星空プランニング 星海舎 星のソムリエ 山本朝海さん
外ではなく内、知識よりも感性を大事に、星と人をつなぐことで、人間の視野や可能性を広げる取り組みに挑戦されている、山本朝海さんにお話を伺いました。
山本朝海さんプロフィール
出身地:神奈川県
活動地域:福岡県
経歴:大学を卒業後、デザイン制作会社に就職後、独立。現在はデザインの仕事以外にも、専門資格を持つ星空プランナーとして、星空をテーマにした様々なイベントを企画・運営。
現在の職業及び活動:Planning & Design FLOW代表・クリエイティブディレクターとして広告・WEB制作の仕事を手掛ける。
座右の銘:「私たちの生き方には2通りしかない。奇跡など全く起こらないかのように生きるか、すべてが奇跡であるかのように生きるかである。」
星空を通して視野も人生も広げる
記者:山本朝海さん(以下 山本、敬称略)はどのような夢やビジョンをお持ちですか?
山本:大きなビジョンとしては、星空を通して世界を見つめる視野を広げ、それを通して人生の可能性を拡大するお手伝いをすることです。
人工知能(AI)が出てきている中で人間がどのようにして生きていくのかが問われています。テクノロジーが広がっている現代社会では、”真下”のスマホの液晶画面を見ながら情報を収集するか、身近な”真横”の人間関係から情報を得る時間が多く、視野が限られています。星空は”下”や”横”ではなく”上”です。生活する中で上を見上げることがなくなってきたからこそ、真下や真横にある世界だけではなく、時には上を見上げて頂ければと思います。
頭上の空を眺めると、私たちは球体の中にいて、球体の外にも世界があることに気づく事があります。世界を立体として捉えて見つめる視点の面白さを伝えたいです。
立体的な視野、広い世界をみる観点を持っていると、大きなスケールの中で自分の存在があることがわかり、想像力が拡大します。これからAIが台頭していく時代では、人間は職業の面で岐路に立たされます。人間の想像力が、ダイレクトに「人間の価値・存在」につながっていく未来を歩む私たちにとって、視野を大きく世界を捉える事が、人間の創造性を拡大するヒントになるのではないかと思います。
現代は、世界の切り取り方が画一化されてしまっています。多くの人が、自分の感覚というよりは、外側の枠組みの中から世界を切り取っています。軸が自分ではなく、外側にある状態となっていて、それでは幸せな感覚が生まれづらいのかもしれません。世界をどのように捉えるかがこれからとても大事になってきます。
記者:自分に軸を置いている人が増えたらどうなっていきそうですか?
山本:外側の軸で生きることは、本来の自分とはずれて生きているということです。何かしらの枠組みがあって「こういう考え方を信じれば、あなたの人生は絶対上手くいく!」と言われたとしても、変化の大きい今の時代 「必ずこれをやれば大丈夫。」ということはないような気がするんです。そのような人は、信じていたものを失った時に何をしたらいいのかがわからなくなってしまいます。けれども、自分がいつも何を喜びに感じるのか、本当は自分は何をして生きていきたいのかをきちんと見つめる時間を取っていれば、外側がどうなったとしても自分の軸で考えることができます。
自分の感性で世界をみる眼差しを、これから社会に出る子供や学生に伝えていきたいです。
感性を共にする人たちとの新しい取り組み
記者:「星空を通して世界を見つめる視野を広げ、それを通して人生を拡大させるお手伝いをする。」という夢を具現化するために、どんな目標や計画を立てていますか?
山本:不特定多数の人たち、影響力ある人たちと、感性を一緒に人間の可能性を広げる試みをしていきたいです。
例えば「どんな地球を残していくのか?」「人間の可能性を広げるためにどうするのか?」と考える経営者の方が私の周りにも増えてきているので、そのような方々と仕事をしていきたいです。
今後積極的に取り組みたいこととして「星空を通した地域活性コンサルティング」があります。地域の観光資源として星に注目する公共団体が増えており、昨年2019年も長崎・対馬のグリーン・ブルーツーリズム協会からのご依頼で現地にロケハン・星空視察に伺いました。2020年度は星空イベントを共同企画する予定です。日本の自然の美しさや地域・伝統の素晴しさを星というチャンネルを通してたくさんの方に知っていただきたいです。
記者:具体的に予定している今後のイベントにはどのようなものがありますか?
山本:福岡市科学館とのコラボレーションで、子供たちを対象とした「LOVE FM HAVE A GOOD DREAM PROJECT」を予定しています。星空を通して、子供たちに「夢を叶える素晴らしさ」をお伝えしたいです。
【2月7日コンテンツ追加!】福岡市科学館でLOVEFMが主催するサイエンスイベントが開催決定!
広い視野、物の観方を伝えていく
記者:山本さんは現在どのような活動指針を持って活動していますか?
山本:初心を忘れないことを大事にしています。また、広い視野、物の観方を伝えていきたいです。自然の神秘や不思議さに目を見張るという、人間が元々持っている感性があって、それを思い出すヒントを、仕事や様々な企画を通して沢山の方へご提案できればと思います。
人と星空を繋ぐイベント企画を行う中で依頼として多いのが「子供に向けて星の講習の企画を立ててほしい。」というものです。今、福岡市の保育園からのご依頼で、0~2歳の幼児向けに星空教育を行っています。始めは身近な月を入口に開催しましたが、少しづつもっと外側に広がる世界を伝えていけたらと思います。
記者:子供を対象としているのは何か理由があるのでしょうか?
山本:今後、人間の活動領域が地球の外に広がっていくことが想定されます。1969年にアポロ11号が月面着陸をしましたが、今、NASAが2030年代にも火星に人を送り込もうとする計画を立てています。
人間の活動領域が火星にまで広がろうとする時、人間が今のままの視点だけでは追いつきません。人間の歴史だけではなくて、地球や太陽系、銀河の歴史の中で考えてみたり、物事の捉え方も、ミクロとマクロの視点を持つことで、柔軟性のある思考や生き方がしやすくなるような気がします。
私も、会社員として働いていた時は、目先のことに追われていました。もちろん今もそんな時があります(笑)。ただ、忙しい日々が続いて、自分って何だろうと思った時に、帰り道に眺めた星が綺麗だったら、パッと視点が切り替わったりするのではないかと思います。
星や宇宙に対して感じた神秘性
記者:そもそも「星空を通して世界を見つめる視野を広げ、それを通して人生を拡大させるお手伝いをすること」というビジョンを持ったきっかけは何ですか?そこには、どのような発見があったのですか?
山本:子供の頃から、星座の神話や星の物語などが好きで、小学低学年の頃から星の本をボロボロになるまで読んでいました。世界の真理やブラックホール、宇宙のことには人一倍興味があったのです。
大人になり、デザイナーとして働きだして、モチーフとして星や宇宙を使うものがあり、宇宙のデザイン、太陽系のデザインに対して神秘性を感じるようになりました。「何でこんな世界なんだろうか?」「銀河はどうして渦を巻いているんだろうか?」といったことに不思議と惹かれていきました。
物理学でも宇宙の96%が目に見えないダークマター、ダークエネルギーだと言われています。その96%も含めた世界を知ろうとするのか、あくまで4%の見えるものだけを追っていくのかでは、人生や想像するものの質が変わってきます。
世界の捉え方が変わると、生きることが創造的になることに気がついたのです。そんな感性を、星というチャンネルを通して伝えていきたいと思ったのがビジョンを目指すようになったキッカケです。
人間は神秘性を感じる感性を持っている
記者:「星や宇宙に対して神秘性を感じる。」という発見の背景には、何があったのですか?
山本:「宇宙、自然に対して神秘性を感じる」感性の大切さに関心を持ったキッカケは、作家のレイチェル・カーソンさんの「センス・オブ・ワンダー」という本との出会いでした。センス・オブ・ワンダーは「自然の神秘や不思議さに目を見張る感性」という意味です。
人間が生きている上で何に喜びを感じるのかを考えた時に、知性的なところよりも、五感を通して世界を感じ、愛情に触れること、そして自分で世界を感じる力を育てていく事が大切だと思います。
記者:山本さん、今日は本当にありがとうございました。
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編集後記
今回インタビューの記者を担当した吉田&清水です。
インタビュー中、1つ1つの質問に丁寧に答えてくださいました。柔らかな表情でインタビューに応じていただき、素晴らしいお話を伺えて楽しい時間となりました。AI時代に人間の感性を開かせる取り組みはニーズがどんどん増えていきそうだと思いました。(吉田)
お話を聞く中で、人間の可能性を引き出したい思いが溢れているのを感じました。今後もより多くの人が星に触れる機会が増えたらいいなと思います。これからの活動も応援しています!(清水)
今後の更なるご活躍を期待しています。