「一人一人が自分の個性を生かし合える尊厳社会を実現したい」株式会社ドゥカラーズ代表取締役“羽利弥生さん”
人・モノ・コト・クリエイティブプロデューサーとして企業のコンサルやマーケティングを通して世界に誇れる人づくり、企業づくりをサポートされている羽利弥生さんにお話を伺いました。
羽利 弥生さんプロフィール
株式会社ドゥカラーズ代表取締役/人・モノ・コト・クリエイティブプロデューサー
出身地:大阪府
活動地域:関西及び東京
経歴:グンゼ株式会社で企画、デザイナーとして長年従事。
2003年 ドゥカラーズ代表として独立。色彩心理学と選択理論心理学を融合した独自のメソッドを開発。法人、行政、個人に研修や講座、ワークショップを行う。2009年 株式会社ドゥカラーズ設立「人が創る。人をつくる」をコンセプトに、長年のマーケティング、ブランディング、商品開発や色彩心理カウンセリングで培った経験を活かし、大手企業のコンサルティング、プロジェクトサポート、マーケティングなどを行う。
現在の活動:長年培った色彩心理学・選択心理学、声紋分析などを融合させた独自のメソッドに加え、新たに認識技術(nTech)を学び、現在、新たな研修カリキュラムを研究・開発している。nTechを共に学ぶメンバーで、クリエイティブラボ“FLAG”を7月に結成。「日本企業を元気にする!」をスローガンに活動する。日本企業として「世界に誇れる会社」を増やすことを目指し、業界や社内の改革をされている企業のサポートを行っている。
座右の銘:為せば成る
個性が発揮できる関係性があっての社会づくり
記者 本日はどうぞよろしくお願いします。最初に夢やビジョンについて聞かせてください。
羽利さん(以下、羽利 敬称略) ビジョンという形では、一人一人が自分の個性を生かし合える社会づくりの基盤を創ることかなと思っていまして、“尊厳社会”に生きる人づくり、企業づくりをしたいなと思っております。
記者 個性が生かし合えるというのが「尊厳」というイメージですか。
羽利 「尊厳社会は人間尊重」なので、人が自分らしく生きて、自分を生かせるということは人の個性も生かせられるので、そういう関係性がある中での社会づくりかなと思っています。
次元上昇した新しい組織の形
記者 その社会を創っていくための目標計画について聞かせていただけますか。
羽利 そうですね。今思っているのは2020年7月1日には旗が上がってるという状態。(旗が上がる=ここはどういうことをしている会社、あるいは組織だと人からみてわかること)2023年には新しい組織ができているという状態に持っていきたいです。
会社で社員を増やして会社の規模を大きくするのは今はどうなのかな、と思っていて、新しい組織づくりというのがあってもいいんじゃないかと思ってるんですよ。まだ具体的ではないんですけど、あまり会社というものにはこだわっていないですね。
やっている業務もすべて延長線上ではなく、ゼロベースに一旦戻してもう1回再構築してみたいという感じです。年月をかけて培ってきたものは再構築したい時に必要なものは残るのでオールゼロ化してもすべてが無くなるとか消えるといったことではありません。次元上昇した新しい形で、今まさしく走りながら形を整えている状態です。
記者 新しい組織とはどんなイメージですか。
羽利 例えば、クリエイティブな仕事をする人たちが、組織の中の一員という枠にはまった途端に自由な発想ができなくなってしまうということがあります。
固定という不自由から自由度を高めていく
例えば、新商品が完成して、販促や広告やっていきたいです、となった時にコンペをしますよね。ここの会社はデザインはいいんだけど、コピーはこっちの会社がいい。その時に一つの会社に決めなければいけない。でも、そこの会社のこれまでのテイストがわかっているから、それ以上の発想は出てこないこともわかるわけです。
グンゼ時代からそうなですけど、今から新しく開発していくものを手伝ってくれる会社があるのはわかるけど、これまで自分が知っている業者さんの中では絶対にないとわかってるんですよ。でも、どこにそんな会社があるんだろう、どこにそんな人たちがいるんだろうとずっと思っていました。その気持ちはお客様のお仕事をサポートするようになってより強くなっていきました。
そしたら、自分がラボをつくることで企業さんにも今ここでお手伝が必要なのはこういう人たちです、って映画を作るみたいに集まってもらえるじゃないですか。もちろんその人たちも組織を持っているんだけれど、ここに参加する時は、一旦組織から抜けていただく。そうすると枠が取れて途端に発想が自由になるんですよ。
なので、会社を経営しているメンバーが多いんですけど、その人が個人に戻って参加できる。そしたらまた自分の組織に戻っても良い影響を与えることができると思っています。
場所がある=固定になるから、その固定を外すために環境を変えるのが良いのではと思ってるんですよね。
認識にアプローチしていくことが大事
記者 その目的・目標に向かう中で、普段一番気をつけていることや行動していることはどんなことがありますか。
羽利 もう既にさっきお話ししたことを行っていますが、今は認識技術(nTech)を学ぶとか、それを研修に入れるとか、いろんなことをどのようにマッチングさせたらいいのかなと思って、それを意識してやろうと思っています。まだ模索中ですが。
記者 nTechを学んでマーケティングのイメージが変わりましたか。
羽利 そうですね。一般的には現状の困りごとを聞くんですよ。今現場で困っていることから改善していくということが多いんですけど、そもそも困っていることばかりを聞いてもと、私は思っています。
消費行動も生活行動もその行動を起こしている背景にある“認識”を確認した方がいいんじゃないかと思っています。それは効果があると認識するから買っているでしょう。表層だけをマーケティングしても仕方ないと思うんですよね。まだ“認識”って言っているところがそんなにないから、その“認識”していること自体もそれで良かったの?ということを投げかけたいと思っています。
一人一人の声を大事にしていくことから始まった
記者 自分で独立をしてコンサルをするようになったきっかけには何がありますか。
羽利 グンゼで商品開発をしていた時、消費者の声を聞きつつ商品開発をしていました。トレンドを追いかけて作っていくというよりは、使ってくださる人たちと一緒に商品開発をして、また使ってもらってフィードバックしてもらったり、改善点を教えてもらう循環型をつくったんです。それで新しいブランドを立ち上げ成功させました。その後、東京でIT関連の育児支援の企業のプロデューサーをした後、独立した時、ある大手企業さんとの出会いがあり、グンゼ時代の話をした時に面白いと思われたんですよ。それが自分たちもちょうどやってみたいというタイミングにはまって、コンサルをさせていただくような流れになったんです。
コンサルなんかしたことなかったんですけど、そこからコンサルやプロジェクトをやるようになりました。その時の仕事が社内で初めて女性の視点も取り入れることに成功し、後にそのプロジェクトメンバーたちが開発した商品が今大ヒットしています。
成長するために困難に立ち向かう
記者 なぜものづくりから人材教育の方に関心が移ったのですか。
羽利 人が好きなんですよ。それと子どもの頃に、父が松下電器産業(パナソニック)だったので、会社見学に行った時に大きな倉庫とか、オートメーションで動いているのを見て、日本企業がすごいと思ったんです。創業者の話もよく聞いていたのもあって。
あと、チームでモノを作っていくんですよ。一人ではできない、チームで作っていく面白さ。出来た時に喜び合える経験をしているから、困難を乗り越えた時の達成感。そういうのが好きなんです。そのプロセスに成長があると思っているので。
記者 小さい頃からそうやって困難に立ち向かう原動力があったんですか。
羽利 そうそう。苦しいとか言ってるんですよ。でも、どこかでやっているうちに出来ると思えてくるんですよ。今までやれてきたし。やったことがないことばかりやってきたけど、全部形作れたし今回も出来る、とか思うんです。
イメージができないことが一番つらいです。全くイメージがわかないものはできない。だから、それは引き受けてもやれると思わない方がいいなというのは、自分の中の判断としてありますね。
次のハードルって自分で上げていくんです。自己概念が低い子ども時代から、やりたいと思ったことをやって出来たという積み重ねでここまで出来た、ここまで出来たと言ってハードルを上げてきているから、次にトライしたいと思うんです。
そのプロセスが成長できると思えるから。死ぬときに自分に対して「よくやった」って言って死にたいっていうのがあるんです。
記者 最後に読者の皆さんにメッセージをお願いします。
羽利 もし自分のことを小さな存在だと思っている人がいらっしゃったら、みんなの想いと力が集まれば、それを改善していけるし変えていける。ずっと温めていた想いをそのままにしないで、出していく時じゃないかなと思っています。
記者 本日は貴重なお話をありがとうございました。
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【編集後記】
今回インタビューを担当したCallingerの帆足と黒田です。
羽利さんのお話を聞きながら言葉には表現できない想いをたくさん感じました。
モノづくりの世界からヒトづくりの世界へ、そして、新しい社会づくりへチャレンジする姿がワクワク輝いて、聞いているこちらが楽しくなりました。
私利私欲ではなく、理想の未来の実現に向けて、できることから一歩一歩チャレンジしていくことの大切さ、熱い想い、ワクワク感、そして、日本企業を元気にしたいという意志を感じさせる羽利さんでした。
羽利さんのこれからのご活躍を応援すると共に楽しみにしております。