「チョコレートを通して世界を平和にする」株式会社オムニモスーク代表取締役 安田孝廉さん
福岡とニューヨークで活躍されているweb会社の安田孝廉さん。チョコレートをブランディングすることを通して、世界を平和にしたいという思いを持っておられます。自らの夢の具現化へ向けて一生懸命やり続けるその思いについてお話を伺いました。
プロフィール
出身地 福岡県
活動地域 福岡県、ニューヨーク
経歴 2007年北九州市でマーケティング、ブランディングの会社を創業、2013年ニューヨークへ進出。9カ国を巡り、カカオとショコラのドキュメンタリー映画「Chocolat Road」をプロデュースしています。映画は2020年公開予定。現在クラウドファンディングBOOSTERで資金調達に挑戦中。
現在の職業および活動 株式会社オムニモスーク代表取締役
チョコレートを通して世界を平和にする
Q:どのような夢やビジョンをお持ちですか?
安田 孝廉さん(以下、安田) 私の仕事はブランディングです。チョコレートを“平和の象徴”としてブランディングすることで、世界平和に貢献したいと思っています。
元々、事業を起こす時に世界平和、社会貢献する思いを込めていたので、世界平和に向かう仕事をするのは自然な流れでした。
チョコレートを通してと思い立ったのは、2016年に国連のマンハッタンでチョコレートのイベントに偶然立ち寄ったことがきっかけでした。世界各国のチョコレートの交換会を見た時、これだと閃きました。
チョコレートは不思議です。嫌いな人はまずいません。世界各国で愛されていますし、食べると気持ちの安定効果もあります。日本では“愛の象徴”とも言われています。
けれど良い面だけではありません。チョコレートとカカオは切っても切り離せない関係性です。どちらかが欠けるともう一方は価値を生めません。チョコレートが広く愛される一方で、カカオ生産者の現状は極めて厳しいものです。彼らは貧しく、カカオ農場では誘拐された子どもが働かされているのです。この社会問題は置いていいものではなないですし、チョコレートを愛する多くの人たちが知るべきことだと、私の胸に込み上げてきました。
チョコレートとカカオという表と裏を見た時、チョコレートを“平和の象徴”としてブランディングする道が見えました。“平和の象徴”であるチョコレートを一粒食べるごとに人の心に平和が広がっていきます。そして戦争が起きた時、チョコレートを現地に送って、皆が平和を思い出して戦争が治まるくらいの威力を生み出したいと思っています。
Piece to Peace Project
Q:「チョコレートを通して世界を平和にする」という夢を具現化するために、どのような目標や計画を立てていますか?
安田 具現化していくにあたって、三段階のフェーズを考えています。
第一弾は、今制作中のドキュメンタリー映画“Chocolat Road”です。3人のショコラティエたちが世界9カ国を周って撮ったドキュメンタリー映画です。今年の5月には完成します。この映画で、カカオ生産者の大変な現状や、ショコラティエの思いを発信し、関心を引き寄せたいです。
第二弾は、“Piece to Peace”というコンセプトチョコレートを作ります。一粒食べると幸せになる“平和の象徴”のチョコレートです。これを世界中のショコラティエが作れるようにして、世界の至る所にに“Piece to Peace”を広げていきます。
そして第三弾、これはまだ秘密です。構想は私の中にありますが、タイミングをみて公表します。
一生懸命やること
Q:その目標や計画に対して、現在どのような基本活動をしていますか?
安田 一生懸命やること、それだけです。時間はないから今ここしかありません。だからどれだけ今ここを生ききれるかしかないのです。
一生懸命やったら、常に自分がやったことを振り返ってチェックします。例えば、今日のこのインタビューも終わったら帰りに自分の姿勢や返答を振り返って、どうだったかを自己確認しますね。うまくいかなかった時は、正直、振り返りたくない気持ちになることもあります。けれど自分がつくっている世界なので、自分でしか変えることはできません。だから逃げずに向き合います。後はさらに成長した自分になれるよう一生懸命やるだけです。それを繰り返しています。
ブランディング能力がある
Q:「チョコレートを通して世界を平和にする」という夢を持ったきっかけは何ですか?そこにはどのような発見や出会いがありましたか?
安田 私にはブランディングする力があります。ブランディングとは、モノを見た時に相手にどう認識させるのか、どう違いをとらせるのかを設計することです。そのために必要なことは、理性と感性です。
偶然マンハッタンでチョコレートを見た時に、これだと閃くような感性が私にはあります。運も強いですし、天気を味方につけることもできます(笑)。一生懸命やる程に感性は磨かれていきます。
感性だけでなく、理性も大事です。何事もですが、やりたいことを具現化するためには継続することが大事です。継続のためには人とお金が必要です。人とお金を集めるために、私は細かく調べ、時間をかけて準備をしっかりします。今回のショコラロードも、チョコレートの市場を調べたり、人脈をつくるために掛け合ったりしました。映画も3年間かかっています。周りの人はブランディングした結果しか目に入りませんが、そこに至る0から1を生むための準備を徹底的にします。
一生懸命やって理性と感性を育てていくことで、自分の思った通りにブランディングした世界をどんどん作っていくことができます。
自分の中に自分が無いことに気づいた
Q:「ブランディング能力がある」という発見や出会いの背景には何がありましたか?
安田 私は昔から人を幸せにしたかったですし、世界を平和にしたいと思っていました。その情熱がいつも私を突き動かしました。けれど実際の自分はエゴだらけでした。失敗をすれば人のせいにし、自分がやってあげているんだという傲慢さがありました。そんな自分を変えたくてあらゆる研修を受けました。どんどん外に向かってチャレンジしましたが、失敗ばかりで何も変わりませんでした。それで自分の中に自分が無いことに気づいたんです。強烈な虚無感が私を襲いました。そこから抜け出したくて、初めて自分の中を見たんです。そして全てが一点に入った時、自分の中に自分がいることがわかりました。
全ては自分がつくっている自分の世界だということを知りました。自分が原因だから、自分で変えていけます。自然と心が安定し、今まで以上の情熱が湧き上がってきました。
今までのたくさんの失敗も必要なことであり、全てはより良い自分の世界をつくっていくためのチャンスだとわかりました。そう見ると失敗はありません。だから今は恐れることなく、どうすればできるかを考えて実行していくだけです。
今回の“Chocolat Road”も映画製作は、初めての試みです。お金もかなり投じています。けれど、チョコレートを“平和の象徴”とブランディングした先に未来が見えてしまったのでやるしかありません。これは使命だと思います。
人間は感情に翻弄されて憎しみや争いを繰り返しています。そんな人間の感情は止まることを知りませんし、世界平和は簡単ではないのです。チョコレートのブランディングが終わったら、私は世界平和へ向けて次の取り組みをするでしょう。私の命がある限り、少しでも自分がつくる世界を変えていけるよう修行を続けていくだけです。
記者 ありがとうございます。全ては自分がつくる世界だと知っている安田さんだからこそ、世界平和へ向けてただ一生懸命やり続けられるのだと思いました。
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世界3大ショコラティエ特別チョコを食べて応援!映画「Chocolat Road」
【編集後記】
今回インタビューをした小水、山口、高村です。
安田さんからは人間の本当の美しさ、可能性を観る純粋な心を感じました。安田さんにとって世界平和へ向かうのは自然なこと。人間的な感情に囚われることなく、自分で自分の世界を統制することができる人間の可能性を発揮しよう!という深い愛あるメッセージが振動してくるようでした。実践を通して自らの可能性を磨き続ける安田さんの生き様は、刀を振り続ける侍そのものに見えました。
安田さんの益々のご活躍を応援しています!