日本の文化をもっと身近にしたい!サラリーマン僧侶 河村英昌さん
日本の文化をもっと身近にしたい!サラリーマン僧侶 河村英昌さん
「日本文化がもっと身近なものになってほしい!」と、サラリーマンをしながら週末に僧侶として活動されている河村英昌さんにお話しを伺いました。
出身地 京都
活動地域 東京、大阪、京都
現在の職業及び活動 IT系企業の会社員であり僧侶。
経歴 京都出身。仏教系中高一貫校を経て、京都大学卒業。大学では、観光系サークルに入り、お寺や神社、日本文化に興味を持つ。大学在学中に僧侶の資格取得。イベントをきっかけに、”フリースタイルな僧侶たち”という若手僧侶の団体に出会う。以降、平日はサラリーマンとして働き、休日は副住職として実家のお寺を手伝い、また”フリースタイルな僧侶たち”のイベントに参画する。趣味で始めた京都検定と神社検定の勉強をしていくうちに、「日本人にとって日本文化をもっと身近なものにしたい!」という思いが高まる。IT系企業での経験を活かし、ameblo、Twitter、Kindle、YouTubeなど、現代のソーシャルメディアを活用した布教活動に挑戦中。
座右の銘 温故知新
Qどのような夢・VISIONをお持ちですか?
河村 日本人に、日本文化をもっと身近に感じてもらい、そしてぜひ日本に生まれて良かったなと思ってもらいたいです。日本人としてのアイデンティティを誇りに思って欲しいなと思います。
例を挙げると、今流行りのタピオカは台湾から来ましたよね。少し前に流行った韓流は韓国からでした。外国で流行り、日本人に流行が伝播することは多いです。ですが逆に、日本発祥で海外で評価されたものは、逆輸入されるまで日本で注目を集めていないことが多い気がしています。
わかりやすいのは、瞑想ですよね。ずっと昔から日本にあるのに、海外でマインドフルネスが流行ったのちに日本に輸入されてあらためて良さが再認識されたといった感じです。
記者 逆輸入されないと流行らないですよね!
河村 そうなんですよ。海外に行って「日本人です。」と言うと、向こうは興味を持って色々と海外が注目する日本のことを質問してくれます。ぜひそこで自信をもって答えていただきたいと思います。そのために少しでも支援させていただければと。少し話は変わりますが、謙虚さは日本人のとてもいいところだと思います。ですが、謙虚さは行き過ぎてしまうと卑下にもつながりかねず、そうなっている場合はもったいないなと思っています。
記者 共感します。
河村 日本人はもっと自国の紡いできた歴史、思想、産業に自信を持っていいはずだと私は思っています。ぜひ今一度、日本という国を見直してほしいです。今のままですと、ゆくゆくは伝統産業を始めとする日本文化が忘れ去られてしまうのではないかと私は懸念しています。その危機感から、日本文化を大切にしよう、未来に残そうと思っていただける人が1人でも増えるようにと私は活動しています。日本には、島国だからこそ生まれた、独自の面白い文化がいっぱいあります。
歴史を振り返ると、明治維新の頃日本人は自分たちで考えて異国の文化を途方もないスピードで自国になじむ文化に作り替え、取り入れていきました。本当に、維新の時代の皆様はまさに偉業を成し遂げられたと思います。その日本の力、文化に誇りを持つことで、日々の生活も変わると思います。
Q日本人の誇りを取り戻したいという夢・VISIONをもったきっかけは、なにがありましたか?
河村 一つは、大学で寺社を巡る観光系サークルに入った時の経験です。自分としては、お寺や神社に詳しい人が多いんだろうなと思っていたのですが、実際そうじゃない人の方が多く、関係のない雑談を楽しむための場となることがしばしばでした。
寺社を巡ることを目的としたサークルの方でさえも、日本文化への関心の薄い人が多かったということが衝撃でした。
記者 河村さんご自身はお寺の生まれということもあり、世間と自分とのお寺や神社への関心の温度差に衝撃を受けられたのですね。
河村 二つ目ですが、大学の頃外国の方に日本のことをよく聞かれたんですよ。「鳥居はなぜ赤いの?」とか「陶磁器の渋みってかっこいいよね。なんであの色にしてるの?」など、日本人同士であまり話題にでない質問を多くされました。海外の人のほうが興味を持っていて、しかし、その頃の私を含めておそらくですが多くの日本人はそれに答えられない気がしました。その二つが大きなきっかけでしたね。
Q夢やVISIONに向かって、どのような目標計画をたてていますか?
河村 なるべく多くの媒体で、日本文化が目に触れる機会を増やしていければと考えています。直近では、Kindleで2冊目の本の出版と、YouTubeチャンネルの配信強化、あとはオンラインサークルをやっていこうと思っています。それから、リアルでのイベントも増やしていこうかと。まずは有名じゃなくても検索をしたらヒットするように情報量と情報媒体の量を少しでも増やすことが目標です。
YouTubeでは、今は私自信が発信をしていますが、私じゃなくても良いんです。チャンネルが育っていったら、発信したい人が発信してもらうようにと考えています。
そうなったら、私からは前置きや宗教系の話をすること、チャンネルを育てることをやります。
私は影。多少、名前が出てないと宣伝効果が出ないのでいけないとは思うのですが、影で支えるだけで良いです。
記者 影で支えるということと、日本人のアイデンティティを育てたいというところは繋がっているのでしょうか?
河村 はい、近いと思いますよ。
「チャンネルに出演しませんか?」と私がアプローチするとき、「あなたのなさっている活動は素晴らしいんでぜひ世間にアピールされてください!」という思いでアプローチをしています。その方のプライドをさらに高めることにつながればと思っています。
その人自身の誇りがさらに高まるきっかけになればと思っています。
記者 プラットフォームのイメージがきました。育てる土壌を創りたいんですね。
河村 そうです。土壌になりたいんです。私は、人の支えになったなと思うと幸せを感じる人でして。自分が有名になるじゃなくて、私の活動が、誰かの背中を押す後押しになれたら幸せで、そこに行くためにまず今は自分で発信しています。
記者 人が成長する姿を見ると感動しますよね。
河村 はい。そうなんです。
Q先程の質問とも被るかもしれませんが、夢に向かっての基本活動をもう少し聞かせてください。
河村 YouTubeでのライブ配信で、日本文化の活動をされている方に出てもらって対談をしています。
それから、『仏教オールトゥギャザー』という仏教好きな方の集まるオンラインサークルを立ち上げました。現在会員は90人ほどいらして、その中でイベントを作ったり制作物を作ったり、メンバー同士交流しています。
最近、思いつきでやり始めたのが、ライブ配信の前にそのゲストの方と主催するイベントを挟むことです。先日は、『デス・カフェ』をしました。海外で始まったカフェ会で、若い人たちが死をフランクに語り合います。心理学的にも、先に死のイメージをしておくことで、実際に、死と出会ったときのメンタルケアにもなるそうです。そのカフェをオンラインで10数人でしたあとに、ライブで『デス・カフェ』の主催者と死生観の話をする配信をやりました。先日は踊り念仏の方ともそのような形で行いました。リアルとライブ配信を繋げることで、より世間の注目度高い話題でライブ配信ができるのでこの流れが気に入っています。
あとは、Kindleで二冊目の本を書こうと思っています。『明日から話せる日本の宗教』というクイズ形式の宗教入門編の本を一冊出していまして、その二冊目に当たるものを準備中です。『明日から話せるお墓と仏壇(仮題)』こちらでは、個人の信仰を書きたいと思っています。
記者 多様な活動をされていますね。
Q例えば、同じきっかけ・出会いがあったとしても活動されてない方もいると思いますが、河村さんはどんな背景があってこのように活動されているのでしょうか?
河村 私こう見えて実は、石橋を叩いて渡るタイプなんです。批判とか怖いですし、だからよくやってきているのが、すでに発信している人がどのようにやっているのかを物凄くベンチマークしています。
3年前にふと思い立ち、京都検定のブログを書いてみました。それが私にとって、発信の世界に踏み出す最初の一歩でした。発信する側になると、不思議なことに自然と人を巻き込んでいけるんです。交流会に行って「こういうことを発信してます。」というと、「ぜひ一緒に発信しないか。」と言われるようになりました。もちろんたくさんのご縁あってのことですが、発信をし出してから、発信をしている人と数珠繋ぎで繋がっていったんです。
記者 石橋を叩いて渡るんですね!
河村 YouTubeも批判されないように、コメントも凄く考えてるんですよ。
記者 そうなんですか!
河村 小学校からの知り合いには、私の活動内容を話すとびっくりされます。
記者 変化されたのですね。
河村 あと大学時代に、個別指導のバイトをしていた経験も大きいです。そこで人の成長をサポートをさせていただくのが自分は好きだと自覚しました。ちなみに、当時の生徒の何人かは遅刻魔や無断欠席魔でしたけど。
記者 そこで怒ったりしなかったんですか?
河村 そうですね、忍耐力を鍛えられましたね。でも、それでも辞めずに通ってくれて、結果成績が伸びた時にはただただ嬉しかったですね。
この間、生徒の1人に会いましたが、彼は夢をかなえるための海外留学が決定したと言っていました。その時、「私と話したことが自信になって今がある。」と言ってくれたのは本当に嬉しかったです。
記者 その生徒に対して怒る先生のほうが多いのではないかと思いましたが、そのように粘れるのは、お寺の生まれで親御さんの教育なども関係しているのでしょうか。
河村 そうですね。父が檀家さんのお話をよく聞いていて、信頼されている姿を見てきた影響が大きいかもしれませんね。
記者 素敵なお父さんですね。
河村 そのように色々あって石橋を叩いて渡るタイプの私でも、発信をするチャレンジをしたことで人がついてきたし、レスポンスをみたときに相手の自信につながったと思えることも数多くありました。「一緒にやりたい」は、スモールでも、発信をしているからこそ言っていただける言葉だと思っています。
発信内容を伝えることで、自分と同じ思いを持ってる人と繋がって、仲間が増えました。最初は、紹介でこんなに繋がるとは思わなかったです。
記者 この出会い(リライズニュース)も紹介ですね。
河村 本当に出会いに感謝です。タイミングってありますよね。一回一回を大事にしよう思っています。あかべこが大好きなので、いつか赤べこの関係者とも繋がって、会津の方々に会いに行きたいです(笑)
記者 では最後に、読者へメッセージをお願いします。
河村 「どんなに小さなことでも、発信する側でいこう!」
記者 河村さん自身がチャレンジしてきたからこそ言える言葉ですね。本日はありがとうございました!
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インタビューをさせていただいた坂中、吉村です。
神社仏閣オンラインの動画ではお茶目なところもみせている河村さん。インタビューでは、批判が怖いとおっしゃる人間味をさらけ出してくださり、ありのままの在り方がとても素敵だと思いました。
スモールステップから発信をはじめて、着実にステップアップされている河村さんだからこそ、多くの日本人の誇りを目覚めさせられるのではないかと希望を感じました。
本当にありがとうございました!
河村さんの活動はこちらから
■Twitter 僧侶えいしょう(@eisyo373737)https://twitter.com/eisyo373737
■YouTube 神社仏閣オンラインhttps://www.youtube.com/channel/UCP6t47ejOS1gjyUf0CyUFKg
■Kindle 明日から話せる日本の宗教
https://www.amazon.co.jp/明日から話せる!日本の宗教-僧侶えいしょう-ebook/dp/B07Y6F2QJ7
■ameblo お坊さんが勉強する京都検定
https://ameblo.jp/free-na-jyodosyu-soryo/
■リアルイベント RootsLab神社お寺部
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