株式会社YOUTURN 代表 中村 義之さん
新卒でDeNAに入社し、DeNAから分社化した株式会社みんなのウェディングに取締役として29歳の若さで、マザーズ上場するまでの実績を残した中村さん。しかしメンタル疾患により退任。その後、1年半の療養後に株式会社YOUTURNを設立されました。たくさんの苦難や逆境を乗り越え、福岡で活動される中村さんのお話を伺いました!
中村さんプロフィール
出身地:福岡
活動地域:福岡・東京
経歴:1984年生まれ。福岡県出身。筑波大学第三学群卒業。2008年、株式会社ディー・エヌ・エー入社。EC事業に従事。2010年10月、同社から分社・独立した株式会社みんなのウェディングの設立に取締役兼マーケティング部長として参画。2014年3月、同社取締役兼事業本部長として東証マザーズに上場を果たす。2016年5月、地元福岡で株式会社YOUTURNを創業。
現在の職業および活動:株式会社YOUTURN(https://youturn.jp) 代表取締役。人材、農業、ヘルスケアなど幅広い事業を立ち上げ中。
「自分に正直に生きること。」
Q.どんな心の在り方や認識の変化が今の活動に繋がっていますか?
中村 義之さん(以下、中村 敬称略) 病気をする前は、ハードワーカーでした。毎日、夜遅くまで働いて、人間としてスキルを磨いたり、職業人として進化していきたいと考えていました。でもその時の気持ちは徐々に、やりたいというか、やらなければという気持ちに変わっていきました。
それで、心では本来の自分はこうありたいというのはあっても、会社の役職上、やらなければならないことはあるから、自分の心とのギャップが開いていったんです。うまく仕事とプライベートは切り分けられるタイプの方がいますが、自分はうまく切り分けられるタイプではなかったです。切り分けたいとも思っていませんでしたが、その結果、体調を崩してしまったんです。そう思って今は、自分の感情に正直になることを大切にしています。
病気になってから、自分の感情を大切にして意思決定するようになりました。
あと逆に変化しなかったところしては、「人と同じがイヤ」「負けず嫌い」ですかね。
今はやりたいことをやっていて、今の会社の事業である人材紹介や就労困難者支援も、自分の感情を大事にしながら経営しています。
Q.AIが活躍する時代に必要とされるニーズとは?
中村 僕はAIはツールにしかならないかと思ってます。AIを使って人間は何ができるのか?道具としてのAIを作るのか?AIと人間の違いで言えば、AIには感情はないと思っています。AIと人間の違いを語る論調の中で、感情や欲望は人間の固有のものであろう、と言われているのはしっくりきています。だから人間の感情に正直に生きる。そのための道具としてAIが、何を果たせるのかが興味がありますね。道具として、どう使えるのかが次のニーズとして生まれるのではないでしょうか。あとはAIが人間を超えていくという話も、言葉あそびになりがちかなと思っています。何を持って超えるというのかで、どうなるかも変わると思っています。
個人的にはAIの専門家でもないので、あまり語るのは少し気が引けます(笑)
Q.どんな美しい時代を創っていきたいですか?
中村 今、生きている時代を一生懸命に生きるですかね。正直、美しい時代については考えたことがないです。その時代が美しいかどうかは、後世の人が決めることだと思っています。時代と歴史は一緒だと考えていて、誰がどう観るかで変わってしまいますので、「美しい時代」かどうかも、観た人によって変わると思います。なので今、生きている人がやるべきことは、一生懸命に生きることが、結果として美しい時代になるのではないでしょうか。ちなみに、ぼくが何を一生懸命にしているのかというと、今の事業でもある移住支援もですが、難病や精神疾患の患者の就労支援もしています。経営理念は人生のターニングポイントを作ることです。みんなが自分の本質に従って生きられる仕組みを作っていきたいと考えています。その人の人生の変化のキッカケを作っていきたいですね。移住もその一つであると思います。移住には、健康とか家族の関係性など、いろんな背景があって移住する。自分たちが何か変化のキッカケになったらいいなと思い、一番重要になるのが仕事だから、今はそれを提供しています。
自分自身も病気になった時には、復職がとても大変で本当に治るのかなって思っていました。メンタル疾患になる方も増えているし、一方で働き方が多様化していて、リモートワークやパラレルワークもある。
病気であった人たちの就労支援とか社会復帰の伴走ができたら嬉しいです。実際、弊社で働いているメンバーの中には前職で病気による休職を経験した者もいますが、今では他の企業から業務委託を受けた仕事を社内で作業してもらうことで、報酬をお支払いしています。自分が病気になっても楽しく働ける機会の提供をずっとやっていきたいですね。
こうやって人生の変化のキッカケを提供していたり、紹介した人がバリバリ働いているのを聞くのはとても嬉しいです。
Q.いま何かチャレンジしている人に伝えるなら、何を伝えますか?
中村 健康に気をつけてください。病気になって思ったのは、スタートアップの9割は失敗すると言われています。何かチャレンジして失敗しても、健康だけ残っていたら、またチャレンジできる。健康の維持のためには、よく寝ること(笑)今の時代、自然に生きることが難しいです。自分の心を無視して生きる人も多いですが、時間が有限だからこそ自分のやりたいことをやることも大事だと思います。今はぼくは、やりたいことは割とやっています。仕事で東京に行ってたり、経営者向けのサロンも運営している。朝倉で古民家を借りて、社員と一緒に過ごし、農業もやっています。農業もいずれ事業化していきたいです。経営の定石からしたら、いろんな事業にリソースを分散するのは、あんまり良くないですが(笑)でも後悔はしたくないので、健康でいられる範囲でやりたい事をどんどんチャレンジしていきたいです。
記者 人生の変化のきっかけを与えるといのは、素敵ですね。お忙しい中、貴重なお話ありがとうございます!
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【編集後記】
インタビューを担当した赤熊、清水と岡山です。
お話をさせていただき、自分の気持ちに正直にと、おっしゃっているように、とてもまっすぐで素直な方でした。
これからも人の変化のキッカケづくりに活躍されてることと思います。
今後、益々のご活躍を応援しています!