創造性のある子どもを作る環境を作る 一般社団法人子育てカウンセラー協会 理事長、角田智子さん
ISDロジックを子育てに活用した「赤ちゃんともち」の性格分析を生かした子育てメソッドを普及する、一般社団法人子育てカウンセラー協会理事長の角田智子さんにお話しをうかがいました。
プロフィール
出身地:熊本県山鹿市
活動地域:福岡を中心に西日本
経歴:卒業後地元の企業に事務員として就職
出産を機に退職し、専業主婦となる。イベントでISDと出会い、学ぶ中で自分自身大きく変化しISDの可能性を感じる。
現在の職業および活動:一般社団法人子育てカウンセラー協会理事長
ママが笑うと家族が笑う
Q.今後はどのような夢やビジョンをお持ちですか?
角田さん(以下角田、敬称略):ずっと持っているテーマがあって、ママたちの笑う回数を増やしたいって思っています。
子どもが400回で、大人は15回。
何の数字だと思いますか?これ、実は1日に笑う回数なんですよ。5歳児は3分に1回笑うのに対して、大人は1時間に1回も笑っていないんです。
子ども達の心はお母さんの表情ひとつで大きく影響されるから、笑わない大人のもとで育つ子どもたちはどうなるか分かりますよね?だから、ママが笑えば家族が笑うって思っているんです。
私も以前自分の中にもやもやした気持ちがあって、爆発しそうな時代があったのですが、笑えていないのも無意識でしたし言われて気付いたんです。
だからと言って無理して笑うのではなく、笑えない理由にもちゃんと向き合います。
例えば、お母さんだからこれは言ってはいけないと思ったり、泣きたくても子どもの前では泣けないから泣くことを我慢しているお母さん方ってたくさんいます。笑うことができなくなってしまっていることに気付いたとしても、それでも我慢している。泣くことも笑うこともできなくて、自分の心を無視してしまっているのです。
人の評価で一喜一憂するのはきついですから、お母さんだって自分の心をしっかり拾って「これでいいんだ!」って自分らしく生きてほしい。
お母さんが笑って幸せでいることで、子どもたちも笑って自分らしく生きることができると思います。
記者:そんなに笑う回数が違うなんて衝撃でした!
小さいとき、確かに親の表情って気にしていた気がします。特にずっと一緒にいるお母さんが幸せに笑っていることは重要ですね。
Q.ではママたちの笑う回数を増やすために、どんな目標や計画を立てていますか?
角田:これ!といった計画は立てていないのです(笑)
でも、私自身ISDと出会ってから今の人生が始まったので、できれば全国のお母さんにISDロジックや赤ちゃんともちのテキストが渡って、そこからお母さんたちが笑い始めるといいなと思います。
今まで子育てに悩んで、自分にも×、子どもにも×の評価をしていた人が、ISDを取り入れることで×から〇に変わるんです。10年間悩んだことが、6時間で解けて笑い始めちゃうんですよ。
自分を客観的にみれるようになるから、過去の自分に対しても笑い始めるんです。
お母さんが子育てが面白いと思えたら、若い人が私も子育てをしたいと思えて自然に子どもは増えると思います。楽しそうな大人がいないと子どもも大人になることへの希望を持てないけれど、大人が笑って楽しそうにしていたら子どもも早く大人になりたいって思えますよね。
記者:まさにその通りだと思います。大人がしっかり人生楽しんでいることが大切ですね。
Q.日々大切にされている活動指針はありますか?
角田:自分の感情や日々思ったことなどの、喜怒哀楽を毎日書くようにしています。ポジティブなこともネガティブなことも両方書きます。そうすることで、なんでそれを言われて嫌だったのか、怒った理由が分かるし、喜怒哀楽の原因が分かるんです。
これやると、意外と見たくないものがたくさん出てきて結構私黒いんですよね(笑)でも、そういう自分も自分だなって言えるようになっています。
「私実は結構根に持つ系で、ちくちくしているからね!」と、自分から言えるようになりました。全部出し切ることが大切なんですよ。
例えば嫌なことを我慢したら、自分が自分に禁止しているから、相手に対しても怒っちゃうんです。
この記録は自分以外には見られないようにして、言葉を綺麗にせずに思ったまま変換せずに出すんです。出せば出すほど人の心を感じられるようになるし、無くなったと思ってもまだこんな自分が居たか!って、吐き出すことによって軽くなります。
溜めてたら腐ってくるし自分の性格が捻じ曲がってくるんですよね。
かれこれ2年半、毎晩やっています。
家族になら見せられるので、子どもたちに見せています。我慢したくないし、子ども達にもさせたくないですから。子ども達には先生に言われたから、お母さんに言われたからではなく、自分がどう感じたのかの心の反応を分かった上で本人が選べるような人間になってほしいと思っています。
記者:とても理想的な親子関係ですね。
Q.そもそも、その夢を持ったきっかけは何ですか?そこには、どのような発見や出会いがあったのですか?
角田:きっかけは1度や2度ではないと思うんです。でも、自分がもともと怒りっぽいことは分かっていました。特に近い関係の人には怒りやすくて、全部相手が悪いと思ってました。でもいよいよそんな自分も嫌になっていて、ある日ショックなことがありました。
私には2人の子どもがいるんですけど、下の子が小学校3年生くらいのときにママの真似してやろうかって言って、「大概にしときーよっ!!」って拳を振り上げる真似をしたんです。しかもそれを見た上の子が「似てる~!」って言って爆笑したんですよね。それをみて、私子ども達の印象の中で優しくないんだって気付いて凄くショックだったんです。
でも、性格はなおるはずだって思っていて、そのときにISDと出会いました。そこには「あなたは怒りっぽい性格です」とかは一切書いてなくて、
「こういうことをされたら嫌だよね」っていうことが書いてあって、自分の特徴が見え始めて、あの人が悪いんだって思っていた矢印が自分に向き始めてから自分のことに興味を持ち始めました。今まで自分に無関心だったんですよね。そのあたりから自分との会話が始まりました。
記者:なるほど。自分の反応を知ることで自分に興味が出て、自分を知れたんですね。
Q.では、もともと近い関係には怒りやすく全部相手が悪いと思っていた性格の、その背景には何があったのですか?
角田:パターンとして見えてきたのは、子ども達が私が言ったことをやっていないことが怒る原因だと思いました。これはパートナーに対しても、自分の言ったことに応えてくれないことが地雷になっていることが分かり、私って言った通りにしてほしい人なんだっていう自分が見えたんです。じゃあなんで言った通りにしてくれなかったら腹が立つんだろうって考えたら、言ったとおりにしたくれる人=私のことを大切にしてくれる人という方程式が見えてきたんです。
自分と違う意見が苦手だったんですよね、否定されたと感じてしまって。それが自分の思い込みだと気付き始めたときに、YESとNO両方受け入れることができるようになりました。
この方程式がどこから生まれたかは、多分ずっと小さいときだと思います。
うちの父からは「お母さんの言うとおりにしなさい」とよく言われていて、母の言うとおりにしないと怒られるし、私はNOが言えない子どもでした。
それでも、小学生のときにずっと長かった髪の毛を切りたくて、切ってはいけないという母親に何度も反抗し、「だったら切りに行けばいいじゃない!」と財布を投げられたんですよ。多分母ダメだから投げたんでしょうけど、私は「よし!」と思ってお金を持って髪を切りに行ったんです。
バッサリ切って家に帰ったら、母にめちゃめちゃ泣かれてしまって。そのときに初めてお母さんを裏切っちゃいけないと思ったんです。
母からすれば、もうちょっと子どもでいてほしかったらしいんです。大人になるということを聞かなくなるので、言うことを聞いてほしかったみたいです。だから言うことを聞いてくれる人=大切にしてくれる人という方程式ができていて、これを気付いたときは母が原因だったんだと思ってショックだったんですけど、トータルで考えると母はすごく私のことを大切にしてくれていたことも記憶を辿って分かったし、良かったです。
このように、自分の中でなにをすれば喜ぶのか、苦しくなるのかをちゃんと知っていくことで受け入れられるようになるんですよね。
記者:小さい時の親の影響が大きいことがよく分かりました。親が笑っていることって本当に大切ですね。
最後に、読者の方にメッセージをお願いします。
角田:心に従うことを大切にしてほしいです。心は自分にしか分からないのでですね。
それに、学生などの若い子達には、成績の順位であなたの価値は変わらないことを分かってほしいです。学校は成績で評価されるので、成績が悪いと自分がダメ人間と思う子が多いのですが、全然違います。成績だけで自分を決めない、わが子を決めないことですね。
記者:日々が忙しいと、ついつい心が置いてけぼりになってしまう現代だからこそ、「心に従う」ということは子どもも大人も大切だと痛感しました。本日は大変貴重なお話をありがとうございました!
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角田智子さんの活動、連絡については、こちらから
【編集後記】
記者を担当した荒牧(写真左)、高村(写真中央右)、岩淵(写真右)です。
明るく元気な角田さんの笑顔は周囲を照らし、どんな人にも境界線を感じさせない雰囲気は、さすがコミュニケーションのプロ!ママが笑えば家族が笑うという方程式を、自らモデルとなって実現されている素敵なお方でした。
角田さんの益々のご活躍とご健勝をお祈りいたします。