。
今の町長さんが以前、「地域の活性化」は小さなお店や個人が元気であること、とおっしゃっていてとても腑に落ちたんです。自治体や県や国は町の総合計画、グランドデザインとか言って上からつくろうとするんですが、そうではなくて個人やお店が元気に好き勝手やっていると町も元気になるのではないかなと思います。ミニ起業家ってそれを実現化する存在だと思います。

Q.それを具現化するために、どんな目標や計画を立てていますか?

仕事を生み出すという事には起業家の育成をしています。そのために
起業相談を受けたり、各種セミナーや起業に関しての本の読書会を開催したりしています。「比企起業塾」を半年間単位で運営して、ミニ起業家を生み出し、事業を継続できるよう支援しています。
人が集まる、という事には「関係人口」を増やすことをテーマにしています。
いきなり移住は難しいし、観光客を増やしてもいちげんさんに留まってしまいます。なので都会の人に継続的に田舎に関わってもらう「関係人口」を増やして気に入ったら住んでもらいます。また、住まなくても時々来てもらうという状態ですね。読書会に来てくれた人たちに次は講座をやってもらったりしてお客さんではなく主役になってもらっています。

Q.その目標や計画に対して、現在どのような活動指針を持って、どのような(基本)活動をしていますか?

「学び上手」な人を育てたいと思っています。
人が何から学ぶかというと、経験、人、書籍からだと思うのです。
例えば起業相談に乗っていて助言すると、素直に聞いて自分なりにやってみる人と、聞くけどやらない人、そもそも聞かない人と色々いますが、学び上手な人は一番最初の人だと思います。サラリーマンはあまり学び上手じゃなくてもやっていけるかもしれませんが、起業家はそれだと続かないです。
決まったものをいっぱい作れるとか言われたことをキチンとできるだけでは通用しないです。
人に「学び上手になれ」と言うからには自分がなってないといけないので、自分がちゃんと学べているのか、人の話を聴けているのかいつも考えています。

Q.そもそも、その夢やビジョンを持ったきっかけは何ですか?そこには、どのような発見や出会いがあったのですか?

ときがわ町に住む前は都内に通勤していたのですが、仕事が忙しくて家族との時間が取れなくなる、と感じました。
それと、ある時地域の方が道に落ちていたたばこの吸殻を拾っているのを見て「いけないな」と思ったんです。自分は妻と子供をここに残しているのに地域に何も貢献していないと。
父ががんで亡くなったこともあって人生の終わりを意識したこともきっかけではあります。

Q.その発見や出会いの背景には、何があったのですか?

高校時代、普通の進学校でしたが、みんなが大学へ行く流れに乗っていくのが嫌でした。人と同じことをするのは嫌だったんですね。知人にアメリカの大学に行った人がいたこともあってアメリカに行きました。親も何も言わず応援してくれました。好きなことをやらせてもらえる、そんな風に育ててもらったことは大きいと思います。アメリカでは本当に学ぶことの楽しさを知りました。
ですが一番の出会いは奥さんとの出会いですね。留学の時に一目ぼれしました(笑)。彼女から人の立場になって話を聴くことの大切さや、人生で大事にしたい事の価値観に対して影響をうけました。沢山教えてもらってます。
起業相談に来た方に「関根さんは偉そうじゃないですね。」と言われますが奥さんのおかげと思います(笑)。

豊かに生きることとはどういうことなのか、という思いをときがわ町をモデルに具現化しようとしている関根さん。奥様とのパートナーシップのお話も本当に感動的でした。貴重なお話をどうもありがとうございました。

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関根さんの活動についてはこちらから↓

ときがわカンパニー https://tokigawa-company.com/

【編集後記】

インタビューを担当させていただいた、見並と善家です。

関根さんのお話を伺いながら、ときがわ町がどんどん活性化されて生き生きした人たちであふれていく様子が思い浮かびました。これからの地域活性化のモデルとなりそうな素敵な試みは、やはり素敵な人たちが仕掛けているんだな、とわかりました。これからもご活躍楽しみにしております!

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