福岡・糸島で、おもてなしの心で世界の人を迎え入れる魅力ある”前原宿(まえばるしゅく)ことのは”ゲストハウスオーナー”野北智之”さん
糸島といえば、福岡の中心地から電車で30分の距離にあり、海や山、おしゃれなカフェ、窯元などがあり、気軽に来て一日楽しめるデートスポット観光地として今や「糸島ブランド」として注目の場所。唯一宿泊場所が少なすぎたのがもったいないと思っていたので、世界一周旅行した経験をお持ちで、ゲストハウスを経営されているご夫婦の、とても温かい旦那さんにお話しを伺ってきました。
野北智之(のぎた ともゆき)さんのプロフィール
出身地:糸島市
活動地域:糸島市、前原(まえばる)地域
経歴:明治大学理工学部建築学科。外資系企業に勤めた後退職し妻と一緒に一年間の世界一周旅行をする。帰国後、糸島市の中心地・前原にてゲストハウスを運営。
現在の職業および活動:前原駅すぐの場所で糸島へ来られた方の宿泊先提供と糸島観光案内、地域活性化活動。
座右の銘:一期一会
「世界一周旅行に行って、海外の人にたくさんお世話になりました。今度はゲストを迎える側として、糸島の魅力を世界中の人に知ってもらいたいです」
Q どんなDreamやVisionをもっていますか?
(以下、野北敬称略)
野北 糸島に海外の人がもっと来てくれる事です。海外の人と地域の人との交流が増えることで、自分の住んでいる町の良さが見えてくるからです。糸島の人は地元の良さに気付いてない人も多いとも思っているので、来てくれた人が「すごく海が綺麗!」とか言ったら「あっ、そうなんだ」と地元の良さを改めて知り、地元に誇りを持てるようになると思います。
海外の人と地域の人との交流も増えますからね。
それが出来るのが海外の人ではないかなと思っています。
海外の人も、日本の地方における、現地の人との交流を望んでいると感じています。
Q どんな目標計画を立てていらっしゃるのですか?
野北 海外の人向けに、自転車での糸島観光ツアーをガイドをしながらやりたいと思っています。特に、欧米の人たちや日本旅行のリピーターの方々を糸島に呼ぶためには、彼らが興味を持つ「アクティビティ」が必要です。
車で巡るというより自転車の方が、糸島の海や夕日、田畑などの様々な美しい景色をゆっくり楽しめます。また、自転車で移動しながら糸島の人の雰囲気や文化風習なども感じてほしいですね。
自転車ツアーではガイドをしながら適宜、糸島の良さを紹介していくつもりです。手間ひまがかかるので小規模で質の高いツアーを目指したいです。
Q 活動指針はありますか?
野北 まず、都会より田舎の方が「クリエイティブ」に向いていると思っていますので、クリエイティブな人達の糸島移住や多拠点居住を応援したいですね。私たちも15年以上東京に住んでいたのでわかるのですが、近年都会はあらゆる生活コストが高くなり、また人が密集して住んでいるので、精神的なストレスは計り知れません。
色々面倒なので何かを創ろうという発想が湧きづらく、「消費」するだけの人生になりがちです。むしろ、糸島くらいの「ほどよい田舎」のほうが、ゆとりがあり、不便でもないので、創造性を発揮しやすいと思います。
私たちは、仕事と平行して、糸島映画祭「いとシネマ」の活動も仲間たちと行っています。「田舎はクリエイティブに向いている」という考えを発信する目的もあります。
いとシネマに来た人の中から将来、映画監督とか出てきたら面白いですね。
仲間内でも「やりたいことをやりやすい」のが糸島、という共通認識があります。
他にも、今年から「福岡DIYリノベウィーク」という活動にも参加しました。建物オーナーや使用者が自らDIYしながら改修した、福岡中のリノベーション物件を、一堂に見学できるイベントです。私たちは、前原商店街チームとして参加しました。前原は、最近2年間で13店舗以上の新規出店が相次ぐなど急激な面白い変化をしていて、紹介する良い機会だと思ったので参加しました。
実は、福岡は「DIYリノベーション」の最先端地域で、全国の不動産関係者から注目を浴びています。
DIYによって古い建物を壊さずにリノベーションすることで、お金をかけずに個性的なお店や住居が出来る上に、結果的に古い建物の再生につながり、寂れた地域が活気づき、不動産的な価値も上がる可能性が高いと最近実証されました。
今は古いものは何でも壊してしまう風習が強いです。
壊さずにリノベーションすることで、糸島の経済も回るし地域も活性化していくと思います。
古い物を大切にすると価値が上がっていくことを伝えたいですね。
Q 糸島で海外の人を迎え入れたいと思ったきっかけにどんな発見や出会いがあったのですか?
野北 大学進学のため東京へ行き、そのまま就職をして東京に長く住んでいました。そんな中仕事以外にも何かしたいなと思っていた時、ちょうど目黒区の掲示板に掲載されていた国際ボランティアがいいなと思って始めました。留学生たちを東京近郊のあちらこちらの街へ連れて行ったり、母国を紹介するプレゼンテーションを手伝ったりしていましたが仲の良かった人たちも卒業すれば母国へ帰っていきます。そこで彼らが住んでいる国へ行ってみようと、一年間の世界一周旅行へ夫婦で旅立ちました。一応、新婚旅行を兼ねており、合計23か国を周りました。
糸島に戻ってすぐに妻のかねてからの夢でもあったゲストハウスを開きました。
世界の各地でそれぞれの家族や友人にお世話になったこともあり、今度は世界からのゲストを迎える側として地元に貢献したいと思いました。
帰国して思ったのは糸島は地元の人たちもユニークで良い人が多いし、移住して来た人たちも才能があって、クリエイティブな人たちが多くバランスがとてもいいなということです。
海外には日本が学ぶべき、素晴らしい価値観や文化がたくさんあります。今までは東京経由でしか田舎には海外の恩恵がなかったのが、インターネットや格安航空券の発達で直接、日本の田舎と海外が結びつくのが可能になってきました。
私たちの活動は、世界と糸島を直接繋いで、田舎の可能性をどんどん高めていくことだと思っています。
Q 糸島をより良くしたい思う背景には何があるのですか?
野北 自分で生み出すことが重要なことだと思っています。
私たちはゲストハウスを運営することで多くの人を迎え入れ、糸島の魅力を世界中の人にもっと知ってもらいたいと思っています。
そして、糸島で自営する人が増えて、地産地消がさらに進めば、自ずと活性化すると思います。
将来は、AIやロボット化が進むので、ますます「人の個性」の価値が高まり、「誰がどこでやっているのか」が重要になると思っています。表現だとか、ものづくりとか・・・それが欲しい人はこの人がやっているからその場所に行ってみたいとか、あの人が作るその商品が欲しいという風に考えるようになるはずです。自分自身がブランドになれたら強いと思いますね。
記者 貴重なお話ありがとうございました。
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「前原宿ことのは」の詳細情報についてはこちら ↓↓↓
HP:https://itoshima-guesthouse.com/
Instagram:https://www.instagram.com/itoshima.kotonoha/
糸島映画祭「いとシネマ」について
https://www.facebook.com/itocinema/
福岡DIYリノベウィークについて
https://www.facebook.com/FUKUOKADIYR/
【編集後記】
今回、清水、緒方、草場の3人でインタビューさせていただきました。
とても穏やかで真剣に考えてお話してくださる姿勢に野北さんの人としての魅力を感じました。そんな方が営むゲストハウスを素敵なパートナーと力を合わせて人にしかできない町の発展に自然に楽しみながら貢献されている野北さんに感動させられ糸島前原の更なる発展にワクワクさせられました。
これからも地域の人が輝くには人の力でしか出来ないことを証明されていくことでしょう。
本当にお忙しい時間ありがとうございました。