感動を創り続ける動画クリエイター゛フリーハガー 桑原功一゛さん
諦めないで勇気を持って行動して欲しい!と語り、自らチャレンジし続ける、フリーハガー”桑原功一さん”にお話を伺いました!
Profile
出身地:群馬県
活動地域:アジア地域全般
経歴:
大学卒業後、教員になる前に見聞を広めようと世界一周へ出発。
その時に出会った韓国人や中国人の優しさに激しく心を打たれ、日本人が抱いている彼らへの偏見をなくすために2011年よりフリーハグ活動を始める。
今までアジア18カ国でフリーハグを行い、2020年は世界五大陸で活動を拡大する予定。現在の職業および活動:フリーハガー(you Tuber)
座右の銘:
青春時代の失敗とは、失敗を恐れて挑戦しないこと
--どんな活動をされていますか?
桑原功一さん(以下桑原)
海外でフリーハグという活動をしています。
現地の友人に撮影をしてもらい、フリーハグの映像を作っています。
韓国は友達に頼んで撮影してもらっていますが、他の土地は「カウチサーフィン」というホームステイ体験のできるWEBサービスを利用して撮影協力をしてくれる人を見つけています。
今までアジアを中心に18カ国でフリーハグを行いました。
「多くの人に感動を与えたい」
--では、今の活動に対しての夢・ビジョンなど教えて下さい
桑原)多くの人に感動を与えたいというやりたいことがあるだけで、夢やビジョンはないです。
元々は2年で世界一周して帰って来たら本を出したり講演したりしながら、学校の先生をやって行きたいと考えていたのですが、世界は広く2年では全く足りなくて、まだ今のところ半周しかしていません。
それでも、将来的に教育に携われていけるようになったら本望ですね。道徳の教科書に載れるくらい立派な人生を送れたらいいな、というのがありますね。
「世界中の人を感動させるような動画を作りたい」
--では、今後の目標や計画などはありまか?
桑原)2020年はフリーハグ5大陸プロジェクトをやっていくつもりですが、年頭は日本との関係が冷え込んでいる韓国で、自分にできることを精一杯やっていこうと思っています。
そして最終的には動画をひとつにまとめて世界中の人を感動させるような動画を作りたいと思っています。
「世界5大陸でフリーハグ」
--その目標に向かって行動している事を教えて下さい
桑原)2019年5月にクラウドファンディングを実施し、多くの方のサポートにより目標金額を無事達成することができました。
しかし、初めに訪れた韓国の反響が良くて、その後、香港、フィリピン、オーストラリアに行く予定でしたが、韓国に留まり活動していた方が自分が伝えたいメッセージを最大限に表現できるのではないかと思い、航空券をキャンセルして、このプロジェクトを一時中断しました。
まだ日韓関係が良くなる兆しもなく、この先のこともまだよく分からないのですが・・・
記)確かに凄い反響ですし、伝えたいメッセージを伝えるとても重要な時なのだと感じますね。
「存在するだけで価値があるんだよ」
--では、活動をしていく中で発見したことや気づいたことはありますか?
桑原)自分の思いは別にして行動を起こすことによって、見た人が勝手に解釈して色をつけようとしてきますね。
この活動は今年で9年目になりますが、活動を始めた当初はフリーハグの意義や目的についてよく考え、論理武装をしようとしていました。毎回動画がバズるたびにネット上で賛否両論あって、そうする必要があったのです。
でも、結局考えたり、悩んでも仕方がないという結論にたどり着きました。
僕とネット上でコメントをしている人たちの違いは「行動を起こしているかどうか」の違いだけしかないんです。
だったらその「行動」の部分だけ最低限続けようと思うようになって、今は足だけを動かすことに集中しています。
反日デモの時は、普通に考えたら、あんなところでやろうとは思わないじゃないですか。
でも、長いことこの活動をやってきているので、頭を無にしてあの場に立つことはできました。怖かったけど。でも、皆に真実を見せたいという思いがあったし、もし自分に何か起きても撮影は続けてくれと撮影してくれる友人に言っていました。
フリーハグは完全に無防備で行う活動なので、「もしも」があります。
それでも続けてこれたのは、最低10年間はやろう、と一番最初に決めたからです。とにかく10年間はやらないと結果っていうものは出ないと思っているので、今も続けています。
あとは、自分が誰かの役に立って、人に喜んでもらえることって滅多に見つからないじゃないですか。それを僕はたまたま見つけることができた。それに自分がやらなきゃ誰もやらないですしね。
正直、そんなに楽しんでやってる訳ではないんです。
う〜ん。とにかく難しい!(笑)
よく友達には自分が好きなこと、楽しいことやれよとか言われるんですけどね。
記)葛藤しているのですね。
桑原)ものすごい葛藤してますね。フリーハグ大好き!でもないし。(笑)
記)では、なぜ続けているのでしょうか?
桑原)動画を作って、感動を届けたいという気持ちがあるからですね。
「こんな素晴らしい世界があるんだよ」「この世界は生きるに値するよ」「あなたは生きているだけで価値があるんだよ」というメッセージを伝えたいからです。
フリーハグはそれを表現する為の手段のひとつです。心から楽しめたらいいのですが、少し義務感になっているのは否めませんね。
「語学留学とマットダンスとの出会い」
--フリーハグにたどり着いたきっかけを教えて下さい
桑原)大学を卒業した後、学校の先生になる前に見聞を広げようと世界一周しようと思い立ったんです。英語を話せた方が世界一周は楽しいと思ったので、格安語学留学で有名なフィリピンに行きました。
その語学学校の生徒400人中、日本人が12人で、あとは全員韓国人でした。
英語を勉強する為に行ったので、韓国人の友達を作ろうとはその時は全く思っていませんでした。多分、メディアのすり込みだと思いますが、その当時、自分自身の韓国人に対するイメージもそんなに良くなかったし、韓国人は全員日本人のことが嫌いじゃないかとも思っていました。
でも、日本人が少なかったのもあって、なぜか自分が人気者になってしまったんです(笑)。全然絡んだことのない韓国人の生徒達も、自分のことを知っていたり、声かけられたり、沢山の韓国人の友人ができました。
その時、なぜ自分は韓国人に対して良くないイメージを持っていたんだろう、という疑問を持ちました。
一旦海外に出てみれば簡単にそれが偏見や勘違いだということに気づくのに、なぜ日本にいた時の自分はそんなイメージを抱くようになっていたのだろうと不思議に思いました。
フィリピン留学の後、オーストラリアワーキングホリデーに行きまして、韓国、台湾、香港とか東アジアの人たちとの交流にのめり込んでいきました。
その時住んでいたシェアハウスは東アジア人しか住んでいなくて、そこではみんなが仲良くて、ある時、ふとこう思ったんです。
「東アジアって国同士、政治的には色々と問題があるけれど、今僕の目の前にある状況って理想郷じゃないのか?東アジアの人たちってこんなにも仲良くなれるんだ」って。
「この輪を広げて行けば、世の中もっと面白いのにな」って思いましたね。希望が見えました。
その時、YouTubeで『 Where the Hell is Matt 』という動画に出会って、人生変わりました。
ある一人のアメリカ人男性、マットさんが世界各国の観光名所で踊っているだけの動画なのですが、当時YouTubeは毎年、その年の一番インスピレーションを与えた動画に賞を送っていて、この動画が選ばれていました。
自分ももれなく感動して涙を流して、自己肯定感がものすごく高まりました。
人間って世の中の役にたっていないと生きてる価値がないとか思ってしまうけど、その動画は「あなたの存在自体が価値そのものなんだよ」と言っているようで、当時の僕は何者かになりたくて焦っていた時期だったので、とても救われました。
と同時に、こんな動画を作ってみたいと思うようになりました。
この動画を自分なりに分析した結果、一人でできること、誰にでもできること、どこでもできること、言葉を使わないもの、これら4つの要素に当てはまるものを探し始めました。
そして、韓国を訪れた時に、フィリピン留学時代に抱いていたあの疑問を思い出しました。
きっと自分が偏見を抱いていたように、他の人も同じように韓国人に対してあまり良いイメージを持ってない人がいるはずだと思い、それを解決する手段として「日本人としてフリーハグを韓国でやってみたらどうなるのか」と思ったんです。
実はマットさんの動画が賞を取る2年前にフリーハグの動画がその賞を取っていたのですが、初めてフリーハグの動画を見た時はそんなに感動しませんでした。
これは日本の文化ではないし、日本では絶対無理だと思っていましたからね。でもずっと頭の片隅にあって、もしこれを韓国でやって、日本人と韓国人がハグしたら、それはものすごく大きなメッセージになるのではないかと思って、それで成功してうまいこと動画ができたら多くの人の意識を変えられるんじゃないかと思ってやってみました。
記)目隠しをするのは?
桑原)ISIS(イスラム国)が5年前に世界中でニュースになった時、カナダやフランスでイスラム教の人が目隠しをして「私はあなたを信じます」というフリーハグ活動を始めました。その動画は世界中に拡散され、自分もこれを観て、新しい形のフリーハグとして活用できないかということで4年前から韓国と中国でやり始めました。
記)なるほど、実際やってみてどうでしたか?
桑原)実際やってみると分かると思うんですが、真っ暗なんです。そして腕も痛くなってくるし。誰がいつハグくるか分からない、どんな人かもわからない。当然、怖いです。
でも、目隠し関係なく、どんな形でフリーハグをするにせよ、毎回ある意味、覚悟はしています。
「1人では何も変えられないけど、全ての始まりはいつも1人から」
--では一番伝えたいメッセージは?
桑原)偏見を無くしたいというのが一番の目的です。
日韓関係がよくない今だからこそ、韓国でこういう活動をした方が多くの人にメッセージが届くのではないのかなと思っています。
1人では何も変えられないけど、全ての始まりはいつも1人からです。
水面に一滴の雫を落とせば、波紋が広がっていくように、自分がまず行動して、その「1人目」になって多くの人に希望を届けたいです。
そして、1人では大きなことはできないと思ってる人にも、こんな馬鹿げた方法でいいんだって、感動を与えられるんだって、それが人の人生を変えてしまうことだってあるということを、これからの動画で伝えていきたいです。
今後、マットさんの動画を観て自分も動き出せたように、僕の動画を見て同じようなコンセプトで活動する人が現れたらそれは最高の喜びですね。
記)最後に読者の皆さんへ一言お願いします。
桑原)2020年はリライズの年にしましょう!私もリ・リライズの年にします!
記)ありがとうございます!みんなでリライズしていきましょう!
今日は、お忙しい中、本当にありがとうございました。
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桑原さんの活動はこちら↓
◼️youtube
https://youtu.be/nyQ5YCsAq2w
◼️Facebook
https://www.facebook.com/freehugs4peace/
【編集後記】
インタビューを担当した、原、瀬戸、秋葉です。とても気さくに素敵な笑顔でお話し頂きました。葛藤がありながらも続けるという意思と、感動する映像を作っていきたい心をとても感じました!もっと聞きたかったです。
2020年東京オリンピックでは、地元群馬で聖火ランナーも務められる桑原さん。益々のご活躍を応援していきたいと思います!
桑原さん、ありがとうございました。
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