イノベーションのハードルが低い社会を目指して 株式会社Nayuta 代表取締役社長 栗元憲一さん
今でこそ知られるようになったブロックチェーンや仮想通貨、IoT(Internet of Thingsの略)という単語。仮想通貨やIoTが注目される前からビットコイン技術とIoTを組み合わせたシステム開発に取り組まれている栗元憲一さん。そのシステム開発を手がけるに至った背景など、お話を伺いました!
栗元さんプロフィール
出身地:福岡市
活動地域:福岡、東京
経歴:15年ほどLSIの設計や設計のためのソフトウェア開発に従事。その後IoT関連開発。現在は(株)Nayutaでブロックチェーン関連開発に取り組む。
現在の職業および活動:経営者
「やり続けることで道が開ける」
Q.どのような夢やビジョンをお持ちですか?
栗元 イノベーションを起こすハードルが低い社会になったらいいなと思います。今、福岡でもスマートシティが話題になっていますが、もしスマートシティを実現するために大規模なIoTを実行した際には、どうしてもトップダウンになりやすいです。一部の大企業に情報が独占されてしまっては、誰もが関われるものではなくなってきます。より多くの人たちが関わることができた方が、イノベーションが進む社会ができるのではと考えています。
それで今はビットコインとIoTを組み合わせることをしており、ブロックチェーンはとても役立つシステムです。
Q.それを具現化するために、どんな目標や計画を立てていますか?
栗元 本当に少しずつですが、具現化に向かっています。時間をかけて結果に繋げていけたらいいかと思います。あと数年ぐらいでセカンドレイヤー(※ブロックチェーンネットワークの上に重ねて、様々な便利な利用方法を実現するための構造)のIoTが働き、色々な方が関わり合いながら、社会が変わってくるかと思います。ただ実際には法整備や技術の進歩によっては、もう少し時間がかかったり、または短くなる可能性もあります。あまりこうしなければと囚われず、未来も見据えながらもその時に応じて自分がどう行動するのが1番ベストなのかを考えます。
きっとその時々で社会にとって必要なことを行っていれば、素敵な偶然に出会ったり、予想外のものを発見するとも思っています。
Q.その目標や計画に対して、現在どのような活動指針を持って、どのような活動をしていますか?
栗元 仮想通貨など扱うと金融業界の方やエンジニアの方と話すことが多く、お互いの業界や個々人の背景はそれぞれ違います。なのでお互いが1番納得にいく状態にしていけるように、どう間を繋げていけるかを大事にしていますね。個人はそれぞれのベクトルを持っていますが、なるべく個人のベクトルを大事にしながら、皆が楽しめるようにすれば、チームとしての仕事も次に進めていけるのかなと思っています。
社内では、自分は社長業をしているので、他の社員よりは全体が見えやすい立ち位置だと思います。個々人の個性を生かしながら会社の方向性がブレないようには調整していますね。
Q.そもそも、その夢やビジョンを持ったきっかけは何ですか?そこには、どのような発見や出会いがあったのですか?
栗元 もともとLSI(集積回路の一つ)の開発を約15年間していましたが、37歳の時に生死を彷徨う体験をしました。その後、体調が改善していき社会復帰しようとした時がリーマンショックの時期とも重なり、日本の半導体業界はそこから下降の一途を辿りはじめた時期でした。半導体業界には戻りにくい状況にもなり、そんな時に大学時代の後輩から連絡がありました。後輩は地震の研究をしており、地震計の話を聞いたんですね。当時、地震計は100万円ぐらいします。そこで自分が開発していたスマートフォンにセンサーをつけて地震を測定する地震計を開発しました。これが今でいうIoTにもなっていたと思います。開発した地震計は3万円ぐらいで、精度は落ちますが数があれば正確な情報は収集はできます。東北の震災もあり、地震の正確な情報を得れるチャンスでもありました。でも、だれがその費用を持つのか、設置した人には電気代など負担してもらうのか、などの課題の整理ができず、そのプロジェクト自体はうまくはいきませんでした。その後にブロックチェーンを知り、この技術とIoTの技術を繋げたら、誰かや、どこかの大企業だけがトップダウンで支配力を持った社会システムを作るのではなく、いろんな人が関われてイノベーションがより起こりやすい社会になり、地震計の設置の時に出てきた課題や、今後、社会で出てくる課題を解決できるイメージを持ちました。
Q.地震計の話から今の事業に繋がっているようですが、イノベーションを起したいと思った背景には何がありましたか?
栗元 幼い頃から何かを作る事が大好きで、プラモデルを作るときもどうやったらかっこよくなるのかにやたらこだわる子供でもありました。幼稚園の頃、砂場で遊んでいて気がついたら誰もいなくて(笑)幼稚園の部屋に戻ると皆のお昼寝の時間が終わろうとしていました。どうやら先生が声をかけたようですが熱中しすぎて僕には声が届いていませんでした。
作り続けているのが楽しいから開発の仕事に就き、ただ単に自分が好きなものを作っていただけでした。生死を彷徨う経験をし、「明日には死ぬかもしれない」という状況になった時に自分の中で、初めて「もっと家族や社会のために役に立つことをしていれば」という考えが出てきたんですね。自分でもそんな考えが出てきたことにビックリしました(笑)今していることはボーナスステージだと思っています。だから今は何か社会に残せるものがあればと思い、ブロックチェーンに目をつけ今の事業をしていますし、何かやり続けたら道が開いていけると思います。
記者 情報格差社会ではなく本当に平等な条件で活躍できる社会にはワクワクしますね!本日は貴重なお話、ありがとうございます。
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栗元さんの活動、連絡については、こちらから↓↓
●NAYUTA HP:https://nayuta.co/
【編集後記】
今回インタビューを担当した清水です。
ブロックチェーンや仮想通貨などよく耳にはするようになりましたが、まだまだ知らない事がたくさんあるなと、とても新鮮でした。
これからの社会を先導していくキーワードでもあると思うので、これからどう社会が変革していくのかがとても楽しみでした。
この度は貴重なお話、ありがとうございます!
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