「科学するうどん」を秋田から世界へ展開する株式会社眞壁屋の常務取締役であり工学博士でもある“眞壁明吉良”さん

粉体工学を専門をとし、水の博士号をも取得され、うどんの原材料である「粉」と「水」の超スペシャリストである眞壁さんから、科学、秋田、眞壁屋のうどん、そして人間観についてまでを幅広く語っていただきました。

眞壁明吉良さんのプロフィール

出身地:秋田県横手市

活動地域:全国

眞壁屋常務取締役・工学博士日本各地でTV・ラジオ出演、1000回以上にわたる講演を行う。11年間(株)富士通に務めた後、2000年に秋田へ戻り、(株)眞壁屋入社。大学・大学院での粉の研究と、その後の水の研究を活かし、家業の「秋田 眞壁屋のうどん」稲庭うどん(乾麺)の製造・販売において、研究、開発、新規顧客開拓、営業推進に専心。現在は、台湾や香港など海外へも販路を拡大中。

座右の銘:一以貫之(いちをもってこれをつらぬく) ※一生涯一つの仕事に精魂を傾けて生きられた人が最も幸せである

「違うからこそ受け入れる。全てが本物なんです」

眞壁さんは、なぜ?何でも受け入れられる器なのでしょうか?

(眞壁さんが何でも受け入れる柔軟さにより成功をおさめられていると感じたので、この質問しました)

私が科学の道に進んでいたからだと思います。科学や研究というのは、自分と違った考え方を一旦受け入れて理解し、自分と他人の考え方の違いをきっちりと解析できるのかというところにあります。なので、多様性を受け入れることが一番大事だと思います。

研究や科学もそうですが、人間も同じで、思想的に違うから受け入れないのではなくて、思想的に違うから”こそ”受け入れる。
世の中には、ブレーキとアクセルの役割をする人がいて、アクセルばかりを踏む人がいたら、それはそれで間違った方向性に進んでしまうこともあるので。

対立の理論と言って「プラスとマイナス、男と女がいる」まったく異質のものがあって、はじめて仕事が成される。
だから、これが本物でそちらがニセモノということもなく、全てが本物なんです。

よく、これは秘法だとか、自分だけの考えだと隠す人もいますが、私は隠すことなく全部オープンにして、教えられることは教えています。ただ、教えたとしても、本当に深く極めたものは、そこまで到達することはないし、その人以上のものを築き上げることはなかなか難しい。
オープンすることで、現状に留まらずにそれを超えるものに向かって、絶えずより進化していくことができるのです。

「触れるだけで相手を励ますものが本物」

「本質を受け入れる大切さが科学にはある」と講演会でおっしゃっていましたが、本質を見極める大切さのイメージをもう少し詳しく教えてください

科学現象でも、人やモノについての判断基準でもそうなんですが、有名な人や権威者などの本を読んで、それだけが正しいというのは間違い。

私の恩師の言葉が「いいか、本物というのは、決して命を奪ったり他人を傷つけることなく、触れるだけで相手を励ますものだ」と言われました。それが私の本質を見極める基準になっています。触れるだけで相手を激励するもの。だから、音楽でも文学でも何でも、講話でもそれを聞いたら励まされて、“よーしやろう”とエネルギーが湧いてくるもの、それで本物かニセモノかがハッキリする。

「美しさとは優しさであり、愛」

美しさの基準も人それぞれあるかと思いますが、眞壁さんの中の美しさとはどんなものでしょうか?

科学の本質とは何か?といいますと、美しさだと思うんですね。複雑ではない、非常にシンプルで、シンプルな中に美しさがある。

例えば、お年寄りに席を譲ろうとした時、せっかく席を譲ったのにお年寄りからお礼も何も言われず無視されると「なんだ?」と思うかもしれない。けれども、その行為そのものが美しければ、それだけでいいんじゃないか。美しい道、美しい作法、美しい行動をとるように心がけていれば、間違いない。迷ったらそれをしていきましょう。

何が美しいのか?それが本物を見極めることだと思います。それと、優しさとか。
例えば、娘さんが年老いたお母さんの面倒を一生懸命みてあげてる姿など、私は無条件に美しいと思うんですよ。その愛情、愛が本当に美しい。
”人間そのものの人生の儚さ”というものもありますが、その中でも特に女性に対して感じます。自分のことよりも子供を第一に考えられる、そういうところもすごく愛おしいと思うんです。

「美味しいものは世界に通じる“Japanese Noodle”で世界中の人を健康に!」

眞壁さんの今後の夢は何でしょうか?

食を通じて、眞壁屋のうどんを通じて人々を健康にしていくこと。
食料の長期保存、自分の家業を通じて、食料危機という問題を解決していく。これが社会貢献の一助となる。

食の安全性に関しては、きっちり分析し不純物、化学物質、放射線物質などが含まれていないのか?それを確認し、うどんを創っていきたいと思う。
そういった食の安全もあるし、感動してもらいたい。

私が一番嬉しいのは、眞壁屋のうどんを食べて、子供と女性が美味しいと言ってくれること。子供と女性は正直なので、美味しいものは美味しいと言ってくれますからね。

「立て直そうという意志があるかどうか、本気でやるかどうかだけ」

秋田の活性化についてお聞かせください。(秋田出身ということなのでこの話しの流れになりました。)

一番ネックになっているのは、勉強したことが経済に直結していくことが弱いのではないかということです。もっと早期教育みたいなことも必要ではないかと。

国際教養大学などでもいろいろやっているとは思いますが、海外にモノを売ってお金を得るという事までは教えられてないし、それを体得している人がいないので、それを創り出していくのが秋田県や、日本活性化のキーポイントになると思います。

なので、私は香港の会社に商社を通さずに販売して、直接お金を頂くということに取り組んでいます。いい学校に入っている人ほど、貿易実務を勉強しないと出来ないんじゃないかと言われますが、それは違うんだと。

そんなことではなくて、“やったかやらないか”それだけだと思います。

報道でも、秋田が日本の消滅候補都市No.1と言われていますが、「要は、人口が消滅すると思えば消滅するし、残さなきゃダメだと思って残そうとすれば残る」ただそれだけの話です。

今、秋田にいる人たちが、“本当に秋田を残さなければ”と思ってるなら残るだろうし、ただ流れのままに残さなければ・・・とパフォーマンスだけで、国や県から予算を貰ってきて何かやろうぐらいの考え方だったら消滅するでしょう。

本気でやろうとする強い意志があるかどうかだけです。
私は秋田だけじゃなくて、日本全体も同じ状況になっていると思います。

本気でやるのかどうか、日本だって同じことです。

記者  最後に意志が大事、意思さえあれば何でもできるという勇気を貰いました。本日は貴重なお話ありがとうございました。

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眞壁 明吉良さんに関する情報はこちら↓↓↓

眞壁屋うどんホームページ 
http://makabeya.la.coocan.jp/

【編集後記】
今回、記者を担当した廣瀬と中西です。
科学者の目、経営者の目を持ちながら、一人の人として大切にするべきもの、本物の美しさとは何なのか、シンプルな中にこそ真実があると感じました。
お話される内容の一言一言に、眞壁さんのあり方、人間性が溢れており、お話を聞かせてもらい、私たちも激励されました。
秋田へ行ったら、ぜひ愛の込められた眞壁屋のうどんを食べに行ってみてください。

※眞壁さんが強烈な意志を持っている背景に、猪突猛進である信長の野望のゲームにも登場する「戦国武将・眞壁氏」の血筋をひく子孫というものもあるようです。歴史についての話もとても興味深いので、そちらは別途、秋田リライズニュースに投稿させて頂こうと思います。

秋田から創る美しい時代 リライズ・ニュース ~秋田特集〜

『金足農業高校野球部員は、2040年までに秋田県が消滅することを望んでない』
https://note.mu/omotenasi8/n/nc96fe31529fd

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