北九州をもっと誇れる地域に Human Coordinator I.I.(アイツー)代表 糸川郁己さん

北九州市の産学官民のビジネスマッチング、デジタルトランスフォーメーション(「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念)を推進する活動をされている糸川郁己さんにお話を伺いました。

プロフィール
出身地:
北海道札幌市
活動地域:主に北九州市内
経歴:会津大学コンピュータ理工学部卒業。SEとして就職、首都圏にてメガバンクや放送局のシステム開発に携わったのち、休養を取り本州・四国を一周。その後、北九州市役所内における数十億規模のシステム再編PJのPMOとして着任。
現在の職業および活動:北九州市外郭団体に所属し地域のデジタルトランスフォーメーションを推進中。その他、ITコミュニティ「Code for Kitakyushu」事務局長や、起業体験イベント「StartupWeekend北九州」オーガナイザー。イベントファシリテーションなどの受け皿として個人事業「I.I.(アイツー)」を立ち上げている。
座右の銘:「暗いと不平を言うよりも、すすんで明かりを灯しましょう」

「自分の立ち位置で、できることはやる」

Q.どのような夢やビジョンをお持ちですか?

糸川郁己さん(以下、糸川 敬称略) 北九州で生活されている方々が、既にお持ちの地域愛とともに、北九州に対して誇りを持てる状態にしていけたらと思います。北九州は福岡市よりも先に政令指定都市になったり、西日本鉄道(旧九州電気軌道)やテレビ西日本も元は北九州に本社があったりしました。その後、そういった企業の本社が福岡に移転し、ベンチャー企業などは福岡市の方が目立ち、現在ではBtoBを中心に素晴らしい会社は北九州にあるものの、そこにはなかなか目がいかず、若者の就職先がないという声も聞きます。
実際には公共施設の利用しやすさや、医療施設の充実など良いところも北九州にはたくさんあります。北九州に愛着が多い一方で、誇りという面では少ないという調査結果もあります。(三菱UFJリサーチ&コンサルティング調べ)
ものづくり企業に限らず、IT活用を必要とする現場は北九州の中にたくさんあります。つまり、北九州におけるIT活用の伸びしろはまだまだ大きいので、デジタルトランスフォーメーションの推進や、スタートアップ支援などを通じて、時代の最先端地域になれたらいいなと考えています。そうすれば北九州の方々も地域に誇りを持てる一つの要素になると思いますので、それに関われることはなんでもしようとしています。
北九州はポテンシャルはあるので、それがより良い形で住んでいる方にも影響がいけばと思います。

Q.それを具現化するために、どんな目標や計画を立てていますか?

糸川 北九州市内には、地域や産業に関する支援団体がたくさんあります。そういった支援に関わる団体の中から、少しずつでも変革を進めていけたらいいなと思っています。団体内でのノウハウを、最初は属人的にでも蓄積し、その団体に関わる人が変わっていったとしても、私自身は何らかの形ででも、変わらず関わることで、そういったノウハウの継承を行っていけたらと考えています。

Q.その目標や計画に対して、現在どのような活動指針を持って、どのような活動をしていますか?

糸川 色々やっているのですが、例えば、産学官民金の団体が連携して、ビジネスマッチングやデジタルトランスフォーメンションを推進する取り組みとして「北九州e-PORT2.0」に関わっています。またスタートアップ支援でもある「StartupWeekend」の開催をおおもとであるNPO法人の協力のもと、北九州でも開催しています。それと、私自身、元SEでもあるので、ITコミュニティの運営も行っています。
活動指針としては、今の行動が「北九州の為になるかどうか」「そこに適切に経済活動がまわるのかどうか」「人間関係が適切にデザインされているのか」この三点を大事にしています。
人間関係のデザインについて補足すると、今の活動では企業やコミュニティなど様々な団体と関わります。それらは大きく分けて「信頼ベースの関係性」と「ルールベースの関係性」という二つの関係性があり、関わるそれぞれの組織がそのどちらの色合いが強いかは意識します。
例えば、企業の目的の一つは利益追及でもあるので、信頼ベースの関係性だけで物事を進めると上手く行かず、根底となるルールが必要となります。一方で、コミュニティはみんなで協力をしながら繋がりや信頼を元に活動するので、そこに過剰なルールを設けてしまうとモチベーションが下がり、コミュニティが崩壊します。そのように団体のあり方を混同しないようにしています。

Q.そもそも、その夢やビジョンを持ったきっかけは何ですか?そこには、どのような出会いがあったのですか?

糸川 前職で北九州の市役所内のシステムを再編成するプロジェクトを担当することになり、北九州に住むようになりました。北九州の方々は優しかったり、昔ながらの仲間を大切にするような人柄や、実は新しい物好きで、市営バスなどに他地域より早くICカードを導入していたり、先進的なことをしている地域柄に私はとても惹かれたものがありました。
実際に住んでいる人たちも北九州が好きなのですが、同時に「昔の方がよかった」という声も多く聞きました。せっかく北九州の地域の良さがあるのにそれが実生活や産業に活かせいないもどかしさを感じています。「北九州e-PORT2.0」の構想づくりから関わっていた私の立ち位置から、もっと北九州の行政、企業などと連携して、北九州の良さを産業や生活に活かすことができるのでは、と思っています。

Q.「昔がよかった」という声を聞いて、行動まで移せたのはなぜですか?

糸川 単純に、恐らくは元々システムエンジニアだった性として、正常でない状態が好きではないのです。
そこにもっと可能性があるなら、その可能性が広がるようにしたいですし、その可能性を活かすために自分ができることがあるなら、精一杯やりたいのがあります。特に現在の立ち位置的にもできることがたくさんあると思っているので、それをやりきらないなら、私自身の社会的責任は果たしていないと感じます。
自分自身で出来ることがあるならば、やるべきだという想いが根底にあるので、その筋は通したいのがありますね。

記者 自分の能力、相手の能力、地域の能力を最大限に活かしたい糸川さんの思いを感じました。本日は貴重なお話、ありがとうございます。

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糸川さんの活動、連絡については、こちらから↓↓
●Facebook
https://www.facebook.com/ikumi.itokawa

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【編集後記】
今回、インタビューを担当した清水、吉田です。
自ら与えられたポジションを全うしたい思いをとても感じました。人間一人ひとりが何かしら役割を持って生きているので、自分の与えられ役割を全うする「義」の精神で生きたいなと改めて感じました。
これからの活動も応援しています!
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