「送る楽しみともらう喜び」株式会社 桜坂AZUL 代表取締役 武陽子さん

昨年10月に福岡デザインアワードで金賞を受賞された料理研究家の武陽子さん。スイーツ全般のプロデュースを手掛けておられ、「プティジョリー」という代表作を始めとして、その圧倒的な愛らしさや美味しさは多くの人たちに愛されています。口コミだけでここまで来たというのも驚きです。とことんこだわり続けてきた背景に何があったのか、お話を伺いました。

プロフィール
出身地  福岡県
活動地域  福岡県を中心に、東京都でも活動
経歴  2006年お菓子と時短料理教室開講
2015年菓子製造販売スタート。アトリエ桜坂AZULオープン。
2016年オリジナルブランド[プティジョリーHAKATA] 製造販売
2017年法人化 。株式会社 桜坂AZUL 設立
2018年高麗屋三代襲名菓子を手がける
さらに 10月末 [福岡デザインアワード] の金賞と流通部門賞を受賞
現在の職業および活動  株式会社 桜坂AZUL代表取締役
座右の銘  人生は成功と失敗ではなく、成功と成長の連続

一生懸命やれば結果は後からついてくる

Q:どのような夢やビジョンを持っていますか?

武 陽子さん(以下、武) いつも作りたいものは作ってきました。これからやりたいこともたくさんあります。ありがたいことにたくさんのご依頼やご紹介をいただいておりまして、口コミが多いです。そして食べていただいた方が美味しいと思ってくださり、リピートしてくださっています。お陰様で自然と広がってここまで来ました。

「一生懸命やれば結果は後からついてくる」、スタッフとそう言い合いながら、相手が何を求めているのかを考え、自分たちにできることを一生懸命やってきました。

ご依頼やご紹介は大変ありがたいのですが、今は手が回っておらず、去年はパーティスイーツを全部お断りさせていただきました。法人化もしたので、これからは規模を広げて、皆さんのご要望にもっと応えていきたいです。そしてゆくゆくは世界にもAZULというブランドを広げていきたいと思っています。そこまでには今はまだまだできていないことがたくさんです。でも私は妄想家なので(笑)。立ち上げた時からビジョンは持っていましたし、一つずつスタッフと一緒に一生懸命やりながら、実現していきたいと思います。

自社ブランドをつくる

Q:夢やビジョンを具現化するために、どんな目標や計画を立てていますか?

  まずは自店舗を持ちたいと思っています。今は私が一人で立ち上げた時の工房なので、とても狭くてできることに限界があります。まずはスタッフ一同で一緒に仕事ができる場所がほしいですね。

去年は与えられたことを一生懸命取り組んできました。試行錯誤をしながら知名度を上げることに集中してきました。けれど自社ブランドをつくっていきたいので、そのためにも自店舗は持ちたいと思っています。

また自社ブランドとして確立していくためにも、技術をプログラム化してスクールをつくり、職人育成をしていきたいと思っています。そしてスタッフのみんなに仕事をどんどん託していきたいです。

考えすぎず、まずはやってみる

Q:その目標や計画に対して、現在どのような活動指針をもっていますか?

  考えすぎずに、まずはやってみることです。何もかもがやったことないことばかりなので、考えても仕方ないんですよね(笑)。日々勉強ばかりです。もちろん考えなくてはいけないことはありますし、私にできることはやります。でもわからないものはわからないですし、どうしようもありません。とりあえずやるしかないですよね。それでも無理なら潔く人に聞いたり任せたりしています。

そしてスタッフに共有することを大切にしています。一緒にがんばってくれている大切なスタッフなので、良いことも悪いことも共有してやっていきたいです。

こだわるところは、とことんこだわる

Q:「一生懸命やれば結果は後からついてくる」と思うようになったきっかけや発見は何ですか?

 作品にはかなりこだわっています。もともと好きなことはとことんやる性格なので。満足いくものができるまで、マカロンを6時間作り続けたこともあります(笑)。

自分が食べることも好きなので、当然味は美味しくないとイヤですね。「プティジョリー」というアイシングクッキーがご好評いただいているのですが、アイシングは美味しくないものが多いので、美味しくなるようにかなり試行錯誤しました。またアイシングは食べる時に割れやすいので、サイズも小さめにしました。作る時の素材もこだわっています。私にも子どもがいてやはり体に良いものを食べてもらいたいので、マーガリンは使わないなど工夫をしています。デザインに関しても商標登録の問題があるので、歌舞伎座の紋の許可をいただく時にもご挨拶に伺いました。二◯加のデザインで作る時には、二◯加の歴史を学びに行きました。

相手が求めるものが何なのか、それを作品で表現するために、こだわるところはとことんこだわります。結果として相手にも喜んでいただけて、お陰様で自然とご縁が広がっていったのかなと思います。

もちろんできないこともたくさんありますし、基本的に適当なところがあるので。仕事が多忙だったので、子どもたちは自由にさせていたら、かなり濃いキャラに育ってしまいました(笑)。まだまだ至らないことはたくさんありますが、今自分にできることを責任もってやっていくだけです。

贈る楽しみともらう喜び

Q:「こだわるところは、とことんこだわる」という発見の背景には何があったのですか?

  もともとは独身時代にパンを習いだしたのが最初でした。食べることが好きですし、作ったら楽しそう、と思ったことがキッカケでした。作ってみると思った以上に夢中になって、特にお菓子作りは奥が深くて面白かったんです。学んで上手くなるのが楽しくて、パリの製菓学校に行ったり、神戸まで資格を取りに行ったりしました。

自分の楽しみとして子どもたちに作ってあげていたものが余るのでお裾分けしていたら、「美味しい!」と喜んでもらえたのがとても嬉しかったんです。そこから教えてほしいという要望があったので、料理教室をするようになりました。口コミでどんどん広がって生徒が100人を超えるとさすがに手が回らなくなってきて、作品づくりも始めていたので料理教室は縮小しました。でも今でもリクエストがあるので、月に4〜5回は開催しています。

相手が何を求めているのか、どうすれば喜んでもらえるのかをものすごく考えます。ありきたりかもしれないですけど、喜んでもらえた時が一番嬉しいんです。だからAZULのテーマは「贈る楽しみともらう喜び」です。一つひとつ心を込めて作って、私も楽しいし、相手にも喜んでもらえる。そんなお菓子作りを今後もしていきたいです。

料理教室を始めてからは12年間が経ち、去年は法人化しました。これから会社として組織化していく段階で、スタッフたちにももっと仕事を託していきたいと思っています。雇用条件がそこまで良いわけではないのに「一緒に大きくしていこう!」とがんばってくれるスタッフの存在が本当にありがたいです。

ここまで来ることができたのも、多くの人たちとのご縁のおかげです。ご紹介していただいたり、リピートしていただいたりして支えられてきました。まだまだご恩を返しきれていませんが、少しずつ返していきたい思っています。そのためにも知名度を上げて、会社を大きくしていきたいです。

読者へ一言メッセージをお願いします。

 やることは一生懸命やること。そして、「人生は成功と失敗ではなく、成功と成長の連続」という言葉を大事にしており、自分にも言い聞かせています。

記者   ありがとうございました。相手が喜ぶことに一生懸命やって、とことんこだわるからこそ、武さんの作品は多くの人たちに愛され、自然と広がっていくのですね!

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【編集後記】
今回、インタビューをした小水、梅津、赤熊です。
自分も相手も喜ぶwin-winな仕事をすることは、やりたくてもなかなか難しいことです。武さんはまさしくそれを実践しておられるのだと感じました。それは、武さんの作品が可愛くて美味しいお菓子だけに留まらず、色んな想いが結晶化されたものだからだと思います。作品を通して武さんは心を疎通されているからこそ、受け取った人の心が喜び、自然と広まっていくのだと思いました。
今後の益々のご活躍を応援しています!

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